ルイガノ旅日記

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国指定名勝 旧蔵内邸 (築上町)

2016年09月22日 | 北九州
この日は、築上町の名所をぐるりと探訪。正光寺の白い彼岸花を見た後は、炭鉱経営で財を成した蔵内(正しくは「藏内」)家の邸宅を訪ねました。明治20年に建てられた旧蔵内邸は、建築面積335坪という壮大なもの。もちろん広さだけではなく、使われた建築材の豪華さ、欄間や天井、調度品の精緻な技巧など、今では到底考えられない豪奢な建築物で、現在は築上町が所有・維持管理しています。


威風堂々の大玄関間。土間と玄関間だけで15坪という広さです。


二間続きの広々とした応接間。開口部が大きく、伸びやかに庭に親しむ設計となっています。


どの部屋にも、美しい季節の花が飾られています。応接間では、上品なご婦人が花を生けておられるところを拝見することができました。


旧蔵内邸の生け花は、町の委託を受けた二つの流派(池坊と新池坊)の方々が、交代で管理しておられますが、花代以外はすべてボランティアだそうです。


白い彼岸花を使った生け花もいくつか・・・・・・。


応接間に腰を下ろして、ゆっくりと庭を観賞。


向こうに見えるのは、18畳二間続きの大広間。


庭に突き出すように設計された茶室。


茶室の濡れ縁にも花が置かれていました。


こちらは居間。床の間の黒光りする柱は大変貴重なもので、これ1本で普通の家が1軒建つほどの価値があるのだとか・・・・・。


どの部屋からも庭が見えるようにと、凹凸が多い複雑な造りとなっています。


様々な意匠を凝らした広縁の天井部分。わけても、大広間を取り囲む広縁の丸天井は見事です。


大きな八角のつくばい。茶室の壁が灰色なのは、敷地内を流れる地下水による湿気を防ぐために、漆喰に墨を混ぜ込んでいるからだそうです。


すべての床の間には、さりげなく花が生けられています。


大広間から眺める庭。元々は歩いて巡る回遊式の庭園として造られたものですが、大正時代の大増築を機に、大広間や茶室などからの眺めを楽しむ座観式庭園に趣向を変えたのだそうです。


建築や庭造りの様式には、色濃く煎茶文化の影響が見られるとのこと。そんな関係からか、蔵内邸では、美味しい煎茶とお菓子で一服することができます。


初秋の風が心地よい大広間の広縁で、庭を愛でながら戴く一服のお茶。心身ともにホッと癒されるひと時でした。


お茶うけには、築上町の濱崎屋謹製、寒菊。生姜の風味が良かったです。


様々なイベントも企画される旧蔵内邸。今月27日までは、NHKの「とと姉ちゃん」で話題の「暮しの手帳」を全冊そろえた「雑誌と広告」展、9月24日(土)は、二胡(2本の弦を弓で弾く中国の楽器)の調べを聴きながら月を愛でる「二胡と観月の夕べ」が行われます。


帰り道に立ち寄った築上町の物産館メタセの杜で、豊前銘菓 寒菊を買って帰りました (^-^)ゞ


旧蔵内邸は、今回が2度目の訪問。お茶を戴いている間、館内スタッフの方が邸宅の特徴や様々なイベント、築上町の名所・史跡などを詳しく説明してくださいました。町の活性化に積極的に取り組んでおられる気持ちや熱意が伝わってきて、美味しい煎茶とともに、楽しくさわやかな時間を過ごせました (^-^)ゞ

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