朝晩と寒くなってまいりましたが、皆さまはいかがお過ごしですか?
早いもので、もう年末に差し掛かってきました。
時期的にも、年末調整や確定申告の時期がやってきましたね。
今回も医科・歯科の先生方へ向けて、情報提供していきます。
医業や歯科医業を営む方で社会保険診療報酬による事業所得がある方は、事業所得の金額の計算に当たっては特例があることをご存知ですか?
先日、その特例計算で申告をしている約1650人の所得計約32億円が軽減されたことが会計検査院の調査で分かったそうです。
記事によりますと、小規模医療機関が経費を把握する事務作業を軽減するのが目的の制度だが、実際には多くの人が経費を把握していることも判明。保険外の診療も含めると年収が1億円を超える人もおり、検査院は「税負担の公平性の観点から問題」として財務省と厚生労働省に見直しを求めた。
この制度は、対象となる個人経営の医師や歯科医師に対し、収入に応じ57%~72%の4段階の経費率を設定して概算の経費を算出し、実際の経費に関わらず一律控除する。
関係者によると、検査院は08~09年に制度の適用を受けた全国の医師や歯科医師延べ約1900人を抽出、うち実際の経費を把握できた約1650人を調査した。ほとんどの人は制度の経費率で算出した控除額が実際の経費を上回り、その差額が1000万円を超える人が約300人もいた。調査対象者がおさめた所得税はこの2年間で計約40億円だったが、検査院は制度がなければ約72億円だったと算出した。
さらに、保険が適用されない自由診療の報酬も合わせると、年収が5000万円を超える人が約300人おり、うち数人は1億円を超えていた。検査院は「控除額と実際の経費に大きな差があり問題だ。高額な収入のある開業医や歯科医は医療機関として規模も大きく、制度の趣旨にあわない」と指摘。財務所と厚労省は「指摘を真摯に受け止め適切な対応を検討したい」としている。
この制度は自由診療がほとんどなく、国民全体が保険医療を受けていた時代に創設されたので、今の時代にそぐわなくなっているのは当然と言えるでしょう。
今年は震災後の復興支援のための国の補助負担もあり、いかに税収を増やすかと議論されている状況のなかで、この特例制度が見直される時期は早いのではないかと予測されています。
これから何かと忙しい時期がやってきます。
何事も早め早めに終わらせて、余裕を持って過ごしましょう!
近藤 ゆり