平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

江~姫たちの戦国~第26回「母になる時」

2011年07月11日 | 大河ドラマ・時代劇
 江(上野樹里)と秀勝(AKIRA)の結婚話。
 「嫁ぐことは楽しい」ということで描かれる幸せな日々。子供もお腹に。
 それを打ち壊す戦争。

 物語としては成り立っているのだが、すごく感動したとか泣けたとかには至らない。
 なぜだろう?
 ひとつは、戦争映画などのよくあるパターンどおりの展開だから。
 戦争が幸せな日々を壊すという使い古された文体。ああ、またかと思ってしまう。
 戦争は無意味で愚かな行為であることは明白で、これからも言い続けて行かなくてはならないことは確かなのだが、別の文体で語ってほしい。
 もうひとつ感情移入できない理由は、江が戦っていないこと。葛藤していないこと。
 江は戦争をやめさせるために秀吉(岸谷五朗)の所に行き、秀勝には「私はどなたも殺してほしくありません」と語ったが、江の戦いはここまで。後は流されるまま。
 史実という壁があるので仕方ないとは思うが、視聴者が感動するのは、主人公が自分の限界や制約を越えて戦った時。

 「戦争は嫌だ」「人を殺さないでほしい」と口で言うのは簡単。
 江は<口先だけの理想主義者>の域を出ていない。
 だから彼女の言葉が響かない。
 利休が「人々が笑って暮らせる世の中を作ってほしい」と江に託しても説得力がない。
 「JIN」が胸を打つのは、皆が迷いながらも戦っているから。
 仁は、歴史の修正力の前に自分の無力を感じながら、目の前の患者を助けようとする。
 咲は家や恋愛を捨てて、医療に志す。
 龍馬はそれこそ命がけで、口八丁手八丁で相手を騙しながらも理想を実現しようとする。幕府軍が潰走するのを見て喜ぶという間違いも犯す。
 だが、江は間違いを犯さないし、迷わない。何も犠牲にしないし、汗も流さない。

 この作品のサブタイトルは『姫たちの戦国』。
 結局、お姫様を主人公に選んでしまったことが間違いだったのだ。
 なぜならお姫様はお姫様でしかないのだから。
 自分は安全な所にいて、口先で理想を語るお姫様の言葉に誰が感動するだろう?

 これからも江は言い続けていくんでしょうね。
 「戦争は嫌だ」「人を殺さないでほしい」と。
 しかし、行動が伴わなくては……。
 行動になって現れてくるのは、秀忠(向井理)の妻になってからか?


コメント (2)
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