「疾疫劫」の時代

遂にトランプ大統領までコロナに罹ってしまいました。世界中で感染者数は4千万弱、死亡者数は10０万を越えます。まさに経典に説く「疾疫劫」の時代です。経典には「疾疫劫」を「度す」には「おのおの慈心を起こす」こととされます。お互いに慈しみあう気持ちを持ち感染さないように気を付けるようになれば治まるということでしょう。

「阿毘達磨大毘婆沙論

中劫には小の三災が現る。一は刀兵。二は疾疫。三は飢饉なり。

初の刀兵劫の將に起こらんと欲する時は贍部洲の人の極壽は十歳なり。非法の為に貪染汚相續す。不平等愛其の心を映蔽す。邪法縈纒して瞋毒増上す。相見て便ち猛利害心を起す。如今、獵師見野禽獸隨手所執皆成刀杖。各の凶狂を逞しうして互ひに相殘害す。七日七夜死亡して略ぼ盡くす。贍部洲内の纔餘の萬人、各の慈心を起こして壽量漸増す。爾時、名けて刀兵劫を度すと為す。

次に疾疫劫は將に起らんと欲する時、贍部洲の人の極壽は十歳なり。如前に具した諸過失に由るが故に、吐毒し疾疫流行す。遇へば輒（すなわ）ち命終す。　救療すべきこと難し。都（すべ）て醫藥の名あるを聞かず。時の經ること七月七日七夜。疾疫流行し死亡略ぼ盡す。贍部洲内の纔餘の萬人、各の慈心を起こして壽量漸増す。爾時、名けて疾疫劫を度すと為す。

（後に飢饉劫將に起らんと欲する時、贍部洲の人極壽は十歳なり。亦た如前の諸過失を具するが故に天龍は忿責して甘雨を降らさず。是に由り世間は久しく飢饉に遭ふ・・）」