極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

錦織圭ベスト4入り確定か

2016年11月15日 | 時事書評

 

 

                盲蛇に怖じず  /  Fools rush in where angels fear to tread

 

        ※ 天下一の野心ぐらいは、餓鬼大将は誰でも持っているものだ。けれども、
          自信は、それにともなうものではない。むしろ達人ほど自信がない。
          怖れを知っているからだ。盲蛇に怖じず、バカほど身の程を知らないも
          のだが、達人は怖れがあるから進歩もある。

                               坂口安吾 『織田信長』

        ※  For Fools rush in where Angels fear to tread.
                 Distrustful Sense with modest Caution speaks;
                                          It still looks home, and short Excursions makes;

                                                                Alexander Pope  ’An Essay on Criticism ’        


                                                       
                                                                                                アレキサンダー・ポープ
                                                                                                May 21, 1688 - May, 1744

        ※ 人間の向こう見ずな過ちを恐れる神々の彼岸とはよそに、此岸の当事者は、
                  「盲蛇に怖じず」と「優柔不断」の両義的な批判がおおよそ待ち受けている
                  もの。「メキシコに壁を!」と叫んでいた当事者のトランプ・ビルは皮肉に
                  もバリケードの壁で覆われることになる。
 

 

Nov. 11, 2016

● 雷から装置システムを守り・発電量を上げる

11日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、落雷被害による風車の停止時間を低減
し稼働率を上げるため、雷検出装置等の評価技術開発に着手すると発表。日本では、風力発電が落雷
の被害を受けることが多く、ブレード破損や火災事故等が生じるおそれがある。そのため、公共安全
確保の観点から、発電用風力設備の風車に雷検出装置の設置が義務付けられるようになった。
今回、雷検出装置の評価手法を確立するために、①雷インパルス波形試験、②交流電源を用いた周波
数特性評価、③長波尾電流による評価等を行い、雷検出装置の所要性能を検討する。また、接地シス
テムの健全性確認方法の開発、雷リスクマネジメント方策の取りまとめ等を行う。雷を適正に検出す
ることにより、新たな検知技術の研究開発等に着手し、落雷による風車の停止時間低減、稼働率向上
を図る。

【RE100倶楽部:三層構造セルで30.2%】

             

● シリコン利用の太陽電池で、理論限界を突破

9日、ドイツのフラウンホーファー研究所は、ケイ素(シリコン)を利用した太陽電池セルで変換効
率が30.22%に達したとことを公表。それによると、セルの面積は4平方センチメートル。一般的
な太陽電池セルと同様、表面電極と裏面電極を備えるもので、「シリコン層+それ以外の半導体層A
+それ以外の半導体層B」という3層構造。シリコン太陽電池の理論効率を見ると30%を超える変
換効率は実現できないので、この限界を打ち破る方法として(1)2種類以上の半導体を垂直に積み
重ねた多接合太陽電池方式――バンドギャップの大きな半導体を上面(トップ層)に、小さい半導体
を下面(ボ
トム層)に置くことで、30%を超える変換効率を実現できる。

 Nov. 9, 2016

この考えに沿って開発されたのがこれで、試作した太陽電池は3種類の半導体が垂直に積み重なった構造
を採る。トップ層はガリウムインジウムリン(GaInP)、ミドル層はガリウムヒ素、ボトム層がシリ
コン。
同研究所によれば、トップ層が波長300~670ナノメートルの太陽光を吸収する。波長の短い近
紫外線から黄色の光に相当する。ミドル層は、波長500~890nmの光を吸収。これは青緑から近赤外線。
ボトム層は波長650~1180nmの光を吸収(赤から赤外線までを担う)。



多接合太陽電池で、異なる半導体層を組み合わせる際、手法は大きく2つに分かれる。1つは積層。
半導体を形作る原子や分子を直接重ねていく方法。2つけはメカニカルスタック。半導体層同士を物
理的に重ねる方法。ところが前者のの積層法は、一気に複数の層を形成でき、太陽電池を薄く作り上
げることができるが、半導体の組み合わせにより、層の品質が低下してしまう欠点がある。後者のメ
カニカルスタックはどのような半導体の組み合わせも可能だが、物理的に重ね合わせるため、接触不
良が起
こるり、太陽電池セルが厚くなるという欠点がある。

