2日目の午後、四国汽船のフェリーで直島を後にしました。直島・宮浦港から高松港まで、およそ1時間のオーシャンクルーズ(笑) 潮の流れの関係か、逆コースよりも10分ほど時間がかかります。出航して30分もしないうちに、高松の街並みが見えてきました。
フェリー桟橋に接岸。四国の海の玄関口だけあって、大小さまざまな客船が頻繁に行き来していました。
港のすぐ東に見える台地は、源平合戦の舞台となった屋島です。都を追われた平家が、再起を期すための拠点とした屋島は、当時、陸続きではなく完全な島だったそうです。
高松港は、瀬戸内国際芸術祭2022の会場のひとつとなっています。港に立つ2本のカラフルな柱は大巻伸嗣氏の作品『Liminal Air -core』。色とりどりのコマを積み重ねたような形状で、高さは約8m。一部は鏡面仕上げとなっていて、時間とともに移ろいゆく港の景色を映し出しています。桟橋に停泊しているのは、私たちを直島から高松に運んでくれたフェリーなおしまです。
港から"ことでん"(高松琴平電気鉄道)の高松築港駅に向かう途中、高松城の手前でこんなマンホール蓋を発見。平家物語「屋島の戦い」で、那須与一が扇の的を射抜くシーンです。
高松城周辺を整備した玉藻公園の一角にある、彫刻家 井上麦さんの『地表より-森』。
港から歩いて5分、高松築港駅に到着です。ことでんのホームから見える高松城のお堀。
ホームに電車が入ってきました。高松築港駅はことでん琴平線の終着駅なので、ここで折り返し運転になります。この電車で瓦町駅に向かい、まずはホテルにチェックイン。荷物を置いて、「手打十段 うどんバカ一代」の釜バターうどんを食べに行き、夜はホテルに近い「鍛冶屋町 みや﨑」で郷土料理に舌鼓を打ちました。食べ歩きについては、機会を改めてアップしたいと思います。
翌日は、レンタカーを借りて高松から東山魁夷せとうち美術館へ。途中、さぬきうどんの名店として名高い「がもううどん」に立ち寄ってから、美術館のある瀬戸大橋記念公園に向かいました。瀬戸大橋は、岡山県倉敷市から瀬戸内海の島々を経由して香川県坂出市に至る10本の橋の総称で、世界最長の道路・鉄道併設橋としてギネス世界記録に認定されています。
こちらは瀬戸大橋の袂に建つ東山魁夷せとうち美術館です。入口から美術館に向かう印象的なアプローチ。東山魁夷の代表作のひとつ、『道』を彷彿とさせますね。
東山魁夷せとうち美術館は、魁夷の祖父、東山新吉(魁夷と同じ名前です)が坂出市櫃石(ひついし)島の出身で香川県と縁が深いことから、東山家より版画作品を主体に約300点の寄贈を受けたことをきっかけとして2005年に開館しました。
この日は、秋の特別展「日本画の粋-新美美術館コレクション選」が行われており、東山魁夷だけではなく、平松礼二や鈴木竹柏などの作品を観ることができました。
平松礼二『秋の池・モネ』(『日本画の粋』リーフレットより)
鈴木竹柏『明ける古都』(同上)
瀬戸内海や瀬戸大橋のパノラマが広がる1階ラウンジ。祖父新吉の出身地、櫃石島も見えます。
記念に買ったポストカード。左は東京国立近代美術館所蔵の『道』。青森県八戸市にある種差海岸に沿って伸びる青森県道1号八戸階上線 がモデルとなっています。右は長野県信濃美術館・東山魁夷館所蔵『緑響く』。「一頭の白い馬が緑の樹々に覆われた山裾の池畔に現れ、画面を右から左に歩いて消え去った」という画家のイマジネーションから生まれた作品です。この時、魁夷の胸の中には、モーツァルトのピアノ協奏曲第2楽章が響いていました(東山魁夷記念一般財団法人HPより)。
せっかくの機会なので、円盤型のドームが回転しながら上昇する瀬戸大橋タワーに乗ってみました(所要時間約10分)。
西方向には讃岐の山々や瀬戸内の島々。
瀬戸大橋に連なる与島、岩黒島、櫃石島などを経て、岡山県まで一望できました。
眼下に見えるのは瀬戸大橋記念館。
続いて訪ねたのは、石垣の名城と呼ばれる丸亀城。
藩主居館の表門だった「玄関先御門」を抜けて場内に入りました。「御殿表門」とも呼ばれるこの門は、城門としては珍しい薬医門形式で建てられています。私たちは駐車場から近かったこの門を通りましたが、城の北側には、もっと大きくて立派な「大手門」があります。
