平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

江~姫たちの戦国~ 第27回「秀勝の遺言」

2011年07月18日 | 大河ドラマ・時代劇
 秀勝(AKIRA)の死の後日談。
 すべてがフツーなんですよね。
 最愛の夫が亡くなれば、泣いたり落ち込んだりするのは当然だし、ガラシャ(ミムラ)が「ひとりの方をそれほど思えるのは幸せ」と慰めるのも、淀(宮沢りえ)が「鶴松を失った自分も同じだった」と語るのも当たり前。
 だから見ている方は「そうなんだ」と思うくらいで、江(上野樹里)に大きく感情移入することもない。

 秀勝の手紙も今ひとつだった。
 江と秀勝の結婚に至る過程や結婚生活が、十分に描かれてこなかったため、迫るものがない。
 なので手紙も、江と過ごした日々のことではなく、朝鮮の子供と過した話。
 史実を気にしたのか、生まれた子供・完に関する記述も手紙にない。「そなたに何を残してやれたのか?」などと惚けたことを言っている。

 いくさの愚かさや虚しさも言葉にしたら興ざめだ。
 こういうのはせりふで言わずに、エピソードなどで視聴者に感じさせることが必須。
 というわけでこの作品はすべてにわたって説明過多。
 わかりきったことをストレートに語り過ぎる。

 まあ、敢えて深読みすれば、次の二点。

★現実主義者
 江は「天上で父上や母上、柴田の父や叔父上(信長)、秀勝がのんびりと暮らしている。」と初(水川あさみ)に言われても納得しない。
 「それでもそばにいてほしい。共にいて、触れたり、話したり、笑ったりしたい」と語る。
 江は現実主義者なのだ。
 決して宗教にすがろうとは思わない。
 この点は信長に似ている。

★母性
 最後の最後で江はやっと母性に目覚めた様だ。
 それまでは生まれてきた娘を抱こうとしなかった。
 母という自分を見いだして、江の行動、生き方は変わっていくのだろうか?
 上野さんにはぜひ<母の顔>を見せてほしい。
 今のままだと、天守閣で娘を抱いていても人形を抱いている様に見える。


 
コメント (2)
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