北越急行は、六日町と犀潟を結ぶ第三セクターです。1997年3月の開業以来、上越地域と越後湯沢駅とをダイレクトで結ぶ使命を果たしており、北陸新幹線開業までは「はくたか」が数多く行き交って北陸と首都圏を結んでおり、平成26年では16.5億円もの黒字を計上してきました。
しかし、「はくたか」が廃止された途端にローカル線に転落して大きな収入の柱を失い、平成28年では4.5億円もの赤字を計上してしまいました。赤倉、薬師峠の両信号所を廃止し、信号系統も出発、遠方、場内の3種類に整理し、十日町駅の通過線を撤去したりして設備のスリム化する一方、「超低速スノータートル」の運行など様々な経営努力を図ってきました。今のところはこれまでの利益積立金及び新潟県や沿線自治体からの補助金(平成28年より)でやっていけてますが、近い将来に資金がショートして最悪三木鉄道のような運命を辿る恐れが出てきたため、明日付けで運賃を10%値上げすることにした次第です(例えば、犀潟ー六日町の通し運賃は970円から1080円に値上げ)。
それでは、ほくほく線の「いま」を見てみましょう。取材日は、2018年8月14日(日)でした。
犀潟駅にて3831Mを。アート車両(HK100-101+HK100-102)でした。
超快速3820Mは、「HK100-2+HK100-10」でした。
833Mでくびき駅へ。「HK100-7+HK100-5」でした。
では、「HK100-7」の車内を。赤色のセミクロスシートです。ブラインドはありません。
くびき駅にて超快速3822Mを。「HK100-1+HK100-3」でした。
1時間余りの滞在となったくびき駅を御覧下さい。1997年の開業時に「奇抜な駅舎がある」ということで降り立ちましたが、色褪せているさまが21年もの月日を物語っています。尚、左手にはトイレが。
エントランスは茶色です。まさか、21年もそのままということはないでしょうね。
くびき駅を発つ前に834Mを。「HK100-9+HK100-6」で「ゆめぞら」と出てましたが、放映はしてませんでした。
魚沼丘陵駅に行き838Mを。「HK100-5+HK100-7」でした。
最後に、西の終点である犀潟駅をご覧ください。2016年頃に黒茶系に改修されました。
ファサードの字体も駅舎改修と同時に改められました。
トイレは直江津方に。尚、標高は6mです。
では駅舎の中へ。12人分座れるベンチの右手には「みどりの窓口」があり、営業時間は7:10~17:10(休み5回)です。
改札の上には片岡鶴太郎の駅名標が。ほくほく線の各駅に設置されています。
ほくほく線の「いま」は以上です。繁忙期に取材したので普段の姿は反映されていませんが、834Mや838Mは通常は単行です。ほくほく線のかきいれ時のシーズンは、夏休みの妻有郷アートや十日町雪まつりの時期ではないでしょうか。
運賃の話が出てきましたが、来年10月の消費税UPの時には、犀潟ー六日町の通し運賃が1100円に上がるでしょう。それでも、IGRいわて銀河鉄道の2/3程度の運賃水準にとどまっています。もし、新潟県などの財政が危機的状況に陥り、補助金が削減されることになれば、更に30%ほど値上げされるかもしれません。
ところで、運賃改定の話の最後に、利便性の向上の話が出てきています。トイレ付き新車両の話が出てきていますが、それはHK100形が経済的寿命を迎える4、5年後になるでしょう。また、中学生用定期の新設(高校生用の80%の額面)や障がい者割引の拡充などが挙げられています。野岩鉄道のように、精神障がい者が手帳を見せれば半額で利用出来るようになるでしょう。