「ふるさと寄附金」を支出した者が地方公共団体から謝礼を受けた場合の課税関係

2015年12月14日 | Weblog

ふるさと納税で意外な落とし穴になるのが今からお伝えする一時所得についてです。ほとんどの方には関係ないことと思われますが、ふるさと納税の限度額が100万円を超えていて大量の特産品を受け取る方や、特産品を受け取る年と同一年中に他の一時所得がある方等は注意が必要です。以下に国税庁の質疑応答事例を掲載致しますので、本年中に大量の特産品を手にされた方は是非ともチェックしてみてください。

 

国税庁質疑応答事例より原文のまま

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/02/37.htm

 

■照会要旨

A市では、市外に在住する者から1万円以上の寄附(いわゆるふるさと寄附金)を受けた場合、この寄附に対する謝礼として、市の特産品(5,000円程度)を送ることとしています。この場合の寄附者が受ける経済的利益について、課税関係は生じますか。

 

■回答要旨

寄附者が特産品を受けた場合の経済的利益は、一時所得に該当します。なお、その年中に他に一時所得に該当するものがないときには、課税関係は生じません。所得税法上、各種所得の金額の計算上収入すべき金額には、金銭以外の物又は権利その他経済的利益の価額も含まれます(所得税法第36条第1項)。ふるさと寄附金の謝礼として受ける特産品に係る経済的利益については、所得税法第9条に規定する非課税所得のいずれにも該当せず、また、地方公共団体は法人とされていますので(地方自治法第2条第1項)、法人からの贈与により取得するものと考えられます。したがって、特産品に係る経済的利益は一時所得に該当します(所得税法第34条、所得税基本通達34-1(5))。なお、一時所得の金額は次のように計算します。

一時所得

(注)

1 その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限られます。

2 AからBを控除した残額が50万円に満たない場合には、その残額となります。

 

■関係法令通達

所得税法第9条、第34条、第36条、所得税基本通達34-1(5)、地方自治法第2条第1項

注記

平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

 

以上

 

ところで、特産品をどのように評価すればいいのでしょうか。寄付した自治体が「このうなぎは市場価額○○円相当のものです!」なんて開示していればそれですが、開示していない場合は電話で照会するしかなさそうです。いい方法があれば教えてください。該当しそうな方は、「ふるさと納税一覧表」なるものでも作成し、①ふるさと納税をした自治体名②いつ寄付をしたのか④いくら寄付をしたのか③何を特産品として受け取ったのか④受け取った日付、くらいはリスト化しておいた方がいいかもしれませんね。

 

監査部一課

原浩恭