山上に向かう長い坂道。傾斜が急で、時々立ち止まって振り返りたくなることから、「見返り坂」と呼ばれます。
上の写真で女性がカメラを向けているのが、高さ20mを越える三の丸の高石垣。見上げるような高さの石垣です。
ここまでは序の口。天守へは、まだまだ長く急な坂道が続きます。
右の石垣の上は「月見櫓跡」。
月見櫓跡でひと休み。正面に見えるのは、讃岐富士とも呼ばれる飯尾山です。
標高約66mの亀山に築かれた丸亀城の天守閣。日本に現存する木造十二天守のひとつです。
丸亀市街と瀬戸内海。
丸亀城は、日本城郭協会が選んだ「日本100名城」のひとつ。城の北側、京極通りから全景を撮りました。
続いて、香川県の西端、三豊市にある父母ヶ浜(ちちぶがはま)へ。
南北およそ1㎞にわたって続く遠浅のビーチで、干潮時には広い潮だまりが残ります。
風がない穏やかな日は、鏡のような水面に空や雲、夕焼けなどが映りこむことから、SNSで「日本のウユニ塩湖」として評判が広まりました。
私たちも、父母ヶ浜の「おもてなしスタッフ」の方にレクチャーされ、言われるがままにいろんなポーズを……。人が集まり始めるには少し早い時間帯だったので、恥を忍んで夫婦二人で頑張りました (^-^)ゞ
この日は海に沈むきれいな夕日が期待できたのですが、それだけに父母ヶ浜も帰りの道路も混雑が予想され、レンタカーの返却時間も迫っていたので、夕焼けの撮影は諦めて高松に戻ることに……。
翌朝の高松港です。『Liminal Air -core』が朝日を浴びて輝いていました。
時間に追われず、行きたいところをのんびり回るのもいいものですね。さて、旅もいよいよ後半。2泊してうどん三昧を楽しんだ高松を後に、次の目的地小豆島に向かいます。
フェリー桟橋に接岸。四国の海の玄関口だけあって、大小さまざまな客船が頻繁に行き来していました。
港のすぐ東に見える台地は、源平合戦の舞台となった屋島です。都を追われた平家が、再起を期すための拠点とした屋島は、当時、陸続きではなく完全な島だったそうです。
高松港は、瀬戸内国際芸術祭2022の会場のひとつとなっています。港に立つ2本のカラフルな柱は大巻伸嗣氏の作品『Liminal Air -core』。色とりどりのコマを積み重ねたような形状で、高さは約8m。一部は鏡面仕上げとなっていて、時間とともに移ろいゆく港の景色を映し出しています。桟橋に停泊しているのは、私たちを直島から高松に運んでくれたフェリーなおしまです。
港から"ことでん"(高松琴平電気鉄道)の高松築港駅に向かう途中、高松城の手前でこんなマンホール蓋を発見。平家物語「屋島の戦い」で、那須与一が扇の的を射抜くシーンです。
高松城周辺を整備した玉藻公園の一角にある、彫刻家 井上麦さんの『地表より-森』。
港から歩いて5分、高松築港駅に到着です。ことでんのホームから見える高松城のお堀。
ホームに電車が入ってきました。高松築港駅はことでん琴平線の終着駅なので、ここで折り返し運転になります。この電車で瓦町駅に向かい、まずはホテルにチェックイン。荷物を置いて、「手打十段 うどんバカ一代」の釜バターうどんを食べに行き、夜はホテルに近い「鍛冶屋町 みや﨑」で郷土料理に舌鼓を打ちました。食べ歩きについては、機会を改めてアップしたいと思います。
翌日は、レンタカーを借りて高松から東山魁夷せとうち美術館へ。途中、さぬきうどんの名店として名高い「がもううどん」に立ち寄ってから、美術館のある瀬戸大橋記念公園に向かいました。瀬戸大橋は、岡山県倉敷市から瀬戸内海の島々を経由して香川県坂出市に至る10本の橋の総称で、世界最長の道路・鉄道併設橋としてギネス世界記録に認定されています。
こちらは瀬戸大橋の袂に建つ東山魁夷せとうち美術館です。入口から美術館に向かう印象的なアプローチ。東山魁夷の代表作のひとつ、『道』を彷彿とさせますね。
東山魁夷せとうち美術館は、魁夷の祖父、東山新吉(魁夷と同じ名前です)が坂出市櫃石(ひついし)島の出身で香川県と縁が深いことから、東山家より版画作品を主体に約300点の寄贈を受けたことをきっかけとして2005年に開館しました。
