土花亭事務所では古いアーロンチェアを使っているのですが、今まで「アーロン君の色を捜す」や「アーロン君のバナナ」のように
出来るだけメンテは施しながらの使用。
元々、このハーマンミラーのアーロンチェアについて内部の構造に興味があり今回、運よく壊れたアーロン君が手に入ったので
早速、修理目的で分解してみることに。
症状としては昇降リフトが沈んだままなのとチルトの不調が見受けられる。先ずはシートの取り外しから。
4本のボルトで固定されているシートは簡単に外すことが出来る。但し、シートサイドのボルトは完全に抜き取る必要があり
残したまま無理に外すと、取り付け時に苦労しそうな構造に見受けられる。
ここからが皆さんが苦労されるユニット部の樹脂カバーの取り外し。
ハーマンミラーのオフィシャルマニュアルでは「正面の下カバーを押しながら上カバーをずらす」とあるようですが、そうは簡単に行かない。
経年のせいで樹脂も硬化しているだろうし先ずは潤滑油を流し込む。
この正面での取り外しはもし、樹脂が欠けたり割れたすると目立つ場所。そこで樹脂の成型の関係で比較的、強度が
保たれてるであろう後面側部から傷が付かないようにヘラでこじ開けて行くと「パコーン」と外れ、上カバーは勢いで飛んで行った。
そして、実際に実物を観たかったユニットの確認。
奥が昇降リフト用のシリンダーの上部ピストンピンを押さえたりするペダルで、手前がチルト機能部。
チルト部の銀色金属部が上がったままの状態で、樹脂の駒と接してないのは異常では?と思われるかもですが
この状態が多分、フルチルトの状態。
実際、アーロンチェアの場合は座ったままの状態で各機能を調整するため、この状態だと背もたれを押しながら
各機能を観る必要がある。
後は昇降用ペダルを外してシリンダー上部を観るとピンが凹んだままの状態。本来は出ベソ状態でピンが出ている筈。
各駆動部やワイヤーの注油序に潤滑油を掛けて暫く放置してみるも、シリンダーが復活するわけもなく・・・。
諦めて、本体をガレージに持ち込み、シリンダーを外す作業へ。
先ずは17mmのソケットをシリンダー上部に当て本体を少し持ち上げながらハンマーで叩き抜く。潤滑油が効いてたせいか数回で抜ける。
次に脚側を逆さにし、潤滑油を隙間に吹き付け当て木を当て同じく叩き抜く。こちらは結構な回数叩きまくり。
外れたシリンダーを観てみると完全にガス(多分、窒素ガス?)が抜けてた状態。そして、各部の採寸。
頭部分でテーパーが掛けてあるため「27mm~28mm」、脚部で同じくテーパー付で「47mm~50mm」。
多分、汎用品でいけるのでは?と思い、代替のシリンダーを捜すまで暫くガレージで放置することに。
因みに、このハーマンミラーのアーロンチェア用純正部品のシリンダー1本で、普通のオフィスチェアを買えるくらいですかねぃ・・・。
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