かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

ブドウから創りだされた「軍需物資」なるものが、東京で展示されるそうです。

2015-10-29 21:12:15 | Weblog
 今日は朝はそれなりに寒かったのに、日が出てからは急速に気温が上がり、朝に対応した格好では暑くて大変でした。明日も今日と同じような感じで、最低気温は今朝よりも低め、となりそうなので、また服の調整が困りものです。と言って昼間まで寒くなってくるとそれはそれで大変なのですが。

 さて、大東亜戦争のさなか、帝国海軍がソナーの材料としてお酒のワインから「ロッシェル塩」なるものを作り出すことに精を出していたんだそうで、その現物が、当時製造に携わった甲府市ワイナリーで保管されていたことが判り、この31日から上野の国立科学博物館で始まる「ワイン展 ―ぶどうから生まれた奇跡―」で初公開されるとのことです。この展覧会自体は、純粋にワインの世界を楽しむためのもので、最古の日本産ワインや沈没船から引き上げられた170年前のシャンパーニュなど、戦争とは何ら関係のない典雅な催しなのですが、そんなワインが戦地慰問以外の用途で軍需物資として重宝されていた、というのは驚きです。でも、そんなもの一体何に使っていたのだろうか? と少しググってみましたら、ロッシェル塩こと酒石酸カリウムナトリウムは、圧電素子として使えることが判り、大戦中はブドウ園から大量に集められたのだそうです。日本では、当時からすでにブドウ=甲府だったんでしょうね。ブドウやワインの歴史が長いヨーロッパと違い、日本では入手にも結構苦労したのではなかろうか、と思われます。
 ところで、なんでソナー限定なんでしょうね? 圧電素子ならもっと色々用途がありそうなものですが。この報道を書いた記者が海軍マニアで特に耳に親しいそれを書きたかったからなのか、はたまた取材や勉強不足でそれ以外思いつかなかったからなのか判りませんが、ソナーならソナーで、一体どのようにして使ったのかくらいは書いてくれても良かったんじゃないかと思います。
 ともあれ、そんな苦労がしのばれる逸品が展示されるというのは実に興味深いものがありますが、流石にそれだけのために東京まで出向くわけにも行きません。普段はあまり意識しませんが、こういう時はやっぱり東京はいいところだな、と羨ましく思えます。

 ・・・あ、そう言えば、風船爆弾には柿渋とコンニャク糊が使われていたんでしたっけ? まあ竹槍や松根油はアレにしても、それなりに植物素材のものも重要な戦略物資として重宝されていたということなのでしょうね。

コメント
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