徒然なるまま”僕の趣味と遊ぶ”

タイガース、水彩画、鉄道などの、僕の気ままな”独り言”

鉄道は正確が当たり前!!-その7-

2005年09月01日 11時48分57秒 | 鉄道は正確が当たり前!!
昨日、阪神が中日に負け、ゲーム差は、とうとう0.5になってしまいました。
先制しながら、一番打たれてはいけないウッズに満塁弾を井川が打たれ、檜山の150号ホームラン等で追い上げたが・・・・・
阪神の2軍がダントツで一足早く優勝を決めましたが、1軍も後残りを全部勝つつもりで頑張って欲しいものです。

鉄道が正確に運営される環境が日本には江戸時代からあり、その一つが時鐘システム、その2つ目が、大規模移動のプロジェクト(参勤交代)があります。

その3つ目は、江戸時代の人々は既に武士階級から庶民にいたるまで交通のメリットを良く知っていたことです。
参勤交代は、大勢の大名やその家来を江戸に住まわせ江戸という巨大消費都市を作りました。この巨大消費都市には、全国から物資や働き手の流入を維持、発展させ交通の発達の原動力となりました。

又、庶民の長旅も、今日我々が思う以上に盛んでした。
伊勢参りを中心とする社寺参詣、名所旧跡めぐり、湯治の旅、商用の旅などが盛んに行われていました。
人々は、移動のメリットもその楽しさも知っていました。またその旅行が危険を伴うものであることも知っていました。

このことが、徒歩の時代に生きていたにも関わらず、人々が、鉄道で大量のものや人を移動させることによって国の繁栄を築くという新しい時代の発想についていくことが出来た理由ではないでしょうか。

今日の写真は、広重の東海道宿場の図です。 

鉄道は、正確が当たり前!!-その6-

2005年08月30日 10時56分02秒 | 鉄道は正確が当たり前!!
先日に、日本の鉄道が正確に運営管理されているのは、鉄道開通より前から、即ち江戸時代から、環境が整っており、その一つとして時鐘システムがあったことを述べました。

2番目の要因は、大規模移動のプロジェクトを運営する能力があったことです。
参勤交代という、大規模でかつ多くの人の移動を経験していたことです。

この参勤交代は、莫大な費用を費やし、毎年繰り返された大プロジェクトであっただけでなく、多くの制約の中で行われた事に注目したいと思います。

大名たちは、それぞれの立場、身分に応じて国元から江戸に入る時期はもちろんの事、連れて行く家臣の人数や武器の数、馬の数、かけるべき費用などこと細かく制限されており、その家臣達は、事前に幕府に承認をとる作業をつつがなく行わなくてはなりませんでした。

大名が泊まる陣屋(本陣)に別の大名らの宿泊が重ならないように何ヶ月も前から調整して、陣屋等に予約を入れ準備をしていました。

これ程の制約条件つきの大規模移動プロジェクトを経験した社会と、そうでない社会とでは、鉄道運行技術の飲み込みが同じとは思えません。

今日の写真は、箱根祭りでの大名行列の模様です。

鉄道は正確が当たり前!!!-その5-

2005年08月22日 10時13分04秒 | 鉄道は正確が当たり前!!
前回の続きです。
それでは、鉄道を正確に運営出来る環境が鉄道の開通前即ち江戸時代の社会に備わっていました事は、前回に述べました。

その一つに時鐘システムが庶民にも日常から取り入れてあったことです。
ペリーが黒船で来た時、江戸の町の鐘の音に驚いたと言われています。
その鐘の音は、寺院の鐘の音であったり、町々に設置された時の鐘の音であったり、お城からの太鼓の音であったりします。

この時鐘のシステムが、分とか秒の単位ではありませんが、社会が、この鐘等の音で時間感覚を持っていたということは、そう簡単なことではありません。

勿論、イギリス等に於いても教会の鐘によって時刻を知らしていましたが、これは全部の教会ではなく、それも祈りのためで18世紀になってのことでした。

江戸時代では、城門の開閉、登城、休息の時であり、職人や商家でも時刻に応じた生活理論が確立していました。
寝起や店の開閉、門限にも使われ、農村に於いても仕事は1日単位であったにせよ水田からの水引の刻限や庄屋からの集合時刻などを知らされ、日記等にも、季節の移り変わりや村人の誕生日まで時刻が入っていました。

