アメリカを完全降伏させたロシアが握る決定的証拠とは 2/2
「ロシアのラブロフ外相(左)、アメリカのジョン・ケリー国務長官(中央)、プーチン大統領(右) 2015年12月16日のモスクワでの最終会合の場で」
オバマ政権のイスラム国に対するこの戦争における「方向性・運営方針」を変えさせるのに一役買ったのは、ロシア政府が提示した証拠の中でも決定的な資料で、この資料には、先週、イスラム国が実行した大規模で世界規模の攻撃について詳細が記されていたという。
同攻撃により13のインターネットのドメインネームシステム(DNS)が停止されかねない状況になっていたが、もしこれが成功していた暁には、アメリカ合衆国を完全な混乱に突入させていただろう。サイバー・セキュリティの専門家、ジョン・マッカフィー氏はこの起きる可能性のあった混乱はあまりにも深刻なもので、「いかなる核戦争よりも破壊的」となっていただろうと警告している。
先週のイスラム国による世界のインターネット破壊構想に関する証拠をまとめた資料はプーチン大統領からケリー長官に手渡された。このイスラム国による攻撃は、イギリス政府が所有していたサーバー・IPアドレスから実行されたものだが、英政府は問題のIPアドレスは、サウジアラビアに売却していたと説明しているというニュースをさらに裏付けるものとなった。
オバマ政権がプーチン大統領に降伏したことを知り、サウジアラビアはアメリカの支援なしで、イスラム国と戦うための主にイスラム系国家34カ国が集結するサウジ自身の連合を形成することを発表した。
しかしインドネシアは、その連合が軍事同盟になることは知らず、参加は望んでいないと述べ、パキスタンの高位の国会議員はこれについてロイターのレポーターからしか聞いていないと話している。さらにトルコによれば、これは軍事同盟というよりはイデオロギー的な同盟だと説明している。
サウジの反イスラム国「同盟」の芳しくない評価が正しいことを裏付けるように、サウジの同盟の最初の「攻撃」はテロリストではなく、アメリカの大統領候補ドナルド・トランプに対して行われ、テロリストへの攻撃はなされていなかった。
ドナルド・トランプ氏については、最近、プーチン大統領が「トランプ氏は聡明で才能のある人物で、負債を負っていない。彼は大統領候補者の中でも絶対的な指導者である」と賞賛していた。
第三次世界大戦への参加を望んでいないオバマ政権にとっては幸運なことに、ロシア空軍はこれで、アメリカの戦闘機まで心配する必要がなくなり、シリア国内で同軍の無防備な状態にあった戦闘機を墜落させた「裏切り者」のトルコ政府にだけ専念していればよいことになった。
そしてプーチン大統領は、単刀直入に、ISの支援者に対して警告を発している(2015年度ロシアの年次演説)。
プーチン露大統領、トルコは「撃墜を後悔し続ける」
Putin says Russia 'will not forget' Turkish downing of warplane
「彼ら(トルコ当局)は、ロシアが尻尾を巻いて逃げ出すと思っていたのです!いえ、ロシアはそのような国ではありません。
私たちはシリア国内での存在を増強し、同国内に配置した戦闘機の数を増加しました。
以前はロシアの防空システムはシリアにはありませんでしたが、今ではS-400が配置されています。