放送法をめぐる総務省の内部文書問題。
おおまかな経緯はこうだ。
①安倍元首相と磯崎総理補佐官が放送法の解釈変更をしようとする。
その変更とは、
「政治的公平性のない番組がひとつでもあれば政府はその放送局を取り締まることができる」
という内容だ。
②磯崎総理補佐官はこの件を担当省庁の総務省に働きかける。
③総務官僚は「それはできない」「言論弾圧に繋がりかねない」と抵抗。
磯崎総理補佐官は、
「俺の顔をつぶしたら、ただじゃおかないぞ」「首が飛ぶぞ」と脅す。
④この動きは、総務省にパイプを持つ菅義偉元首相(当時、官房長官)と総務省出身の山田真貴子総理秘書官には相談なく進められた。
磯崎氏、総務省の局長に、
「これは高度に政治的な話。官房長官に話すかどうかは俺が決める話。
局長ごときが言う話では無い。この件は俺と総理が二人で決める話だ」
菅元首相と山田真貴子氏に相談すれば反対されるからだろう。
⑤磯崎総理補佐官は約2ヶ月かけて抵抗する総務省をまとめあげ、当時の高市早苗総務大臣にこの件をあげる。
⑥高市早苗総務大臣はこの件を了解。
⑦国会の総務委員会で、
「政治的公平性のない番組がひとつでもあれば政府はその放送局を取り締まることができる」
と新しい放送法の解釈を披露し、予算委員会では、
「放送免許取り消し」「停波」もあり得ると発言。
⑧この高市発言で、放送法は実質解釈変更された。
今後、放送で何らかの問題が起きた時は、この高市発言が根拠にされる。
⑨立憲民主党の小西洋之議員はこのやりとりを示した内部文書78枚を内部リークで入手。
6日国会で追及。
これを受けて高市早苗・現経済安保担当大臣は「怪文書」「捏造」とツッパね、議員辞職にも言及。
⑩7日、松本総務大臣は、この小西議員の示した文書は総務省の公文書であることを認める。
この78枚の文書を一般にも公開する。
……………………………………………………
この件、スッパ抜いた立憲民主党の小西洋之議員と高市早苗のバトルが話題になっているが、
ここでは触れない。
まず素朴な感想。
松本総務大臣、よくこれを公文書だと認めたな。
安倍政権下だったら、
「ルールに基づき、破棄しました」
「支障があるので黒塗りで出します」
「現在、探しております」→1ヶ月後「見つかりました」
になってたぞ。
岸田政権の方が風通しがいいということか?
ていうか、マトモな民主主義国家なら、これが当たり前なんだけどね。
内部告発した総務省の官僚もがんばった。
今までだったら、人事の圧力や忖度で沈黙していた所だろう。
これは僕の持論だが、
官僚もマスコミも検察官も自分の仕事に矜恃をもって仕事をしていれば、
世の中はそんなに悪くならない。
・官僚は法に基づき、ダメなものはダメと政治家に言う。
・マスコミは忖度せず、不正を報道する。
・検察は法を犯せば総理であろうと検挙する。
これだけでかなり権力の暴走を防げる。
というか、これが健全な民主主義社会だ。
この件の問題の本質は、一部の人間によって法解釈が変えられてしまうことだ。
今回の件で言えば、安倍元首相と磯崎総理補佐官。
こんな言論弾圧に繋がりかねないことを、たったふたりの人間で決めてしまうなんて!
これは「法治主義」ではない。「人治主義」である。
法律を勝手に解釈してやりたい放題するのが始まったのは安倍政権からで、
それは現在の岸田政権でも継承されている。
・国葬
・敵基地攻撃能力
特に敵基地攻撃は戦後の安保政策の大転換なのだが、たいした議論もなく進んでしまった。
そもそも岸田首相も安倍元首相もそんなに頭がいいのかね?
