”麒麟の舌”とはどのようなことなのでしょうか・・・
”麒麟”は中国での想像の動物で「仁獣」とも呼ばれているそうです。
つまり、”仁”思いやりを持つ聖獣で、長寿で縁起の良いものと言われています。
そのような”麒麟”の持つ”舌”は、多分、1度食べた味を完全に覚えていると信じられ、そのように絶対的味覚を持っており、それを再現できる料理人を”麒麟の舌を持つ料理人”と呼ばれているそうです。
山形直太朗 直太朗の妻 山形千鶴
さて、その麒麟の舌を持つ料理人の運命と不思議な縁が結ばれる物語です。
陰謀と策略、ミステリックでサスペンスもあるドラマチックな作品で、なかなか見応えがありました。
映画は、依頼人が人生最後に食べた料理を再現して高額の報酬を得る料理人 佐々木充(二宮和也)の話から始まります。
彼が”麒麟の舌の持ち主”として、通称最後の料理人と呼ばれていました。
その噂を聞いた中国料理界の重鎮・楊晴明(笈田ヨシ)から幻と言われている「大日本帝国食菜全席」というレシピの復元を依頼される。
楊 晴明 柳澤 健
楊は1930年代、満州で山形直太朗(西島秀俊)の調理助手としてメニュー作成と同時に直太朗の妻山形千鶴(宮崎あおい)とレシピの作成にも協力していました。
直太朗は、天皇の料理番でしたが、満州国に天皇を迎える時の料理を作る特命を三宅太蔵陸軍大佐(竹野内豊)から受け、そこで「大日本帝国食菜全席」というメニュー
作成します。
佐々木 充 陸軍大佐 三宅太蔵
前半は、西島秀俊演じる山形直太朗が主役と思われるほど、彼を中心に話が進みます。
が後半は、なぜ、そのレシピの料理が出来なかったのか、そしてそのレシピ自体も、そして山形自身をも行方不明になり、その謎を追って、レシピを求めて佐々木充が奔走します。
関係者の証言をつなぎ合わしてゆくと、思わぬ結末を迎えることになります。
その解明には、充の幼友達で中華料理店の雇われ店主柳沢健(綾野剛)や幼い時に預けられた孤児院の責任者(大地康雄)など広大な時と人と愛がつづられていました。