江戸時代での赤穂浪士の討ち入りは、この時刻が浪士の集合に使われて、これで全員の行動が把握出来たればこそ成功したと言っても過言ではありません。

時刻による秩序性や組織性は、近代化の条件です。

勿論、この江戸時代の時鐘システムが、そのまま列車の運行に役立ったものではありませんが、少なくとも時刻に対する行動が身についていたことが、今後のより細かい時刻に対する時間感覚を養ってきたことでしょう

今日の写真は、江戸時代の時刻現代の時刻の比較ですが、当時の庶民は精々1刻(2時間)か小半刻(30分)単位で、1日を24時間に等分するのではなく、季節によって昼夜の時間が異なります。

鉄道は、正確が当たり前!!-その4-

2005年08月20日 09時32分51秒 | 鉄道は正確が当たり前!!
昨日の虎は、徹底的に負けました。これだけ負ければ、案外悔いは残らないでしよう。負け惜しみかなぁ・・・

昨日の続きです。
明治政府は、この”陸蒸気”を明治政府の偉大さの表現手段として、中央集権体制の手段として利用しました。つまり富国強兵や文明開化とうまく結びつけ明治政府のPR戦略として巧妙にした仕立て挙げました。

それでも、一般国民にとっては、鉄道開通前と後では、技術だけではなく、社会の仕組みにも、庶民の生活感覚の上においても、大きなギャップがありました。

特にこれと言う資源もなく、国土も狭く、ヨーロッパ諸国に比べれば庶民の暮らしも楽ではない状態でこのように鉄道技術の向上や関心に深くなったのは、これも、江戸時代にかなりのものが準備されていたことがあります
これが、その違いの2点目です。

又江戸時代に戻りますが、当時から藩校や寺子屋などの教育の場があり、識学率も高く独自の幕藩体制が機能しており、税の徴収などを通じ農村にも庄屋を中心とした自主的な管理能力があり、和算と言う独特の数学の発達や築城等による土木技も高く、高度な市場経済の仕組みあったことなどが、挙げられます。

鉄道を運行する技術は総合的です。

こういう環境が、鉄道以前に日本の社会に備わっていたことが、鉄道技術の普及に役たったに違いありません。

しかし、それだけが、直ちに正確な鉄道の出現するということでは、勿論ありません。

今日の写真は、弁慶号です。

鉄道は、正確が当たり前!!-その3-

2005年08月19日 12時30分01秒 | 鉄道は正確が当たり前!!
先日の続きです。
日本が、なぜ世界に類を見ない鉄道の定刻発着の正確さを追求してきたのかは、その社会、文化、環境等が影響していることを、前回に述べました。

これを述べるのには、徳川幕府の時代に遡らなくては成りません。
日本の地形は、平野部が少なく、山あり、谷あり、川ありで複雑になっており、幕府は、これを天然の要塞として、要所の川には、橋を架けずに徒歩が交通の基本でした。

宿場は、1日の歩ける距離に設置され、日本の都市は人が歩ける間隔で発展して来ました。

明治になり、この交通手段として現われたのが鉄道でした。
日本の場合、徒歩の時代から一気に鉄道の時代に移行して飛躍的な発展をしますが、ヨーロッパ諸国における馬車による流通の時代がありませんでした。

ここが、1つ目の相違点です。
つまり新橋~横浜間でも徒歩や駕籠で1日かかったのが、わずか1時間で結ばれた事が、驚きと好奇心を日本人の心を掴みました。

それでは、なぜこの鉄道に明治政府を揚げての発達につながったのかは、次回に載せます。

今日の写真は、靖国神社に展示してある機関車です。
この機関車は、昭和11年に製造され、戦時中にタイへ移り泰緬鉄道として活躍したC56型31号機関車で、昭和54年にタイ国有鉄道から奉納されたものです。



鉄道は、正確が当たり前!!-その2-

2005年08月17日 12時59分53秒 | 鉄道は正確が当たり前!!
昨日の続きです。
ヨールッパには、日本のように1分以上の遅れは、すべて「遅れ」と数える定時運転率の数字は、ありません。
世界をさらに広く見渡せば、遅れのエピソードには、事欠きません。

ニューヨークのグランドセントラル駅では、次の列車の到着時刻を「何時何分」と表示するのではなく、「Will be」すなわち「そのうちやってくる」と表示しています。
特に途上国では、1時間送れで着くのは良い方で、3時間や4時間はたまた翌日になる場合もあります。
「今日は、珍しく時刻通りに発車したな」と思ったら、それは前日の同じ時刻に発車するはずの列車だったという、嘘のような本当の話もあります。

つまり、世界には、鉄道は「1分違わず」正確に運行して当たり前と思われている社会と「10分や15分」の遅れなら、まあ当たり前と思われている社会と「1時間や2時間」の遅れも当たり前と思わなくてはならない社会もあるのです。

これは、その社会(文化)の違いや住民の環境、鉄道の利用価値感の違いが大きく左右しています。

今日の絵は「稲荷境内」です。F10号

鉄道は正確で当たり前??