● 肝となるウエハー接合装置

  ウエハー接合装置

この開発では、この2つの手法を盛り込んでいる。まず、ガリウムヒ素基板の上に規則正しくガリウ
ムインジウムリンを積層(エピタキシャル堆積、下図左)。次にこの基板と、シリコン基板をメカニ
カルスタックで接合した(下図中央)。最後にガリウムヒ素基板を化学エッチングして薄膜とする。

このプロセスで使用するのが、ダイレクトウエハーボンディングプロセスだ。同技術は、プロジェク
ターやセンサーなどに使われるMEMS(微小電気機械システム)などのマイクロエレクトロニクス業
界で量産工程に使われている。
接着剤を使わずに接合することが特徴。具体的にはそれぞれ基板の表
面をプラズマ活性化させた後、圧力を加える。こうして真空中でそれぞれの基板上の原子が直接接合
し、完全に1枚にまとまった基板(一体形成――モノリシックデバイス)が完成する。つまり、シリ
コン太陽電池セルの製造プロセスを見つけたのである。セルの表面が滑らかで高濃度にドープされた
表面を作り出すことが課題。こうなっていればウエハー・ボンディングに適しており、シリコンと
GaInP
などの)Ⅲ-Ⅴ族半導体のさまざまな異なる要求を満せる。同研究所の次の目標は、今回の方
式を採用した太陽電池セルを組み合わせ、太陽電池モジュールとして、ルーフトップ型のパネルまで
完成させることにある。

いよいよ、30%超系の太陽電池の実用化段階に入ってきた。ゴールは間近だ。これは断言できる。
と、心の昂揚を感じながら打ち込んでいるわたしがいる。

 

     

【我が家の焚書顛末記 20:中国思想 管子】      

   重  令    ――法令尊重――

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 「古代氏族社会」の名残りをとどめる春秋時代、血縁による政治がまだ幅をきかしていた。これ
 にたいし、
管子は、"近代化"を主張する。それは法令尊重であり、秩序整然とした基礎づくりで
 あった。
 

 こ と ば ---------------------------------------------------------------------

 「およそ国に君たるの重器は、令より重きはなし。令重きときはすなわち君尊し」
 「国は虚しく重からず、兵は虚しく勝たず、民は虚しく用いられず、令は虚しく行なわれず」
 「地大に国富み、人おおく衆く兵彊きは、これ覇王の本なり。然るに危亡と隣をなすは、天道の
 数、人心の変なり」

 「およそ先王、国を治ひるの器三つあり。三器とは何ぞや。曰く、号令なり、斧鉞なり、禄賞な
 り」

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  ノーマルな臣下・作風・産業

  朝廷には「経臣」、国家には「経俗に、人民には「経産」というものが必要である。
 「経臣」とはなにか。
  自己の才能に応じた官職につき、君主のためにつくす。法令に従って仕小にはげみ、徒党を組
 んだ
りはしない。つねにベストをつくし、私利をはからない。困難に際しては死をも恐れず、功
 績以上の俸禄
はうけない。能力以hの地位にはつかない。実力以上の恩賞にはあずからない。こ
 れが、すなわ
ち「経臣」である。

  「軽信」とはなにか。
   法令の禁ずることを好んだり、尊重したりしない。反政府的な行動をとらず、徒党を組んで自
  説を
おし通すこともしない。ぜいたくな食事はせず、身分をこえた服装もしない。親兄弟には
 孝養をつく
し、君主には忠節をつくす。これがすなわち「経俗」である。

