平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

江~姫たちの戦国~ 第25回「愛の嵐」

2011年07月04日 | 大河ドラマ・時代劇
 利休(石坂浩二)は江(上野樹里)に託す。
 「みんなが笑って暮らせるような世の中を作ってくれ」と。
 だが、江が<みんなが笑って暮らせるような世の中を作る存在>である根拠・必然はない。
 権力も兵も持たないただの姫様であるわけだし。今までそんな存在として描かれて来なかったし。
 唯一、根拠があるとすれば、江が主人公だから(笑)。
 まあ、それを言ったらおしまいか。

 サブタイトルは「愛の嵐」。
 嵐は秀吉(岸谷五朗)の心の中に吹き荒れている様子。
 まずは利休への愛。
 「好きで好きでたまらないが、離れていってしまうのなら殺してしまえ」という愛の裏返しの憎しみ。
 そして鶴松への愛。
 愛するものを失った喪失感。
 それが秀吉を朝鮮出兵に駆り立てた。
 愛というのは、実はつらいものなんですね。
 愛するものを得ようとして、守ろうとして、失って、人は苦しむ。愛の嵐が吹き荒れる。
 人間は愛さない方がいい?
 あるいは、秀吉の様にあらゆるものを持っていても、友ひとり、子ひとりが失われれば、たちまち苦しみに囚われる。
 あらゆるものを持っていても満たされることはないんですね。
 人が満たされるのは、権力やお金の量ではなく、たったひとりでも心を通じ合わせる人がいること?

 というわけで今回は秀吉・岸谷五朗さんの演技に尽きる。
 愛憎と狂気。
 「鶴松」「秀勝」「朝鮮」「江」などと書かれた紙を見ながら、次の戦略を練る。その虚ろで狂気の目。
 特に鶴松を失った後の落差も、老けメイクのせいもあるが上手い。

 一方、江は?
 淀(宮沢りえ)に「(縁談が)嫌なのか?」と聞かれて、すぐに「いえ、好きです」と答えてしまうラブコメ。
 よもやと思ったが、やはり炭焼きに変装して利休のもとに行ったのは江だった。
 この時は、秀勝(AKIRA)も同行していたが、ここをふくらませば、江と秀勝のエピソードを描けたのに。
 そうすれば、後のせりふ「そなたといると面白い生活が送れそうだ」が活きてきたはず。
 ラブコメにするならもっと徹底してやってほしい。

 「愛」の兜は遊びなんですよね。兜は「天地人」の使いまわし?


コメント (2)
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