平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

臨場 第4話 そこにあるはずのもの

2010年04月29日 | 推理・サスペンスドラマ
 現場にあるはずのものがない。
 何故ないのか? そこから現れる真実。
 そういう物語でした。

 現場にあるはずのものとは……
・タバコの透明の包装
・バスタオル

 ネタバレになるが、このことが物語る真実とはこう。
・犯人はバスタオルで指紋を拭き取るなどの証拠隠滅を行った。
・その際に床に落ちていたタバコの包装がバスタオルにまぎれ込んでしまった。

 このことによって犯人が判明する。犯人である証拠になる。
 これはある意味、人生ですね。

 バスタオルで証拠隠滅をしてしまったことは犯人の職業ゆえの習慣。習慣が無意識に出てしまった。
 バスタオルにタバコの包装がまぎれ込んでいたことは偶然。まぎれこんでいなかったら、犯行の証拠にはならなかった。

 人生の明暗を分けるのは、<小さなミス>であり<偶然>なんですね。
 人生のif
 行動する前にちょっと考えてバスタオルで証拠隠滅をしなければ……。
 バスタオルにタバコの包装がまぎれ込んでいなければ……。

 こんなわずかなことで人生を左右される怖さ。
 もっとも犯行がバレないことが幸せかどうかはわかりませんが。
 復讐を果たせて一時的には満足するかもしれないが、その後に残るのは自分が首を絞めて人を殺したという現実。その現実に常に悩まされる。

 ミスと言えば、詳細な似顔絵もそう。
 通りすがりの人間の顔をあんなに詳細に覚えているはずはないということから足がつく。
 しかし相手の顔を詳細に覚えていた犯人の気持ちを考えると、なかなかせつない。
 愛している男の妻。
 犯人である彼女はどんな思いで妻の顔を見ていたのだろう。
 この妻さえいなければ自分は男に愛されていたかもしれない……。そんな思いが渦巻いていたはず。

 倉石(内野聖陽)の言うとおり、犯人は捨てた男のことなど清算してしまえばよかったんですけどね。
 過去の恨み辛みにこだわるより、未来に生きる。現在を楽しむ。
 もっとも分かっていても、なかなかそれが出来ないのが人間なのだが……。

 <小さなミス>や<偶然>に左右され、<過去にとらわれている自分>から抜け出せない。
 生きるとはなかなか厄介だ。


コメント
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