先月初め、山口県長門市に『界 長門』がオープンするというニュースを聞いて、星野リゾートのHPを覗いてみました。ダメもとのつもりだったのですが、オープン翌日の金曜日、運よく1室だけ空きがあったので即行で予約。今年は、新型コロナの影響でいくつかの旅行の計画を中止せざるを得ず意気消沈していたところだったので、久しぶりに温泉でゆったりまったりするぞーと、意気揚々と自宅を出発しました (^-^)ゞ (その頃は感染の状況も今ほど切実ではなかったので…………)
せっかくの機会なので、山口市まで足を延ばして瑠璃光寺へ。
奈良の法隆寺、京都の醍醐寺とともに日本三名塔に数えられる瑠璃光寺の五重の塔は、西の京と呼ばれる山口で独自の発展を遂げた大内文化の最高傑作と言われています。
五重塔に向かって池沿いを歩くと、途中に若山牧水の歌碑がありました。明治40年、21歳の牧水が瑠璃光寺を訪れた際に詠んだ歌が刻まれています。書は喜志子夫人の筆だそうです。
~はつ夏の 山のなかなる ふる寺の 古塔のもとに 立てる旅人~
室町時代、1442年(嘉吉2年)頃の建立と伝えられる五重塔。高さは 31.2m。二層にだけ回縁(まわりえん)がついているのが特徴です。
近寄ってみると、ずいぶん傷みが進んでいるように見えました。600年近く風雪に耐えてきたのですから、大がかりな修理が必要な時期に来ているのかもしれませんね。
四方がすっと反り上がった、檜皮で葺かれた五層の屋根。この屋根と屋根を支える中央の身部は、上層階に行くほど少しずつ細くなって、すっきりと端正なシルエットとなっています。
この日、すでに梅は盛りを過ぎていましたが、瑠璃光寺の境内は桜や梅の名所として知られています。
瑠璃光寺は、永平寺を大本山とする曹洞宗の寺です。
山門から本堂まで階段式の回廊が巡らされた瑠璃光寺。さながらミニ永平寺のような佇まいです。
山口市から長門湯本温泉に向かう途中、美祢市秋芳町にある別府弁天池にも立ち寄りました。
ここは、広島県の厳島神社から分霊し建立された別府厳島神社の境内。毎分11トンもの水が滾々(こんこん)と湧き出す別府弁天池は、環境省の名水百選にも選ばれています。とても美味しい湧水なので、遠くからも汲みに来る人が後を絶ちません。
神秘的なコバルトブルーの弁天池。透明度が高いため、底まで手が届きそうなほど浅く感じますが、深いところは水深4.5mもあるそうです。
杉の木の祠に祀られた弁財天…………その昔、深刻な水不足で困り果てて諏訪大明神に祈ると、水の神様で有名な弁財天を祀り竹をこの地にさして願いを立てるようにとお告げがあったそうです。さっそく、小さな社をたて弁財天をお祀りし、竹を地面にさしてみると、みるみる水が湧き出たと伝えられています。
境内の隣では、年間を通じて14℃と安定した湧き水を利用して、ニジマスやチョウザメの養殖が行なわれています。
養鱒場のスタッフの方によるニジマスの選別作業の真っ最中。
養鱒場に併設された釣り堀では、手ぶらで気軽にニジマス釣りを楽しめるほか、釣ったニジマスは食事処弁天会館で調理してくれるそうです。清冽な水で育ったニジマス、釣りたての美味しさは格別でしょうね。
弁天池の駐車場の陽光桜がちょうど見ごろを迎えていました(3月13日)。
少し早めに長門湯本温泉に到着。チェックインまで温泉街を流れる音信川(おとずれがわ)の河畔を散策しました。
写真右手前に見えるのは足湯(浸かっている人を避けて撮っているので端っこだけになりました)。音信川の向こう側の建物が界 長門(左は温泉棟、右は客室棟)。低層で落ち着いた色調は、周囲の景観を損ねないための配慮でしょう。
音信川の清らかな流れ。
