かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

世界に冠たるアニメ大国も、内実は遺産を食い潰すだけだったりするのでしょうか

2008-06-29 22:56:58 | アニメ特撮
 今日はなぜか朝起きたときが一番疲労感が強く、一日、のんべんだらり、と過ごすことになりました。今までの反動でしょうか。ゆっくり眠った後に疲れが顕在化するなんて、何のために寝ているのか、疑わしくなるほどです。関東では季節外れのノロウィルスが流行して猛威を振るっているそうですが、こちらもひょっとしてそんな面倒な病気が蔓延していたりするんでしょうか。よもや病気ではなかろう、とは思うのですが、少し気にかかる話です。

 さて、今日テレビで「なつかしのアニメベスト100」、なんていうのと似たようなノリの「世界に誇る日本アニメ」がどうとか言う番組があって、少しだけ観ておりました。日本のアニメが各国でどれだけ放映されているか、その代表的なものを十いくつか紹介する内容だったようです。まあ番組自体は正直なところどうでも良いのですが、そこで流れているアニメの内容が、どうも将来を暗澹とさせるような感じがさせられるラインアップでした。
 まず、出てくるアニメが古い。鉄腕アトム、とか巨人の星、ベルバラとかハイジとかフランダースの犬とか母を訪ねて三千里とか。
 新しいところでは、とってつけた様に「涼宮ハルヒ」なんてありましたけど、あとはポケモンとドラえもんとクレヨンしんちゃんと宮崎アニメ。80年代の黄金時代の作品群がごっそりそぎ落とされているのを観てもまあ製作側のアニメに対するイメージはそんなものなのだろう、と見て取れるのですが、まあそれについてはとやかく言うつもりはありません。それより、これらの作品を見て世界に冠たるアニメ大国、という風に語るのは、どうも将来に対して薄ら寒い気持ちがぬぐえませんでした。結局この番組を観ている限り、世界で受け入れられているアニメ、というのは、私達が幼少時に楽しんだものが多くて、今世界から受け入れられているのは、結局その頃の遺産なんじゃないだろうか、と感じさせられるのです。たとえば奥田監督をはじめとする大ベテランの方々が苦心の末築き上げてきた膨大なストックがあるおかげで世界を席巻していられるけれど、今、そのストックに続く良質な作品を次々と量産できる態勢が我が国にあるか、というと、どうも芳しいものが見えてこない気がしてなりません。マッハGo!Go!Go!の紹介でも、製作スタッフが免許もってなかったからかえって自由な発想でバラエティに富む作品を作ることができた、なんて番組で言ってましたけど、資料と想像力だけであそこまでの作品を生み出した人達なのですから、もし当時の製作陣が車に日常的に乗る人たちだったら、きっとその体験を元にもっとすごい絵を作り、お話を生み出していたのではなかろうか、と逆に私などは思えてなりません。お話的には無免許だから、という話は受けやすいのでしょうけれど、また、当時そういう話は実際にあったのかもしれませんが、鵜呑みにしていいものとは私には思えません。
 いろんなアニメ製作関係の話をうかがったり読んだりしていると、80年代ごろまでのアニメと今のアニメは随分違う印象を受けます。今、世界を制するアニメが本当に20世紀の遺産ばかりだとしたら、そして今は遺産を食い潰すだけの状態なのだとしたら、今世紀中ごろまでにはそんな地位も昔話になってしまっていることでしょう。アニメ製作現場の地位向上や著作権の話など、今抱えている様々な問題を早急に片付け、この手の番組でも新しい作品が次々紹介されるようになる日が、来て欲しいと切に願います。

コメント (3)
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