かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

今は40%を切った、というだけで大騒ぎしていられますが、10年後にはもっとひどくなるかもしれません。

2007-08-12 23:21:17 | ドリームハンター麗夢
 毎日暑い日が続きますが、つい先月までは寒さを覚えるほどな天気もあった冷たい夏でしたし、年明けからこっち、とにかくヘンな天気続きになっています。そうなれば心配されるのは食料生産ですが、今年はどうやら、随分不作でひょっとしたらまた外米を輸入しなくちゃならないようになるかもしれません。今年、食料自給率が、カロリーベースで40%を割り込むのだそうです。原因は天候不順で、日照不足や集中豪雨の影響が大きかったのだとか。でも、私はそれに加えて燃料高騰も少なからず影響しているんじゃないか、と疑っています。なんと言っても今の高度に機械化された農業は、石油無しには成り立たない産業になっていますから、これだけガソリンなどが値上がりすれば、影響を受けていないはずがないのです。特に重油を大量に消費する施設園芸においてその影響は著しく、促成の野菜などでは相当厳しい状況になっているとも聞きます。農水省はどうも故意にその点について触れないで、お天気のせいばかりにしているような気がしてなりません。
 あと不思議なのは、このような低水準の危機的状況な食料事情にあるにもかかわらず、現在の農水省の主要政策は農産物の『輸出』だったりするのです。自国の食べ物すら満足にまかなえないのに、儲かる農業を目指すとやらで、高品質な果物などを積極的に出していこうという、そのこと自体を否定する積もりはありませんが、それ以上に本当にやらないといけないことがあると私は思うのです。
 たとえば、輸出でやっていけるような実力のある農家は、国の支援などなくてもちゃんとするでしょう。畑だって維持されるでしょうし、生産力も落ちることはないと期待できます。でも、今本当にダメになっているのは、もっと基幹的な部分の農家です。手厚い保護政策にまもられ、先々を見越した戦略的活動をなんらしなかった日本の農業は、後継者もなく、今や立ち枯れる寸前になっています。今はまだ自給率40%、などといっていられるほど、各農家はがんばっているのですが、もう10年も経てば元気な農家は激減し、自給率も大幅な下落を余儀なくされるでしょう。それに対する有効な施策を考え、一刻も早く手を打たないとならないはずなのに、どうもそういう視点でものを考えているような様子がうかがえません。産業として魅力あるものにして若い労働力を配分できるようにするにはどうしたらよいか。民主党の唱えるようなばら撒き政策でそれが実現するとは到底思えません。政治家や官僚達は、あと何年がんばれるか判らないようなお年寄りに頼る我が国の農業の現状を、本当に理解しているのでしょうか? 食料がほとんど自給できなくなったときのことを真剣に考えているのでしょうか? 自分の食い扶持を自分達の手でまかなえない国に未来はない、と私は思うのですが。

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