この日は、秋の特別展「日本画の粋-新美美術館コレクション選」が行われており、東山魁夷だけではなく、平松礼二や鈴木竹柏などの作品を観ることができました。
平松礼二『秋の池・モネ』(『日本画の粋』リーフレットより)
鈴木竹柏『明ける古都』(同上)
瀬戸内海や瀬戸大橋のパノラマが広がる1階ラウンジ。祖父新吉の出身地、櫃石島も見えます。
記念に買ったポストカード。左は東京国立近代美術館所蔵の『道』。青森県八戸市にある種差海岸に沿って伸びる青森県道1号八戸階上線 がモデルとなっています。右は長野県信濃美術館・東山魁夷館所蔵『緑響く』。「一頭の白い馬が緑の樹々に覆われた山裾の池畔に現れ、画面を右から左に歩いて消え去った」という画家のイマジネーションから生まれた作品です。この時、魁夷の胸の中には、モーツァルトのピアノ協奏曲第2楽章が響いていました(東山魁夷記念一般財団法人HPより)。
せっかくの機会なので、円盤型のドームが回転しながら上昇する瀬戸大橋タワーに乗ってみました(所要時間約10分)。
西方向には讃岐の山々や瀬戸内の島々。
瀬戸大橋に連なる与島、岩黒島、櫃石島などを経て、岡山県まで一望できました。
眼下に見えるのは瀬戸大橋記念館。
続いて訪ねたのは、石垣の名城と呼ばれる丸亀城。
藩主居館の表門だった「玄関先御門」を抜けて場内に入りました。「御殿表門」とも呼ばれるこの門は、城門としては珍しい薬医門形式で建てられています。私たちは駐車場から近かったこの門を通りましたが、城の北側には、もっと大きくて立派な「大手門」があります。
山上に向かう長い坂道。傾斜が急で、時々立ち止まって振り返りたくなることから、「見返り坂」と呼ばれます。
上の写真で女性がカメラを向けているのが、高さ20mを越える三の丸の高石垣。見上げるような高さの石垣です。
ここまでは序の口。天守へは、まだまだ長く急な坂道が続きます。
右の石垣の上は「月見櫓跡」。
月見櫓跡でひと休み。正面に見えるのは、讃岐富士とも呼ばれる飯尾山です。
標高約66mの亀山に築かれた丸亀城の天守閣。日本に現存する木造十二天守のひとつです。
丸亀市街と瀬戸内海。
丸亀城は、日本城郭協会が選んだ「日本100名城」のひとつ。城の北側、京極通りから全景を撮りました。
続いて、香川県の西端、三豊市にある父母ヶ浜(ちちぶがはま)へ。
南北およそ1㎞にわたって続く遠浅のビーチで、干潮時には広い潮だまりが残ります。
風がない穏やかな日は、鏡のような水面に空や雲、夕焼けなどが映りこむことから、SNSで「日本のウユニ塩湖」として評判が広まりました。
私たちも、父母ヶ浜の「おもてなしスタッフ」の方にレクチャーされ、言われるがままにいろんなポーズを……。人が集まり始めるには少し早い時間帯だったので、恥を忍んで夫婦二人で頑張りました (^-^)ゞ
この日は海に沈むきれいな夕日が期待できたのですが、それだけに父母ヶ浜も帰りの道路も混雑が予想され、レンタカーの返却時間も迫っていたので、夕焼けの撮影は諦めて高松に戻ることに……。
翌朝の高松港です。『Liminal Air -core』が朝日を浴びて輝いていました。
時間に追われず、行きたいところをのんびり回るのもいいものですね。さて、旅もいよいよ後半。2泊してうどん三昧を楽しんだ高松を後に、次の目的地小豆島に向かいます。
楽しい雰囲気が伝わってきました(^^)/
松村先生に2~3日前にメールを送らせていただきました。よろしくお伝えください。
父母ヶ浜、ご存でしたか。
私は今回の旅行のために購入したガイドブックで初めて知って、是非行ってみたいと思ったんです。
潮だまりに映る空を撮るつもりだったのですが、そそのかされてついその気に……(笑)
メールに気付かなくてすみませんでした。
数日前、私が転倒して仙骨骨折したため、その介護で余裕がなかったのだと思います (^-^)ゞ
地理は苦手で琴平泊という以外に何も決めておらず
同じところに行けるかどうかも判りませんがとても参考になりました!
