平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

それでも、生きていく~野茂、できた……

2011年07月29日 | その他ドラマ
 「人って逃げてばかりいると、命より先に目が死ぬ」
 「(向き合って)どう生きるか、どう死ぬかを考えてきた。覚悟した」

 洋貴(瑛太)と双葉(満島ひかり)は、目をそらせてきたものと向き合うことを主張する。
 両親を含めて、彼らが向き合わなくてはならないことは、真実。
 『なぜ文哉は亜季を殺し、今はどう思っているのか?』ということ。
 ここから未来が始まる。
 亜季のことは記憶から消すことはできないだろうが、<フツーの男の子、女の子>になれる第一歩には出来る。

 しかし……。
 真実と向き合うことは、つらいこと。
 やはり目を背けたくなるような悲惨な現実。
 今回は文哉と双葉の出生の秘密が明らかになった。
 これからも真実は明らかになっていくのだろう。
 今までそれなりに安定していた現実は破壊され、どんどん地獄が見えて来る。
 その果てにあるものは何か?

 シナリオとしては、カレーの使い方が上手い。
 文哉を偶然見つけて連れ戻そうとする父・駿輔(時任三郎)。
 だが、彼にそれを思い留まらせたものは、カレーのにおい。
 通常、こういう場面では視覚的な小道具が使われることが多いが、嗅覚を持ってくるとは!

 藤村五月(倉科カナ)。
 彼女はこのふたつの家族のことを記事にしようとしている記者?

 それからラスト。
 野茂の真似をして「野茂、できた……」。
 双葉の心のしなやかさ、柔軟性を示す言葉。
 自分の出生の秘密が明らかになっても、彼女の心は折れない。
 野茂の投球フォームの様にしなやかに跳ね返す。


コメント (2)
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