先日の「鐡道写真展」にも来てくれた「やっちん」。
彼とは中学の3年間仲が良くてその後、別の高校へ行くようになって疎遠になる。
「相変わらず変なアングルの写真で懐かしいのぉ~」とか「こん時、一緒に行ったけど遠かった亀山」とか
好き勝手の評価を相変わらずの笑顔で溢す。
彼と再会を果たしたのが今から15.6年前かな・・・。
浪人生活を諦めその後、一旦就職するも突然「インドへ放浪の旅」に出る。(後で聞いた話では失恋旅行だったらしい)
再会の時は懐かしい反面、何処かヒッピー的な独特な雰囲気で慣れなかった。
「インドはええぞぉ~、今度一緒にいこっか?」
(ん・・・。インド行くぐらいなら他行きたいっし。第一、ガンジスに命を預けられないし・・・)
そんな再会から数年後に会った時、彼は変貌している。
(どしたん?・・・)
「カッチョええやろ?」
(・・・・)
「カッチョええやろ、この車イス」
確かに軽そうで、高そうな車イスやけど・・・。どしたんよ「やっちん・・・」。
「あのなぁ、ここが違うんよ他の車イスとは。。。ここがこうなんよ。。。」
分ったてっ!だから、何でそんな笑顔で言えるんよ?・・・。
丁度、中学に上がった時ぐらいから付き合いだして、小学も一緒だったけど、そん時は仲がいいわけでもなくて。
鉄道の話をしてからか、気が合うようになった彼は理科部で私はバレーボール部、別に一緒に居る
時間も長くは無かった。
でも、学校でケンカがあると頻繁に登場し、ボッコボコに相手を蹴散らす。多分、学年で一番強かった彼。
2年生になった頃かある日、彼が突然「二人で写真部つくらんか?」ってな話をしてくる。
「理科実験室の横に暗室あるやろ?あれ、理科部の先生に話つけて使わしてもらおうや」
「そのために写真部をつくるんよ二人で。顧問は北先生(理科担当)になってもらってやぁ。」
「そうすりゃ~、写真の現像も焼き回しも出来るしええぞぉ~♪」てな・・・。
確かに当時、フイルム(当然モノクロ)は何とか買うことが出来て写真を撮ったまではいいわ、現像や焼き回しの
お金がなくて、下手すりゃ~町の写真店で(おいちゃん。今回は現像だけでええわ・・・)な~んてのが常。
でも・・・。私は反面教師の家庭で育つ貧乏人だけど彼は、鉄筋コンクリートの家の裕福な家庭で育つお坊ちゃん。
なのになんで?
「ええやん♪ 現像から焼き回しまで自分たちでやるんよ♪ カッチョええでぇ~」
何とか「二人写真部」も認めてもらい、それぞれの部活が終われば「暗室に集合」ってな中学生活を過ごす。
現像液も印画紙もタダ。オマケに機械(乾燥機等)まで使い放題。暗室は現像済のフイルムがすだれ状にぶら下がってて
臭くて狭かったけど楽しかった。。。
そんな「やっちん」と二人、40年ぶりに蒸気の元へ。
お互いの風貌は変わり、「やっちん」が言うカッチョええ車イス(カーボンホイール)を髭面白髪頭の私がカメラを担ぎながら押し
いつもの撮影ポイントへ突き進む。
(やっちん。どお?相変わらずカッチョええよなぁ~蒸気。。。)