平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

007 死ぬのは奴らだ~優雅で甘いロジャー・ムーアのボンド

2011年07月26日 | 洋画
 ロジャー・ムーアのジェイムス・ボンドって、僕は好きなんですよね。
 甘くて優雅で。
 この作品「死ぬのは奴らだ」は、ロジャー・ムーアがボンドを務めた第1作。
 アクションやストーリー的にはイマイチだが、ロジャー・ムーアのボンドの魅力は溢れている。

 たとえば簡単にダマされる所。
 ニューオリンズの敵の酒場でボンドは二度捕まる。
 1回目は壁が回転して、2回目は床が下に下りて。
 2回目はさすがに警戒したが、ボンドより敵の方が数倍上手なのだ。

 省エネも特徴。
 周囲に飢えたワニがいる沼の小島からボンドはどう脱出するか?
 何とワニの背中をピョンピョン跳んでいって対岸に脱出する。
 ワニを銃で撃ったり、水中で格闘することもない。
 バスルームで毒ヘビが迫っても、アルコール入りのひげ剃りスプレーにライターで火をつけて殺すだけ。
 省エネである。
 派手なアクションがない分、優雅であるとも言える。

 毎回登場するQの秘密兵器も今回は強力な磁石の腕時計のみ。
 ハイテク自動車などは登場しない。
 そして、この腕時計、あまり役には立たない。
 サメとの戦いでは少し役に立ったが、先程のワニのシーンでは、手こぎボートを協力磁石で引きつけようとして失敗(ボートはロープで繋がれていたため)。一番役に立ったのは女性の服のファスナーを下ろす時(笑)。

 優雅と言えば、ラストでこんなシーンがあった。
 例によってボンドガールの女性(ジェーン・シーモア)とベッドイン。場所は寝台列車の個室。
 そこへ敵が襲って来る。
 列車のベッドは折りたたみ式で、寝ていた女性は折りたたまれたベッドと列車の壁に挟まれる。
 その間にボンドは敵を撃退。
 折りたたみベッドに挟まれていた女性は「どうして折りたたまれたベッドから、もっと早く助けなかったよ?」と文句を言うばかりで、敵が襲ってきたことに気づいていない。
 これはなかなか優雅だ。
 何しろ女性は敵が襲ってきたことを知らず、怖い思いをしなかったのだから。

 というわけで、僕は、甘くて省エネで優雅なロジャー・ムーアのジェイムス・ボンドが大好きなのである。
 ショーン・コネリーから始まって、ボンドは様々な役者さんが演じてきたが、比べてみるのも面白いかもしれない。


コメント
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