鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

「非常事態」と考えるのなら

2020年03月03日 01時11分24秒 | Weblog
週末からずっと、フェイスブックでのいろいろな方の投稿の流れや、市役所で感じている、どこか引っかかるような感覚ですが、自分の中でなにが原因になっているかわかりました。
 
話に入る前に、いま、各地の役所で休校対応に取り組んでいる職員の方々は、非常に大変だと思いますし、感謝したいと思っています。
また、感染された方が日々増えている状況を、決して甘く考えているわけでもありません。個人的には1月末ごろから、感染拡大の可能性を憂慮していたくらいですから。
 
では何に引っかかるのかというと、今回の件が、突発的に起こる大災害などと同様の「非常事態」のように捉えられているのではないか、というところです。
 
首相の休校要請後、対応に首長をはじめ職員の方々が奔走している状況は、そこを見ると「非常事態」と受け取れます。しかし、首相からは要請であって、それぞれの自治体での判断で対応が可能だったことを考えると、要請に対して慌てる対応になってしまい、それにより「非常事態」感が増してしまっているように思います。
 
もし、大規模な自然災害と同じように「非常事態」と考えるのであれば、感染者の状況は、北海道と東海圏は違いますし、同じ東海圏でも、愛知、岐阜、三重ではまた違い、三重県でも市町によって状況は違うわけですから、地域での罹患状況などの科学的な情報と合わせた形で、国なり県なりから要請されることが必要と思います。しかし、今回はそのような手順が踏まれているようには思いません。このように判断に足る情報や、情報に基づいた要請がない状態では、本当に緊急を要する事態なのかの判断は、本来しかねるのではないでしょうか。
 
急ぐことが求められたのは、首相の要請会見とそれを受けたメディア報道などを踏まえての判断であって、本当に「非常事態」であるなら、科学的なデータや対策会議の専門家の公式発表などを根拠に、客観的に判断された結果で、早急な対応に取り組むべきなのだと思います。しかし、そうではなかっただろうという点は、やはり目をそらしてはいけないことだと思います。また、後付けで情報が出てくるとすれば、それはそれで問題をはらんでいるように思います。
 
重ねますが、感染拡大は憂慮すべき事態です。しかし、突発的にこのような状況になったわけではないですし、このような状況は、十分に想定できた範囲のことだと思っています。対応の検討についても同じで、事前にいろいろなパターンを検討できたのではないでしょうか。
 
なぜなら、新型インフルエンザ特別措置法があり、それに基づいて鈴鹿市でも「鈴鹿市新インフルエンザ等対策行動計画」が平成26年に策定されているからです。そこでは、今回の新型コロナウィルスのような感染症について「感染症法第6条第9項に規定する新感染症で,その感染力の強さから新型インフルエンザと同様に社会的影響が大きなもの」とすでに書かれています。
 
 
このようなことがある中で、今回の事案を大規模な自然災害のように、「突発的な非常事態」と認識することには無理があると思います(政治による突発的なものという視点は別として)。
 
このような考えからもうひとつ気になっていることは、大規模な自然災害による非常事態と、人的な要因が大きいと思われる今回の事態が、同列のように考えられることによって、行政権、執行権の側だけで物事が進んでしまいすぎてはいないか、時間的に議論や確認も行うことができたのではと考えられる中で、国会も地方議会もそこに関われていないのではないかということです。
 
今回のことは、「非常事態」についてのギャップと、首相の要請に対して首長をトップとした行政が動いたことに対して、地方議会は受け身になっていないか、そういうことが小骨のように引っかかっているのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする