僖公33年:殽(こう)の戦い その2 / 晋・秦・楚鼎立の時代
※ 鄭の商人弦高(げんこう)母国を救う:秦軍は滑(小国の名)に到着した。たまたま
鄭の商人で弦高という男が、周へ商売に出掛ける途中、ここで秦軍に出会った。かれ
はまず慰問の先触れとしてなめし皮四枚を届けておき、あとがら牛十二頭を用意して、
秦軍のところへ出掛けて行った。そして次のように申し出た。
「わが君には、みなさまがたが軍を進めてわが国にお越しなさると承り、とりあえず
ここで従軍兵士のご一行を慰問申しあげるようお命じになりました。貧しい国とてな
んのおもてなしもできませぬが、兵士のみなさまには、永い行軍を続けてこられたゆ
え、多分この地でご休憩をおとりになるのではないかと存じ、ここに食糧一日分を用
意してございます。また、行軍を続けられるのでありますから、せめて一晩なりとも
警護の役目を承りたいと存じます」
こうして弦高は溺単を滑にくぎ付けにすると、そのあいだに早馬を母国の鄭に送って、
秦軍が来た旨急報した。知らせを受けて、郎の穆公は、すぐさま秦の公館の様子を探
りに行かせた。荷物を単に積み込む者、武器の手入れをする者、馬に稼をあたえる者、
だれもがあわただしい勤きをみせている。そこで穆公は大夫の皇武子を公館に差し向
けて挨拶させた。
「長いあいだご滞在くださっているのに、わが国では、乾肉も食禄も肉も家畜も底を
ついてしまい、そこでみなさまがたには、気をきかして引揚げようとなさるのであり
ましょう。そのお志はありがたいが、しかしわが国にはまだ貴国の具圈のような狩り
揚が残っております。原圃の狩り揚です。ひとつ、その原則に放し飼いしてある鹿を
お獲りいただいて、ひきつづきわが国にご滞在をねがいたいのだが」
紀子は、陰謀が見破られたと知って、斉へ出奔した。同じく逢孫と楊孫の二人は、宋
へ出奔した。「鄙には備えがある。攻撃したとしても、勝利はおぼつかぬし、さりと
て包囲戦術をとろうにも補給が続かない。いっそ引揚げよう」
秦の武将、孟明はこう主張し、滑を滅ぼしただけで引揚げた。
既に成熟しているテレビ市場だが、限界を迎えれば、その成熟度は増すことになる。 そうした中で
期待を集めているのが、有機ELテレビだ。自発光で特に黒色の表現に優れ、高コントラストを実現で
き、視野角の広い有機ELテレビは、液晶テレビとの違いが分かりやすい。さらに薄型テレビは(ブラ
ウン管テレビに比べ)どうしてもスピーカーが小さくなり、音質が悪いとされてきた。だが、ソニー
は、バックライトがないという有機ELの利点をを生かし、画面背後にアクチュエーターを配置して画
面から音を出して音質を高めている。究極のテレビといわれる壁掛けテレビにも近づいてきており、
画質を落とさず軽量、薄型でスタイリッシュというデザイン的な付加価値をもつ。有機ELパネル供給
メーカーは、LG Display1社だが、有機ELテレビを製品化するメーカー数は12社と、1年前に比べ2
倍に増えた。日本市場は、他地域と比較すれば、プレミアムテレビが好まれる高付加価値の市場、ソ
ニー、パナソニック、東芝と、シャープ以外の国内テレビメーカーが有機EL陣営を形成する。
● 2017年の有機ELパネル市場は前年比63%増の252億ドル規模
2017年の有機ELテレビの需要予測は、Samsungとともにプレミアムテレビブランドとして全世界で認
知されているソニーの参入によるインパクトを考慮し、2016年比2倍となる140万台としている。そ
して、2018年には250万台の出荷を見込む。ただ、今のところ全テレビ出荷台数に対する有機ELテレ
ビの台数比率は2017年0.6%で2021年に2.6%になると見ている。55型以上のテレビに限った台数ベー
スの有機ELテレビ率については、2017年が2.6%で、2021年が8.3%と予測されている。金額ベースで
は、55型以上のテレビ出荷額に占める有機ELテレビ出荷額は2017年は6.8%、2021年は14.3%に達す
る。金額の高い上位のプレミアムテレビ市場では、有機ELの存在は大きくなる見込み。そのため各テ
レビメーカーは有機EL市場に参入を果たす(マイナビ 2017.07.21)。
● 21世紀のカンブリア紀 有機エレクトロニクス
1987年に始まる、米国はコダック社が発明した有機ELは、その後、日本の三洋電機、パイオニア、ソ
ニーなどの家電メーカにより研究開発により発展したものの「ダークスポット」などの技術問題や日
米経済協議やシャープの液晶パネルの垂直統合などの政治経済問題などがあり頓挫し、有機ELパネル
メーカはサムソン(三星)、LGエレクトロニクス(金星)の独占状態に移る。このように、デジタル
革命渦論をベースとした核兵器/原発に象徴される20世紀の物理学は、バイオミメティクスの21
世紀の物理学への変遷、あるいは有機エレクトロニクスのカンブリア紀の様相をみせる。因みに、液
晶も有機化合物だはあるが、対液晶パネルからは、消費電力が低く、半分以下の薄さ/構成部材数で
演色性に優れ、ブルーライトによる障害も少ない。半導体で言えばシリコン/無機系に対するグラフ
