★冒頭10分、龍馬(福山雅治)は出て来ない。
薩摩に行っているという。
視聴者はなかなか登場しない龍馬にやきもきする。
そして、満を持して主役登場!
という演出。
第2部になって龍馬がかなりワイルドになったが、第1部・2部という区切りで何となく納得。
脱藩してからの旅で<龍馬は何を見て考えたのか>ということを視聴者に想像させる仕掛けになっている。
★物語としては、土佐からの龍馬を捕まえにやってきた郷廻り・井上佐市郎(金山一彦)をめぐる対応で、龍馬と武市(大森南朋)を対比させる。
すなわち、龍馬は井上を斬らない。剣で威嚇して井上を退散させる。
武市は以蔵(佐藤健)を使って井上を殺す。
<退散>と<殺害>。
この違いを描くことで、武市が別の世界の人間になってしまったことを描き出す。
龍馬と武市の対比はこんな所にも。
龍馬は弥太郎(香川照之)に「血なまぐさいことは似合わないから土佐に帰れ」と言う。
武市は以蔵を操って人を殺害させる。
これも<退散>と<殺害>。
以蔵も龍馬に出会っていたら、「退散しろ」と言われたのではないかと思わせる。
龍馬の中には<退散>という発想がある。
第9話「命の値段」で山本琢磨(橋本一郎)を逃がしたのもそう。
生きるために逃げることは少しも卑怯でない。
このことを掘り下げれば、龍馬と武市の違いは<生きること>と<死ぬこと>。
龍馬はあくまで<生きること>を主張し、武市は自分自身にも他人にも<死ぬこと>を要求する。
そして龍馬の中で<生きること>と<攘夷>はどうも上手く馴染まない。
武市の行動がそうであるように<攘夷>は死を志向するからだ。
しかし<攘夷>をしなければ、この国は侵略される?
ここに龍馬の迷いがある。
しかし、今回龍馬が言ったように「違う攘夷のやり方ががある」とも思っている。
それが何であるかは現在の龍馬にはまだわからないが。
★<逃げること><迷うこと><悩むこと>は決して悪いことではない。
死を厭わず信念を持って前に突き進むことは、気持ちがいいし格好いいが、早急に結論を出してもいけないし、信念に凝り固まってもいけない。
迷いながら前に進み、また迷って立ち止まる。
そんな龍馬を僕は好きだ。
そして、あくまでも<生きること>を志向する龍馬も。
※追記
認められたいから、仲間に入りたいから、人を殺してしまう以蔵。
以蔵は<人間の弱さ>の象徴ですね。
悪いことだと思っていても、孤立を怖れてNO!と言えない。
そんな以蔵の最初の殺しが、絞殺というのが悲痛です。
決して殺陣による格好いいものでない。
前回の武市の梅の絵のシーンといい、ここに人を殺すことに対する脚本・福田靖さんの思いを感じる。
そして以蔵も越えてはならない一線を越えてしまった。
薩摩に行っているという。
視聴者はなかなか登場しない龍馬にやきもきする。
そして、満を持して主役登場!
という演出。
第2部になって龍馬がかなりワイルドになったが、第1部・2部という区切りで何となく納得。
脱藩してからの旅で<龍馬は何を見て考えたのか>ということを視聴者に想像させる仕掛けになっている。
★物語としては、土佐からの龍馬を捕まえにやってきた郷廻り・井上佐市郎(金山一彦)をめぐる対応で、龍馬と武市(大森南朋)を対比させる。
すなわち、龍馬は井上を斬らない。剣で威嚇して井上を退散させる。
武市は以蔵(佐藤健)を使って井上を殺す。
<退散>と<殺害>。
この違いを描くことで、武市が別の世界の人間になってしまったことを描き出す。
龍馬と武市の対比はこんな所にも。
龍馬は弥太郎(香川照之)に「血なまぐさいことは似合わないから土佐に帰れ」と言う。
武市は以蔵を操って人を殺害させる。
これも<退散>と<殺害>。
以蔵も龍馬に出会っていたら、「退散しろ」と言われたのではないかと思わせる。
龍馬の中には<退散>という発想がある。
第9話「命の値段」で山本琢磨(橋本一郎)を逃がしたのもそう。
生きるために逃げることは少しも卑怯でない。
このことを掘り下げれば、龍馬と武市の違いは<生きること>と<死ぬこと>。
龍馬はあくまで<生きること>を主張し、武市は自分自身にも他人にも<死ぬこと>を要求する。
そして龍馬の中で<生きること>と<攘夷>はどうも上手く馴染まない。
武市の行動がそうであるように<攘夷>は死を志向するからだ。
しかし<攘夷>をしなければ、この国は侵略される?
ここに龍馬の迷いがある。
しかし、今回龍馬が言ったように「違う攘夷のやり方ががある」とも思っている。
それが何であるかは現在の龍馬にはまだわからないが。
★<逃げること><迷うこと><悩むこと>は決して悪いことではない。
死を厭わず信念を持って前に突き進むことは、気持ちがいいし格好いいが、早急に結論を出してもいけないし、信念に凝り固まってもいけない。
迷いながら前に進み、また迷って立ち止まる。
そんな龍馬を僕は好きだ。
そして、あくまでも<生きること>を志向する龍馬も。
※追記
認められたいから、仲間に入りたいから、人を殺してしまう以蔵。
以蔵は<人間の弱さ>の象徴ですね。
悪いことだと思っていても、孤立を怖れてNO!と言えない。
そんな以蔵の最初の殺しが、絞殺というのが悲痛です。
決して殺陣による格好いいものでない。
前回の武市の梅の絵のシーンといい、ここに人を殺すことに対する脚本・福田靖さんの思いを感じる。
そして以蔵も越えてはならない一線を越えてしまった。