土花吉&与太吉

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利権古今

2014-02-21 | 【昭和】

下の写真は港で栄える地元TRGのその昔。

今も昔も、利権というものは「蔓延る」もので、さしずめ「海運」においても今でも、その名残がございます。

今回の主役は下の写真にも写る、1905年(明治38)築の「紐育(ニューヨーク)スタンダート石油倉庫

2棟続きの通称「赤レンガ倉庫」。 

昭和に入り転売され、戦中は軍備倉庫として使われる。

その後、1951年(昭和26)、創業間もない地元海産物卸加工会社が購入。昆布の保管倉庫として使われる。

下の写真がその頃で、手前が「旧・敦賀税関」で奥にその倉庫が写る。

前記の通り、いつの世も利権はあり、ましてや地元TRGは原発の町。

計画の段階から既に利権が始まり、建設中まさにそれはピークに達する。案外、建ってしまうと

それは小さくもなるも、それでもそれは「蔓延る」。

その例たるものが、今回の主役「赤レンガ倉庫」。

因みに下の写真は現在の同じアングル写真。。。

※現在の港湾合同庁舎新築(昭和41年)に伴い、本来の歴史的価値のある建物は解体。

平成の時代になり建物の傷みも激しくなり、昆布貯蔵という特殊な倉庫故、維持管理費がかさむようになり

この、「海産物卸加工会社」は考える。。。歴史的価値があるのでは?市で買ってくれない?かと。

しかし、誰が観ても・・・って、建築士の端くれの私が観ても、地盤は不同沈下し構造体の

壁も一部落ち込み正直、こんなモノ?下手に買ったところで、後に掛かるであろうコストはとんでもない

金額になるのは見えみえ。。。普通、断ります。(一般常識のある者は)

そこで、又また考える「海産物卸加工会社」。

当時、商工会議所の会頭でもあった「海産物卸加工会社」代表。

「市で買ってくれないのであれば日本原電に買ってもらおう」(悪知恵ってのは、よくはたらくものです)

しかし、日本原電も考える。「こんなモノ?日本原電とは全く関係のないもの、そんなモノどうしようか・・・。」

そこで、又また考える。「あっ!市に寄付しよう」

そうすりゃ~、日本原電の点数も上がるし、後の維持管理費も心配しなくてよい。

ってなことで、2003年(平成15)先ずは「日本原電」が「海産物卸加工会社」から4億208万円で購入。

そして、地元TRGへ寄付。

この一連の売買から寄付、そして寄付を受けるという行為を一日でやってのける三者。
(商工会議所会頭の海産物卸加工会社&日本原電&TRG市)ある意味、凄い!法務局も含め(笑) 

これで丸~く、納まりましたねぃ。海産物卸加工会社も大金が入ったし、日本原電も

地元との「共存共栄」の立場から点数も上がった。地元TRG市もタダで貰っちゃったし。

 

でも、ちょっと待ってください・・・。 

 

さぁ~どうする、地元TRG市。こんなモノ?お荷物?を抱え込んで・・・。

そこで考えますTRG市。「何とか国の登録有形文化財に出来ないものか」

そうすれば、国や県からも税金を投入出来る筈・・・。

ハイっ、目出度く2009年(平成21)国の登録有形文化財に登録。(私が文化庁なら登録しませんがね、笑)

(良かったですねっ、民主党政権誕生前の原発立地様さまの自民党政権下の内で)

 

そんな「利権」によって生まれたプロジェクト「赤レンガ倉庫整備計画」。

 

2014年度、耐震工事及び鉄道と港のジオラマ展示やレストラン、市民ギャラリーへの改修工事費=約10億円。

その内、20%の2億円を地元TRG市が負担、残り8億円を国と県とが負担。

全て、我々の血税です。(地元市民に留まらず、県民、日本国民全ての)

こんな小さな、原発立地の港まちの商工会議所会頭の利権から始まり、市民どころか

県民、国民まで実は巻き込んでしまったプロジェクト。

果たして上手く行くもんなんですかねぃ・・・。

 

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コメント (6)
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