近年、貴重な登録有形文化財の建築物が次々と解体されている・・・。
本来、近代の貴重な建築物が安易に取り壊されないようにするために導入された指定制度の筈が
その効果は薄れ実際、維持する個人の立場からすると邪魔もの以外にないのも現実。
又、それは個人に留まらず、行政が維持する立場にある公的建築物ですら解体される例も後を絶たない。
最近、地元の街中でも解体現場が目立つ。
ここは、「月の虹」の近所で八幡神社前の旧若狭街道沿いに建つ平入りの長屋建築。
中央一階はその昔、理髪店だった。
この前を子供たちが小さな背中にランドセルを背負い近くの学校まで行き来する。
その通りから少し入った所にある洋館の建物。
2階には卓球台が置かれ、子供らはそこで遊び縦長の窓から顔を出す。
いずれも文化財の登録などしていない戦後の建物ではあるものの、人によっては数少ない、その時
その日の名残りを感じ、思わず微笑みを浮かべることが出来る建物。
そんな微笑が解体と共に失われる・・・土花吉の妻の顔からも・・・。