かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

日本人の研究は本当に素晴らしいです。ノーベル医学生理学賞に大村智・北里大特別栄誉教授が選ばれる。

2015-10-05 20:38:40 | Weblog
 土日は昼寝をしてしまったせいか、昨夜も寝付きが悪く、中々眠るのに苦労しました。それでも朝は6時前に目が覚めてしまうのですから、睡眠時間は相変わらず少なくなっています。明後日の人間ドック、とんでもない数値にならなければ良いのですが。

 さて、いつのまにかノーベル賞の季節になっていました。昨年は青色発光ダイオードで日本人2名、元日本人1名の受賞で沸き立ちましたが、今年もまた、大村智・北里大特別栄誉教授80歳が、「寄生虫によって起こる感染症の治療法の発見」を理由にノーベル医学生理学賞を授与されました! 具体的なお仕事は、土壌中の微生物が作り出す化学物質から有用なものを見つけるもので、1979年に、犬のフィラリアを始めとする動物の感染症や、熱帯地方で流行する、目に寄生虫が侵入して失明する「オンコセルカ症(河川盲目症)」、「リンパ系フィラリア症(象皮病)」、ダニが原因の皮膚病「疥癬(かいせん)」などの特効薬になった「エバーメクチン」を発見、更に480種以上の有益な微生物由来の化学物質を分離・同定、そこから26種の医薬品や農薬が生まれる基礎を築き上げられました。今回の受賞は、この天然物有機化学分野の多大な業績が評価されたとのことです。しかもこの先生、発見した物質の特許を放棄してアフリカ奥地などお金のないヒトにも薬が行き渡るようにしたという、有徳の仁者でもあり、日本人研究者の鑑ではなかろうかと、研究者の端くれとして襟を正す思いを致しました。
 
 土壌などの微生物は、昔から様々な有益なものが見出され、利用されてきましたが、未だ未知なものは数多く、その中に、まだ知られていない素晴らしい性質を秘めたものがあるのは間違いありません。ただ、それを探し、分離して培養し、有効性を確かめる、という仕事は実に地味で根気のいる仕事です。しかも、何千株、何万株と培養してみても、一つも有効なものが出てこないことだってあるのですから、とても並みの根性ではやり遂げることなどできないでしょう。私なども仕事でできれば見つけたいものがあり、どの当たりを探せば良さそうだ、という目処を付けるところまでは考えましたが、その先の仕事の膨大にして悠遠な道行きに恐れをなし、とても手を出す気にはなりませんでした。なんとも情けない限りですが、その恐怖の一片を知るだけに、それをやり続け、世界中の人を何億人も救った大村博士の偉業は、まさにノーベル賞にふさわしい人類の快挙であろうと思うのです。
 本当におめでとうございました。
コメント
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