いま長門湯本温泉は、古くからの共同浴場である恩湯(今年3月中旬リニューアルオープン)を中心に温泉街のリノベーションに取り組んでおり、観光客や住民が季節を感じながら寛げる環境づくりを進めています。きれいに整備された音信川沿いの散策路やベンチ、街路樹や照明、界 長門の「あけぼのカフェ」などもそうした取り組みのひとつ。長門湯本温泉は、音信川に沿ったそぞろ歩きが楽しい温泉街となっていました。
散策路と接する界 長門の温泉棟。大きな暖簾がかかっているのは、宿泊客が気軽に温泉街に出入りするためのあけぼの門。隣接するあけぼのカフェでは、自家製のどらやき・ソフトドリンク・アルコールを販売しており、どら焼きや飲み物を買って目の前のベンチで寛いだり、河原の足湯に浸かったりするのも楽しそうです。
どらやきは、オーソドックスな小豆だけではなく、山口県らしい夏みかんや山口県オリジナルの柑橘ゆずきちのジャムを使ったものもありました。
あけぼの門(宿泊者用出入口)をくぐったところにある中庭。
その中庭を眺めながら寛げるトラベルライブラリー。宿泊者は、24時間自由に利用できます。
棚には、山口県の歴史や史跡に纏わる本や県産の伝統工芸品などが並んでいました。
私たちも、あけぼのカフェで買ったこどらやきを食べながら小休止。小豆が好きな妻も、この日は夏みかんとゆずきちのどらやきを選びました。 (^-^)ゞ
棚に飾られていた大内人形。山口で大内文化が花ひらく礎を築いた大内弘世が、京から迎えた奥方の寂しさを慰めるために作らせたと言われています。
萩焼で作られた吉田松陰座像。
淡い緑色がきれいな萩ガラスのワイングラス。
萩ガラスと言えば、ひび割れガラスのロックグラスを私も長年愛用していますヽ(^o^)丿
革製のトランクと時計の置き物。人を旅に誘うような趣がありますね~
新型コロナウイルスの感染が収まる気配をみせません。私が住む福岡県でも、ここ数日急激に状況が悪化し、ウイルスの影がひたひたと近づいているような重苦しさを感じます。感染しないよう努めることはもとより、万が一自分自身が感染したとしても、それを拡大しないよう気をつけたいと思います。ここが正念場、心をひとつにして頑張りましょう〜
《お知らせ》
せっかくの機会なので、山口市まで足を延ばして瑠璃光寺へ。
奈良の法隆寺、京都の醍醐寺とともに日本三名塔に数えられる瑠璃光寺の五重の塔は、西の京と呼ばれる山口で独自の発展を遂げた大内文化の最高傑作と言われています。
五重塔に向かって池沿いを歩くと、途中に若山牧水の歌碑がありました。明治40年、21歳の牧水が瑠璃光寺を訪れた際に詠んだ歌が刻まれています。書は喜志子夫人の筆だそうです。
~はつ夏の 山のなかなる ふる寺の 古塔のもとに 立てる旅人~
室町時代、1442年(嘉吉2年)頃の建立と伝えられる五重塔。高さは 31.2m。二層にだけ回縁(まわりえん)がついているのが特徴です。
近寄ってみると、ずいぶん傷みが進んでいるように見えました。600年近く風雪に耐えてきたのですから、大がかりな修理が必要な時期に来ているのかもしれませんね。
四方がすっと反り上がった、檜皮で葺かれた五層の屋根。この屋根と屋根を支える中央の身部は、上層階に行くほど少しずつ細くなって、すっきりと端正なシルエットとなっています。
この日、すでに梅は盛りを過ぎていましたが、瑠璃光寺の境内は桜や梅の名所として知られています。
瑠璃光寺は、永平寺を大本山とする曹洞宗の寺です。
山門から本堂まで階段式の回廊が巡らされた瑠璃光寺。さながらミニ永平寺のような佇まいです。
山口市から長門湯本温泉に向かう途中、美祢市秋芳町にある別府弁天池にも立ち寄りました。
ここは、広島県の厳島神社から分霊し建立された別府厳島神社の境内。毎分11トンもの水が滾々(こんこん)と湧き出す別府弁天池は、環境省の名水百選にも選ばれています。とても美味しい湧水なので、遠くからも汲みに来る人が後を絶ちません。
