いま、観光を政策として考えるとき、観光コンテンツやサービスを提供側の視点で考えることが多いように思いますが、やはり、自分が旅を楽しむ側に立って考えることが必要だと思います。そうすると、なかなかまとまった休みが取りにくいことや、道路や移動手段などが便利になった一方で効率的な移動だけになっていないか、などなども考えて良いのではないでしょうか。
観光はどこかで得た情報を確認するだけのものではなくて、自分の知らなかった気づいていなかったものに出会い、またそれに会いに行きたくなるものになれば、都市から地方という流れだけでなく、地方と地方、地域と地域という形の動きが活発になり、結果として地方が元気になると思うのです。
電動バイクで芸人さんが旅をする番組を見ていると、だいたい20キロごとぐらいに充電をお願いしないといけなくなり、それがそこの人たちとのふれあいの時間になって、普通の旅番組ではでないところも映されていました。こういう楽しみ方をできることが、今の自分たちも欲しいし、地域の活性化にもつながるのだと思います。
先日の内容は、横浜から伊勢に行くというものでした。で、三重県に入ってから鈴鹿はどう取り上げられるのかなぁと見ていたら、塩浜街道の長太の辺りから伊達家のある江島、そこで宿を探しても空いていなかったので、白子駅前のホテルで宿泊、そして伊勢街道で津に向かっていましたが、芸人さんが街道の雰囲気を「古い街並みでいい」というような言い方をしながら電動バイクに乗っていました。こういう感覚で、自分の街を見ることができれば、違った取り組みが考えられると思います。
公務員の仕事はいろいろと言われることもありますが、内向きだけではなく、外から見る感覚を養えるきっかけを、もっと許容しても良いのではないかと思います。