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▲大島渚監督、幻の30分作品 今夜、半世紀ぶり再放送
2014年1月12日 朝日新聞
昨年1月15日に亡くなった大島渚(なぎさ)監督のドキュメンタリー作品「忘
れられた皇軍」が半世紀ぶりにテレビで再放送される。DVD化もされ ていな
いため、幻の作品とされていた。ファンからもう一度見たいとの声が多く寄せら
れ、大島監督の没後1年を機に再放送が決まった。
「忘れられた皇軍」は、1963年、日本テレビの「ノンフィクション劇場」で
放送された約30分間の映像だ。日本軍に従軍し戦傷を負いながら、戦 後、韓
国籍となり社会保障制度からはじかれた元兵士を追う。
戦争で失った両目からこぼれる涙をカメラはアップでとらえる。大島監督は「カ
メラは加害者」と話し、怒りや悲しみなど、戦傷者が感情をあらわにし た瞬間
を容赦なくアップで撮影。電車内や海水浴場など東京五輪前年で盛り上がる街と
白装束で募金活動する姿の対比を映し出す。最後は「日本人よ、 私たちはこれ
でいいのだろうか」というナレーションで締めくくっている。
放送当時、称賛の声が相次ぎ、優れた番組に贈られる第1回ギャラクシー賞に輝
いた。大島監督が在日問題に取り組むきっかけとなった作品とされる。 映像を
寄贈された川崎市市民ミュージアムには、今も作品を見ようと来館者が後を絶た
ない。ただ契約上、館外には出せないため、幻の作品と呼ばれる ようになった
という。
再放送を決めた番組ディレクターの鈴木あづささんは「横っ面を殴られた気がし
ました。最近のお涙ちょうだいのドキュメンタリーとは違う。社会に怒 りをぶ
つけている」と話す。
「反骨のドキュメンタリスト」(日本テレビ系列で13日午前0時50分(12
日深夜)、BS日テレで19日午前11時)で放送予定。「忘れられた 皇軍」
全編のほか、関係者が当時の制作秘話を語る。(江戸川夏樹)
管理者のコメント。今ネットで拝見しました。大島渚監督の偉大さを実感しました。
是非多くの方に視聴して欲しいです。