神秘的なコバルトブルーの弁天池。透明度が高いため、底まで手が届きそうなほど浅く感じますが、深いところは水深4.5mもあるそうです。
杉の木の祠に祀られた弁財天…………その昔、深刻な水不足で困り果てて諏訪大明神に祈ると、水の神様で有名な弁財天を祀り竹をこの地にさして願いを立てるようにとお告げがあったそうです。さっそく、小さな社をたて弁財天をお祀りし、竹を地面にさしてみると、みるみる水が湧き出たと伝えられています。
境内の隣では、年間を通じて14℃と安定した湧き水を利用して、ニジマスやチョウザメの養殖が行なわれています。
養鱒場のスタッフの方によるニジマスの選別作業の真っ最中。
養鱒場に併設された釣り堀では、手ぶらで気軽にニジマス釣りを楽しめるほか、釣ったニジマスは食事処弁天会館で調理してくれるそうです。清冽な水で育ったニジマス、釣りたての美味しさは格別でしょうね。
弁天池の駐車場の陽光桜がちょうど見ごろを迎えていました(3月13日)。
少し早めに長門湯本温泉に到着。チェックインまで温泉街を流れる音信川(おとずれがわ)の河畔を散策しました。
写真右手前に見えるのは足湯(浸かっている人を避けて撮っているので端っこだけになりました)。音信川の向こう側の建物が界 長門(左は温泉棟、右は客室棟)。低層で落ち着いた色調は、周囲の景観を損ねないための配慮でしょう。
音信川の清らかな流れ。
いま長門湯本温泉は、古くからの共同浴場である恩湯(今年3月中旬リニューアルオープン)を中心に温泉街のリノベーションに取り組んでおり、観光客や住民が季節を感じながら寛げる環境づくりを進めています。きれいに整備された音信川沿いの散策路やベンチ、街路樹や照明、界 長門の「あけぼのカフェ」などもそうした取り組みのひとつ。長門湯本温泉は、音信川に沿ったそぞろ歩きが楽しい温泉街となっていました。
散策路と接する界 長門の温泉棟。大きな暖簾がかかっているのは、宿泊客が気軽に温泉街に出入りするためのあけぼの門。隣接するあけぼのカフェでは、自家製のどらやき・ソフトドリンク・アルコールを販売しており、どら焼きや飲み物を買って目の前のベンチで寛いだり、河原の足湯に浸かったりするのも楽しそうです。
どらやきは、オーソドックスな小豆だけではなく、山口県らしい夏みかんや山口県オリジナルの柑橘ゆずきちのジャムを使ったものもありました。
あけぼの門(宿泊者用出入口)をくぐったところにある中庭。
その中庭を眺めながら寛げるトラベルライブラリー。宿泊者は、24時間自由に利用できます。
棚には、山口県の歴史や史跡に纏わる本や県産の伝統工芸品などが並んでいました。
私たちも、あけぼのカフェで買ったこどらやきを食べながら小休止。小豆が好きな妻も、この日は夏みかんとゆずきちのどらやきを選びました。 (^-^)ゞ
棚に飾られていた大内人形。山口で大内文化が花ひらく礎を築いた大内弘世が、京から迎えた奥方の寂しさを慰めるために作らせたと言われています。
萩焼で作られた吉田松陰座像。
淡い緑色がきれいな萩ガラスのワイングラス。
萩ガラスと言えば、ひび割れガラスのロックグラスを私も長年愛用していますヽ(^o^)丿
革製のトランクと時計の置き物。人を旅に誘うような趣がありますね~
新型コロナウイルスの感染が収まる気配をみせません。私が住む福岡県でも、ここ数日急激に状況が悪化し、ウイルスの影がひたひたと近づいているような重苦しさを感じます。感染しないよう努めることはもとより、万が一自分自身が感染したとしても、それを拡大しないよう気をつけたいと思います。ここが正念場、心をひとつにして頑張りましょう〜
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