2005年08月16日 09時20分12秒 | 鉄道は正確が当たり前!!
最近、鉄道の遅れがマスコミ等で報道されることが多くなっていますが、世界の水準からすれば信じられない程正確に運行しています。

一列車あたりの遅れは、JR東日本の数字(1999年)で、新幹線が平均0.3分、在来線では、平均1.0分です。

新幹線の95%在来線の87%が定刻に発着しています。
大雪とか大雨等で年によって若干の差がありますが、ここ十数年は、毎年、一列車あたりの遅れは、平均1分以内に収まっているそうです。

ヨーロッパにも同種の数字があります。
イギリスでは、鉄道誌(1992年)によると、イギリス、フランス、イタリアも大体90%まで定時運転率が揚がってきているようです。

これでは、あまり日本と変わらないと思われますが、これには統計の基準に大きな違いがあります。

日本の統計では、1分以上の遅れを「遅れ」として数えられますが、外国取り分けヨーロッパの統計では、15分以上の遅れを「遅れ」と数えられます。

従って、同じ定時運転率と言っても基準が異なりますので、この数字は比較出来ません。

そもそも統計のとる発想からして大きく違うと言う訳です。
その発想の違いの背景については、後日にお話しましょう。


今日の絵は、三室戸寺の三重塔。F6号

死亡事故の”確率”

2005年05月06日 10時05分45秒 | 鉄道は正確が当たり前!!
某放送で、次のような”確率”の話が放送されていました。

電車事故による死亡の確率を1とすると、飛行機事故では、指数10、つまり飛行機事故は、電車での死亡事故より、10倍の確率で起こるとされています。
では、自動車は、なんと指数は100、となります。

これを見ると、自動車事故が如何に、死亡事故が多いかが分かります。
現に、自動車での年間死亡者が1万人もいます。

如何に電車が安全であると云う事なのですが・・・・

でも9割9分安全と言ってもその1分が、何時、どのようにして起こるか予測出来ないのが、事故の事故たる所以で、安全は、いつも緊張感と意識が必要ですね。

それにしても、JR西日本の企業体質は、一丁一石には、治らないのではと、次々と起こる不祥事を聞いていると、安全神話も消え失せます。

そう云えば、4月28日の阪神対中日で8対1で勝ってる試合も終われば8対9の負け。
これが、シーズンを振り返った時、本当の悲劇にならなければいいのですが・・・・
事故と一緒には、出来ませんが、何事も、最後の最後まで、安全の意識と油断大敵を忘れない事ですね。

今日の絵は、屋久島での池の古木です。F8

1 分30秒の遅れ

2005年04月26日 09時40分51秒 | 鉄道は正確が当たり前!!
昨日、尼崎市で、JRでは史上まれに見る大惨事が発生しました。それもこの204系の電車は、JR西日本が誇る加速性の良い車両で皮肉にも遅れを取り戻すためにスピードを出しすぎたと見られています。
もしスピードの出し過ぎが原因とすれば、高速性と軽量化がJRの安全性より効率性、経済性を優先された結果とも思われます。
最近の事故では、1991年に発生した信楽高原鉄道の死者42名の事故、思い出されます。
今日(4月26日)朝9時現在、71名の死者が出たと報じています。

JR福知山線は、最近急速に幹線化が進んでいる路線です。東西線ができ、学研都市線(片町線)と大阪北新地を経て尼崎まで繋がり、三田方面や宝塚、伊丹の住宅開発が進み、沿線には、大型ショッピングが相次いでオープンし街が発展してきた所です。
同時に阪急宝塚線、伊丹線と競合し、利用客獲得競争のためダイヤ改正を繰り返し、利便性を重視されてきました。

数年前には、田園風景が広がるローカル線そのものだったものが、最新車両を注ぎ込み競走性と経済性、それにJRの誇る時間に正確性が、この1分30秒の遅れを取り戻すためであるなら、私鉄も加えまず安全性確保を優先すべきと思います。

今日の絵は、ドイツ、ローテンブルグ市街


御礼
アクセス数が、昨日5000件を突破し、5038件となりました。
沢山の皆さん、本当に有難う御座います。 今後とも宜しくお願いします。