 
「経産]とはなにか。
  商工業は避けて農業、牧畜、植林にはげむ。これが、すなわち「経産」である。
  経臣を重んじない朝廷では、追従者がのさばり、功のない者が賞にあずかる。姦臣が稲をきか
 せ
無能な者が登用される。
  経俗を守らない国では、下の者は服従せず、上の命令は守られない。
  経産につとめない人民は、穀倉を空にし、財政を悪化させる。
  追従者がのさばり、功のない者が賞にあずかり、姦臣が帽をきかせ、無能な者が登用されると
 すれ
ば、臣下の団結ははがれない。
  下の者は服従せず、上の命令は守られないとすれば、いざというときにすばやく対応すること
 はで
きない。人民が穀倉を空にし、財政を悪化させるなら、国は経済的な危機におちいる。
  この三つの事態がひとつでも発生すれば、国は敵につけこまれて滅びるのだ。

  常識の尊重 「経巨」「経俗」「経心この「経」とはフーマル」の意味である。つまり、国を

 安定して発展させるためには、とっぴな才能や変わったやり方ではなく、ノーマルな人材、ノー
 マルな作風、ノーマルな産業が必要だというのである。人材についていえぼ、異常な才能をもつ
 人間は、ある時期には成果をおさめることもあるが、永続性はなく、また危険性も多い。B主た
 るもの、すべからく永続性を考え、普通の才能を重視し、だれにでもできるやり万を重んじ、最
 も基本的な所業を考えよという、常識の尊重である。

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 朝有經臣,國有經俗,民有經產。何謂朝之經臣?察身能而受官,不誣於上;謹於法令以治,不阿
 黨;竭能盡力,而不尚得;犯難離患,而不辭死;受祿不過其功,服位不侈其能,不以毋實虛受者,
 朝之經臣也。何謂國之經俗?所好惡,不違於上;所貴賤,不逆於令,毋上拂之事,毋下比之說,
 毋侈泰之養,毋踰等之服。謹於鄉里之行,而不逆於本朝之事者,國之經俗也。何謂民之經產?畜
 長樹蓺,務時殖穀,力農墾草,禁止末事者,民之經產也。故曰:「朝不貴經臣,則便辟得進。毋
 功虛取,奸邪得行。毋能上通。」國不服經俗,則臣下不順,而上令難行。民不務經產,則倉廩空
 虛,財用不足。便辟得進,毋功虛取,姦邪得行,毋能上通,則大臣不和。臣下不順,上令難行,
 則應難不捷,倉廩空虛,財用不足,則國毋以固守,三者見一焉,則敵國制之矣。

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   基礎づくりが第一

  国威を発揚するには、それ相々-の基礎が必要だ。軍隊を強くするにも、それ相当の基礎が必
 要だ。
人民をうまく掟うにも、法令を施行するにも、それ相当の基礎が必要だ。
  では、その基礎とはなにか。
  国威を発揚するに軍隊をつよくすることだ。軍隊をつよくするには、人民をうまく便うことだ。
 人民をうまく使うには、法令を娠椙に施行することだ。法令を厳格に謐行するには、まず側近の
 者か
ら法を実践させることである。 
  側近の者には禁令も罰則も適用せず、名もない臣下には厳しく流用する。身分の低い者には恩
 賞も
あたえない。もし、こうだとすれば、いかに法令を徴底させようとしても、不可能である。

  有能な人材を官吏に登用せず、功績のない者に爵禄を与える。人民の期待に灰した命令を出し、
 時
代の流れに逆行した行動をと芯。功績をあげた者に恩賞を与えるとは限らず、卸を犯した者を
 処罰す
るとも限らない。命令や禁令も徹底して守られず、上司が郡下を使いこなせない。もし、
 こうだとす
れば人民をうまく伎おうとしても、不可能である。
  将軍にに威信がなく、人民にも女将されない。指揮官は兪を惜しみ、兵士は敵の勢いにのまれ
 る。も
し、こうだとすれば、軍隊をつよくしようとしても、不可能である。
  国の守りは不完全、他国を攻めても制圧することができず、野戦でも敵に肋てない。もし、こ
 うだ
とすれば、円成を発揚しようとしても.不可能であろ。
  また弱小国に恩恵を施す徳ももたず、強国に対抗しうる力もなく、諸国征討の軍をおこしても
 相手
を服従させることができない。もし、こうだとすれば、諸侯に利をとなえようとしても、不
 可能である。