彼らがバカだったら、日本全体が間違った方向に向かうんだぞ。
日本国民全体が迷惑するんだぞ。
個人の能力には限界があり、間違うこともある。
それを補うために、
国会があり、官僚組織があり、司法があり、
憲法や法律があり、
マスコミがある。
結果、間違うことが少なくなるし、多様な意見が政治に反映される。
これが民主主義の知恵だ。
最後に。
今回の件、テレビ局は全局で問題にしろよ。
これは右や左の問題ではない。
あなたたちの「表現の自由」に関わる問題だ。
でも現状は穏便に済ませようとしている感じ。
こんなことをしているから、テレビはどんどんつまらなくなるんだよ。
おおまかな経緯はこうだ。
①安倍元首相と磯崎総理補佐官が放送法の解釈変更をしようとする。
その変更とは、
「政治的公平性のない番組がひとつでもあれば政府はその放送局を取り締まることができる」
という内容だ。
②磯崎総理補佐官はこの件を担当省庁の総務省に働きかける。
③総務官僚は「それはできない」「言論弾圧に繋がりかねない」と抵抗。
磯崎総理補佐官は、
「俺の顔をつぶしたら、ただじゃおかないぞ」「首が飛ぶぞ」と脅す。
④この動きは、総務省にパイプを持つ菅義偉元首相(当時、官房長官)と総務省出身の山田真貴子総理秘書官には相談なく進められた。
磯崎氏、総務省の局長に、
「これは高度に政治的な話。官房長官に話すかどうかは俺が決める話。
局長ごときが言う話では無い。この件は俺と総理が二人で決める話だ」
菅元首相と山田真貴子氏に相談すれば反対されるからだろう。
⑤磯崎総理補佐官は約2ヶ月かけて抵抗する総務省をまとめあげ、当時の高市早苗総務大臣にこの件をあげる。
⑥高市早苗総務大臣はこの件を了解。
⑦国会の総務委員会で、
「政治的公平性のない番組がひとつでもあれば政府はその放送局を取り締まることができる」
と新しい放送法の解釈を披露し、予算委員会では、
「放送免許取り消し」「停波」もあり得ると発言。
⑧この高市発言で、放送法は実質解釈変更された。
今後、放送で何らかの問題が起きた時は、この高市発言が根拠にされる。
⑨立憲民主党の小西洋之議員はこのやりとりを示した内部文書78枚を内部リークで入手。
6日国会で追及。
これを受けて高市早苗・現経済安保担当大臣は「怪文書」「捏造」とツッパね、議員辞職にも言及。
⑩7日、松本総務大臣は、この小西議員の示した文書は総務省の公文書であることを認める。
この78枚の文書を一般にも公開する。
……………………………………………………
この件、スッパ抜いた立憲民主党の小西洋之議員と高市早苗のバトルが話題になっているが、
ここでは触れない。
まず素朴な感想。
松本総務大臣、よくこれを公文書だと認めたな。
安倍政権下だったら、
「ルールに基づき、破棄しました」
「支障があるので黒塗りで出します」
「現在、探しております」→1ヶ月後「見つかりました」
になってたぞ。
岸田政権の方が風通しがいいということか?
ていうか、マトモな民主主義国家なら、これが当たり前なんだけどね。
内部告発した総務省の官僚もがんばった。
今までだったら、人事の圧力や忖度で沈黙していた所だろう。
これは僕の持論だが、
官僚もマスコミも検察官も自分の仕事に矜恃をもって仕事をしていれば、
世の中はそんなに悪くならない。
・官僚は法に基づき、ダメなものはダメと政治家に言う。
・マスコミは忖度せず、不正を報道する。
・検察は法を犯せば総理であろうと検挙する。
これだけでかなり権力の暴走を防げる。
というか、これが健全な民主主義社会だ。
この件の問題の本質は、一部の人間によって法解釈が変えられてしまうことだ。
今回の件で言えば、安倍元首相と磯崎総理補佐官。
こんな言論弾圧に繋がりかねないことを、たったふたりの人間で決めてしまうなんて!
これは「法治主義」ではない。「人治主義」である。
法律を勝手に解釈してやりたい放題するのが始まったのは安倍政権からで、
それは現在の岸田政権でも継承されている。
・国葬
・敵基地攻撃能力
特に敵基地攻撃は戦後の安保政策の大転換なのだが、たいした議論もなく進んでしまった。
そもそも岸田首相も安倍元首相もそんなに頭がいいのかね?
彼らがバカだったら、日本全体が間違った方向に向かうんだぞ。
日本国民全体が迷惑するんだぞ。
個人の能力には限界があり、間違うこともある。
それを補うために、
国会があり、官僚組織があり、司法があり、
憲法や法律があり、
マスコミがある。
結果、間違うことが少なくなるし、多様な意見が政治に反映される。
これが民主主義の知恵だ。
最後に。
今回の件、テレビ局は全局で問題にしろよ。
これは右や左の問題ではない。
あなたたちの「表現の自由」に関わる問題だ。
でも現状は穏便に済ませようとしている感じ。
こんなことをしているから、テレビはどんどんつまらなくなるんだよ。
記事の作成お疲れ様です
如何に安倍元首相と言うのは悪時絵を働いていたのかが実証されて行きますね。
側近の高市早苗氏も同じ貉。言論を弾圧しようと企んでいた。ま、今現在
TV局が取り上げないと言う事は圧力と忖度があるのか?