小豆島は行きませんが、高松が乗り継ぎなので調べてみます。
ありがとうございましたっ
目が一番釘付けになったのは、父母ケ浜辺のお二人のシルエットの写真!
豊かな暮らしぶりからもっと上の年齢を想像していました。
出演者も演出も見事、永久保存版ですね。
人の写真なのに、見る方に元気が出ました。
若いエネルギーは素晴らしいです。
骨折されたとは知らず、逆にタイミング悪くメールを送ってしまい申し訳なかったと思っています。
季節の変わり目ですのでご自愛ください。
寝台列車、それだけで物語になりそうですね。
瀬戸大橋を列車で渡る体験も楽しいと思います。
琴平へは、JR高松駅からことでんに乗り換えになりますね。
私は立ち寄りませんでしたが、金刀比羅宮をはじめ、見どころは多いと思います。
琴平の少し北の綾川町にある山越えうどんという店に行ったのですが、なんと定休日でした~💦
四国のお店は営業時間が短く、早じまいするところが多いので気をつけてくださいね。
楽しい四国旅になりますように~♪
旅の記録を褒めていただいて光栄です。
久しぶりに旅行気分を味わえた楽しい旅でした。
高松で訪ねたのは、東山魁夷せとうち美術館と丸亀城、父母ヶ浜くらいで、あとはさぬきうどんの名店巡りをしていました(笑)
さすが「うどん県」ですね。どのお店も外れがありませんでした。
父母ヶ浜の写真、お恥ずかしい限りです (^-^)ゞ
決して若くはありませんが、気持ちだけは若くエネルギッシュでいられるよう頑張りたいと思います。
温かいお言葉、ありがとうございました。
ご心配をおかけして申し訳ありません。
骨折と言っても仙骨の先端部分なので、将来的に影響が出るようなことはないそうです。
ただ、痛みが引くまで時間がかかるようなので、それまでは我慢するしかありません(笑)
このところ、季節の進み方が早くなったように感じます。
秋の風物を楽しみながら、体調にも気をつけて過ごしたいですね。
丸亀城の急な坂道はなかなかしんどいですよね。
でも頑張れば良き景色が待っている!
わたくしもハァハァ頑張りました🤗その時は大変な雨の被害でお城の土台付近が崩れていました。もう復旧したのでしょうか。
父母が浜は一度行きたいと思っている場所ですが、やはり車がないと難しいですよね。
この冬に近くまで行く予定でしたが諦めていました。車も考えようかしら?
良き情報と仲良しご夫婦の素敵な写真💕ありがとうございます✨
葉月
丸亀城の坂道、想像以上の急坂でした。
でも途中の高石垣など立派な造りを見ながらでしたので、最後まで頑張れました (^-^)ゞ
天候に恵まれて遠くまで見渡せましたので、息を切らしながら登ってよかったです。
石垣の復旧は現在も進行中のようです。
資料を見ますと、予想以上に被害が大きかったことから1年程度の遅れが発生し、令和6年度末の工事完了を目指しているとのことでした。
熊本城も地震で大きな被害を受けましたが、復旧が進んでいます。
未来に残すべき歴史的建造物や文化財、大事にしていきたいですね。
父母ヶ浜は間違いなく車が便利だと思います。
途中に、「なかむら」「山越うどん」「日の出製麵所」「がもううどん」など、うどんの名店もありますので、車なら立ち寄り可能です(笑)
行かれるときは、干潮時間帯や日没時刻をチェックしてくださいね~。
高松からだと高速を使わないで、1時間半くらいでした。
「仲良し」ということに関しては、葉月さんご夫妻の方が1枚も2枚も上手と踏んでおります~♪