かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

歴史と伝統の味は健在でした。こういう店、奈良にも無いものでしょうか。

2009-07-07 21:45:21 | Weblog
 今日は仕事で京都まで出かけてきました。京都は、我が奈良県と同様盆地の暑苦しい街ではありますが、その繁栄振りは到底比ぶるべくもなく、いつも同じ古都として歴史に君臨する都市でありながら、この差は何なんだろうな、と感じてしまいます。伝統とか歴史からすれば、奈良の方が当然古いわけで、色々いいものもあるはずなのですが、どうもうまく表に出てこないのか、こじんまりとひそやかに隠れているような気がいたします。

 さて、それはともかく、京都に行きますと、時間が許すならば必ずといっていいほど寄るところがあります。
 場所は北野天満宮のすぐそば。今回は北野白梅町でバスを乗り換えて移動したので、ちょうど道路を挟んで反対側になりますが、北野天満宮のバス停至近に、粟餅所澤屋 (あわもちどころさわや)という老舗のお菓子屋さんがあります。もちろん自動ドアなんて無い引き戸をガラガラと開けますと、ご亭主のおじいさんとその奥さん?、娘さん?など、4人ほどの方が、左手に控え、迎えてくれます。この店の売り物は粟もちのみ。黄色いもちを上品な甘さのこしあんときな粉の2種類でいただくのですが、持ち帰りも店内で食べるのも出来るようになっています。今回は時間もあまり無かったので持ち帰りを選択、その場でおじいさんがちぎるもちを、女性陣が丸くして餡でくるんだり伸ばしてきな粉をまぶしたりして木箱に箱詰めし、昔ながらの包装紙で包んで紙紐で結わえる、という、古風なスタイルで瞬く間にワンセットこさえてくれます。
 持ち帰るまでに少々時間がかかったのと、かばんに入れて揺さぶったせいで形がいびつになり、きな粉の色が水を吸って変わってしまいましたが、味はいつもどおり見事なものでした。
 この粟もち、歴史的には天文年間といいますから、16世紀半ばにはもう北野天満宮で売り始め、江戸時代には「北野の粟もち」として名物に上げられていたそうですから、500年近く連綿と受け継がれていることになります。



 恐らく奈良にもこれに匹敵するようなお菓子があるんじゃないか、と思いますが、今のところ、「だんご庄」の串団子と小橋の焼き餅、くらいしか私には思いつきません。ただ、どれも奈良市からは遠い南の名物ですし、東大寺とか法隆寺の近くに何か無いものか、と思うのです。

コメント
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