  国威も発揚しておらず、兵力もとるに足らない。遠国と友好関係を結べるほどの徳望.もなく、
 諸侯
団結の号令をだせるほどの成眠もない。これでは.天下に王たらんとしても、不可能である。
 「領土広大で、人口が多く、兵力が強大である」
  これは覇王にになるための根本条件である。

  ところが、この条件を備えていても、覇王の地位を確保できず、逆に滅亡においやられること
 がある。

  それは、天道にもとり、人心の支持を失うからである。満つれば欠け、盛んになれば衰える。
 こ
れが天道の法則である。余裕ができればおごり、おごればおこたる、これが人心の常道である。
 覇者
たるものが、諸侯をあなどる振舞に出れば、当然、諸侯の支持を失う。政策をいいかげんに
 すれば、
民心は離れてしまう。諸侯にそむかれ、民心が離れるにいたる事態。天道にもとるとは、
 これをいう
のだ。もはや滅亡するしかないではないか。
  この例とは逆にこんな国があったとする。
  領土広大で、人口も多いが、他国の領土の奪取や併呑は企てず、君主はおごりもおこたりもし
 ない。
財政が豊かでも、ぜいたくに溺れたり欲望に負けたりはしない。軍隊が強くとも諸侯を侮
 ったりはし
ない。天下の大義のためにのみ人民を勁員し軍隊を出勤させる。
  こういう国こそ天下を教化する資格があり、諸侯に覇王者たりうるのだ。

  法家の面目 このロジックの展開はきわめて明屏である。①国の強いのは←軍隊が強いから。
 ②ボ隊の強いのは←民心を収攪しているから。③民心をつかめるのは←人民が法を重んじるから。
 ④人民の存続は←君主自身が法を公平に実施するから。……結諭的にいえば、いかなる大国強国
 
でも、君主が自己のだした法律を尊鳶しなければ、いつかは危機に瀕すると管子はいいたかった
 たのである。「法家」としての面目がうかがわれる。

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 故國不虛重,兵不虛勝,民不虛用,令不虛行。凡國之重也,必待兵之勝也,而國乃重。凡兵之勝
 也,必待民之用也,而兵乃勝。凡民之用也,必待令之行也,而民乃用。凡令之行也,必待近者之
 勝也,而令乃行。故禁不勝於親貴,罰不行於便辟,法禁不誅於嚴重,而害於疏遠,慶賞不施於卑
 賤二三,而求令之必行,不可得也。能不通於官,受祿賞不當於功,號令逆於民心,動靜詭於時變,
 有功不必賞,有罪不必誅,令焉不必行,禁焉不必止,在上位無以使下,而求民之必用,不可得也。
 將帥不嚴威,民心不專一,陳士不死制,卒士不輕敵,而求兵之必勝,不可得也。內守不能完,外
 攻不能服,野戰不能制敵,侵伐不能威四鄰,而求國之重,不可得也。德不加於弱小,威不信於彊
 大。征伐不能服天下,而求霸諸侯,不可得也。威有與兩立,兵有與分爭,德不能懷遠國,令不能
 一諸侯,而求王天下,不可得也。地大國富,人眾兵彊,此霸王之本也,然而與危亡為鄰矣。天道
 之數,人心之變。天道之數,至則反,盛則衰。人心之變,有餘則驕。驕則緩怠。夫驕者驕諸侯,
 驕諸侯者,諸侯失於外。緩怠者,民亂於內。諸侯失於外,民亂於內,天道也,此危亡之時也。若
 夫地雖大,而不並兼,不擾奪。人雖眾,不緩怠,不傲下。國雖富,不侈泰,不縱欲。兵雖彊,不
 輕侮諸侯。動眾用兵,必為天下政理;此正天下之本,而霸王之主也。

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以上「重令」は、ここまで、次回は「五輔」、「政治を正す五つの段階」を読み解く。

                                      この項つづく

  ● 今夜の一枚

Kei Nishikori beats Stan Wawrinka in 67 minutes at ATP World Tour Finals | Daily Mail Online, Nov. 14, 2016

錦織圭のベスト4入り確定!ツアーファイナル。つぎの対戦者はアンディ・マリー。


BBC Sport at O2 Arena, London Nov. 15, 2016

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