こんな事が罷り通る社会になると一挙に独裁政権並みの愚かな国家へ
陥る…
昭和戦後時代に義務教育を受けていた人間ですが、中学の社会科の先生から、こういったことを言われたことがあります…
「いいか、民主主義ってものは『反対意見』を聞くことで成立するんだ。反対意見を聞くのは正直腹が立つ。でもグッとこらえて聞いて、その反対意見に向き合って議論しろ。そこから隠れていたいろんな問題点が噴き出す。そうなると、問題点を解決しようという方向に向かう。だからこそ、納得できないことには反対して、議論しないといけないんだ!」です。
ところが、平成のネット時代になると、反対すること自体が、「売国」「日教組」「左翼」「キョーサントー」と、マイナスのイメージになりました。その結果「反対」や「議論」がいけないような気分が醸成されてしまいました。
この雰囲気は、もうあと何年か続くでしょうし、続く期間が長いほど、日本は「自称西側先進国」とは逆の「フォースの暗黒面」に落ちていくかもしれません。
一刻も早く、ここから「脱出」して欲しいんですけど…
2020-08-15 21:07:49
でした。
m(__)m
もしかして、この絵文字も古いですか?(汗顔)
いつもありがとうございます。
昨夜のニュースを確認したのですが、この件、ちらほらテレビで扱い始めたようです。
いずれにしても遅いですよね。
おそらく背後で、さまざまな調整がなされているのでしょう。
公文書改ざん、統計偽装、無理矢理な解釈変更。
これらは安倍政権の弊害ですよね。
岸田政権も同じ穴の狢で「今回の行政文書には間違いがあったかもしれない」などと言い出しています。
行政文書が間違っているかもしれない……。
国会はこれをもとに議論をしているんですけどね。
政府の出す物が疑わしいとなったら、行政府の信頼に関わることなんですけど、それを平気で言える政府って……。
何という二流の民主主義国家!
経済といい、ジェンダーの件といい、日本はG7にいてはいけない国になっています。
いつもありがとうございます。
いい先生ですね。
昭和の頃は、戦争の記憶も新しくて、民主主義を教える先生がたくさんいたんですよね。
ところが今は、ネトウヨさんの言動に多いのですが、「選挙に勝ったのだから与党のすることに従うのが当然だ」という乱暴な認識になっています。
>反対すること自体が、「売国」「日教組」「左翼」「キョーサントー」と、マイナスのイメージになりました。その結果「反対」や「議論」がいけないような気分が醸成されてしまいました。
そうなんですよね。
民主主義って「反対意見も取り入れて、より良い政治をおこなっていく」ということなんですけど、どこで変わってしまったんでしょう。
反対意見を取り入れず、言うことも許されないのなら、民主主義の体裁をとった「独裁政治」になってしまいます。
m(__)m
2020-08-15 21:07:49さん、絵文字を使われるんですね!
これって、和を以て貴しとなす、という聖徳太子(厩戸皇子)の言葉の「悪用」なのかもしれません。
個人的な解釈ですが(現代的なベクトルが入っているかもしれませんけど)、聖徳太子の「和」というのは、反対意見を言わず、腹芸と水面下の折衝で、なあなあに済ませることではないと思います。
対立意見や反対意見に対抗する場合にも、暴力を以てせずに「和」つまり、穏やかに話し合え、という意味だと思っています。
それを「反対意見の表明や議論は和を乱すから、聖徳太子以来の伝統を乱すので、けしからんことだ。反日的だ!」という解釈が急激に広まっていて、ちょっと怖いんです。
日本の古くからの言葉には「雨降って地固まる」もあるんですが、それは平成時代になってから、あまり言われていません。
雨を降らせないようにすることが大切、というのでは「地」はいつまで経っても固まらずにブヨブヨのままです。
そして、ブヨブヨの土地は地盤が弱いので、大きな建物は建てられません。
こういった乱暴な認識をするネット愛国的な人たちですが、2010年あたりの民主党政権時代に関しては「あの時代は野党政権で、野党党首が総理になったような悪い時代だったから、日本は衰退したんだ」という考えらしいんですね。
ただ、あの時代は震災もあったので、単純に比較できません。もしあの時代が「与党政権」だとしても、同じようにオロオロしたと思います。
それよりも何よりも「野党政権」という概念がちょっとマズいです。
与党や野党の立場は選挙の結果で変わるのに、特定の政党が与党であり続けなければいけない、そうでない状態は邪道、という認識があるから「野党政権」という言葉があるわけで…
バイアスと書いたつもりで、ベクトルになってました。
ちょっと恥ずかしいです。
和を以て貴しとなす
これが日本人の心象をつくったのかもしれませんね。
掘り下げてみたいテーマです。
「野党政権」
ネトウヨさんの特徴として言葉を知らないということがあるかもしれませんね。
昨日も「万死に値する」を「1万回殺すこと」と解釈している発言がありました。
言葉は思考を規定する。
貧弱な言葉や正しくない言葉からは生まれた思考は貧弱で不正確になる。
自戒を込めて、言葉の意味をしっかり把握して使っていきたいと考えています。