かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

ヒトの手が生み出す魔法じみた技術は、どこまで未知の世界に切り込めるでしょうか。

2007-10-05 23:49:11 | Weblog
 10月といえば天気も安定して晴れの日が多い印象があり、体育の日は確か晴になりやすい特異日だったように思いましたが、週間天気予報を見る限り、来週はどうも雨ばかりのようです。まるで夏から秋に移り行くときの秋雨みたいな感じですが、季節そのものがそれだけずれているんでしょうか? それとも、気候がおかしくなって色々と今まで蓄積してきたデータには当てはまらない新種の気象状況になっているんでしょうか?
 紅葉もどことなくヘンで、桜やカエデの葉が、黄色くなってどんどん散っていくのを見かけます。暑い日が長く続きすぎて、人が熱中症で倒れるみたいに、植物もどこかおかしくなっているのかもしれません。
 
 さて、自然界がおかしくなってきているのだとしたら、ヒトとしてはそれに順応するよう耐えるか、自然そのものをコントロールすべく努力するか、折り合いをつけて行かねばならないと思うのですが、その、コントロール手段の一つであるバイオテクノロジーの世界で、幾つか興味深い話が出てきています。
 一つは青い薔薇がいよいよ商業認可されるという話。青い薔薇は、不可能なことの代名詞に使われるほど、従来の育種技術ではけして現れることの無い色の薔薇なのだそうです。青っぽい薔薇は幾つか品種がありますが、純粋な青を作るには青色の色素を作ることができないとダメで、そもそも薔薇はその色素を作る遺伝子を持たないため、どんなにがんばってみても真っ青な薔薇は生まれようがありません。それを、パンジーから青色色素を作る遺伝子を導入し、14年の歳月をかけて作ったのが今回商業認可される薔薇です。遺伝子組み換え植物、ということで、特にその種のアレルギーの強い我が国で果たしてどれだけ受け入れられるのか疑問とする声もありますが、花屋さんの店頭に並ぶ日を楽しみにしたいと思います。

 もう一つ、こちらは人間の方の研究で、自殺を促す遺伝子が見つかったというお話。米国立衛生研究所傘下の精神衛生研究所が行った研究で、抗うつ剤を使う患者によく起きる自殺志向に、2つの遺伝子に起きる特定の変異が関連していることが判ったのだそうです。この特別な遺伝子の変異型を持つ患者は、自殺志向が2倍から15倍に増加するとのことです。どういうメカニズムで遺伝子が自殺を「促す」のかまでは書いてありませんでしたが、ヒトの精神的な活動が、遺伝子、ひいてはその遺伝子によって産みだされる何らかの化学物質によって左右されるということが明らかになったわけです。今、我が国で自殺が急増しているそうですが、ストレス等外的要因の研究も必要でしょうが、この種の「自殺しやすいヒト」を見分けるためのツールを開発する努力もまた必要なんではないでしょうか。その手の研究が進めば、まず自殺を減らすための遺伝子治療なんてのも出てくるかもしれません。
そしてそのうち、夜の夢もまた、モルフェウスに代わってそれを司る遺伝子というのが見つかって、望む夢を自在に見るための遺伝子操作方法なんてのが登場したりするんじゃないでしょうか。今までは夢物語と思っておりましたが、意外に早くそんな時代が来るかもしれません。

コメント
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