ェン/有機系半導体、あるいは鉄鋼/金属系に対するナノセルロース/炭素系、あるいは地下化石燃
料・核燃料・無機半導体系エネルギーに対する有機・ハイブリッド系/再生可能エネルギーの隆盛を
意味する。ここで下記に2つの最新有機EL技術事例を掲載する。
❏ 特許事例:特開2017-62884 表示装置及び発光装置
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子/表示装置)は、自発光型であり、消費電力が低
く、また、高精細度の高速ビデオ信号に対しても十分な応答性を有するものと考えられ、実用化に向
けての開発、商品化が進んでいる。また、有機EL素子を発光部として用いた発光装置(照明装置)
の開発、商品化も進んでいる。通常、第1電極、有機発光材料の発光層を備えた有機層や第2電極が
順次、積層された構成/構造をとる。ところが、例えば、第1電極上にパーティクル(異物)や突起
部が存在すると、また、第1電極に切れ目や切断部が生じると、有機層のカバレッジが完全ではなく
なり、第1電極と第2電極との間で短絡が生じる。そして、このような短絡が生じると、アクティブ
マトリクス方式の有機EL表示装置は、短絡を含む画素欠陥となり、有機EL表示装置の表示品質劣
化となり、パッシブマトリクスの有機EL表示装置においては、欠線となってしまい、表示品質を劣
化させる。
この問題解決手段として、有機層と第2電極との間に、有機層側から、第1抵抗層及び第2抵抗層が
設けられている。また、第1電極、有機発光材料から成る第1発光層を備えた第1有機層、電荷発生
層、有機発光材料から成る第2発光層を備えた第2有機層、第2電極が順次積層された構造の有機E
L素子があり、有機EL素子は、第1電極と第2電極との間での短絡を効果的に防止できるが、抵抗
体層の形成を必要とし、有機EL素子製造工程の増加問題、生産性の低下、製造コスト増加といった
問題がある。また、電荷発生層と第1電極との間での短絡を防止できない。電荷発生層と第1電極と
の間で短絡発生すると、色ムラや色ずれといった画質低下の原因となる。
このように、❶電荷発生層と第1電極間の短絡防止構成/構造の表示装置、発光装置を提供するため、
❷また、抵抗体層を形成すること無く第1電極と第2電極間の短絡防止できる構成、構造を有する表
示装置、発光装置を提供のために、下図の第1の態様~第2の態様に係る表示装置/発光装置の、電
荷発生層/電極接続層は、欠陥領域において高電気抵抗状態又は絶縁状態にあり、欠陥領域以外の領
域の低電気抵抗状態にある。ところで、欠陥領域に酸素原子や窒素原子が多く存在することが判明、
これらの酸素原子や窒素原子と電荷発生層/電極接続層を構成する原子(例えば、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属)とが結合する結果、欠陥領域の電荷発生層/電極接続層が酸化、窒化され、こ
のような電荷発生層あるいは電極接続層の電気抵抗状態が生じると考えられ、抵抗層を形成なしに、
電荷発生層と第1電極の間の短絡、第2電極と第1電極の間の短絡を確実防止でき、高い信頼性、長
寿命、高輝度、高効率、高表示品質を有する表示装置や発光装置を、製造工程の大幅な増加無しに製
造できる(詳細は下図ダブクリ参照)。
【符号の説明】
10発光素子(表示素子)、10R赤色発光素子(第1発光素子)、10G緑色発光素子(第2発光
素子)、10B青色発光素子(第3発光素子)、SPR赤色表示副画素、SPG緑色表示副画素、SPB
青色表示副画素、11第1基板、12第2基板、13画像表示部、14保護膜、15封止層(封止樹
脂層)、20TFT(薄膜トランジスタ)、120MOSFET、21,121ゲート電極、22,
122ゲート絶縁層、23,123チャネル形成領域、24,124ソース/ドレイン領域、125
素子分離領域、26コンタクトホール(コンタクトプラグ)、30層間絶縁膜・積層構造体、31下
層・層間絶縁膜、32上層・層間絶縁膜、33最下層・層間絶縁膜、34第1層間絶縁膜、35第2
層間絶縁膜、36最上層・層間絶縁膜、37光反射層、38R第1光反射層、38G第2光反射層、
38B第3光反射層、40層間絶縁層、51第1電極、52,152第2電極、60絶縁層、61開
口部、61A開口部の縁部、70積層構造体、71,72,73有機層、71A,72A,73A発
光層、74,75電荷発生層、74A欠陥領域における電荷発生層の第1層が高電気抵抗状態又は絶
縁状態にある領域、74A”正常領域において低電気抵抗状態にある電荷発生層の第1層の領域、
74A,75A電荷発生層における第1のキャリアを注入する第1層、74B,75B電荷発生層に
おける第2のキャリアを注入する第2層、81,91欠陥領域、82,92正常領域、90電極接続
層、90’欠陥領域における電極接続層の部分、90”正常領域における電極接続層の部分、170
有機層、CF,CFR,CFG,CFBカラーフィルタ層、BM遮光層(ブラックマトリクス層)
【特許請求範囲】
- 発光素子が2次元マトリクス状に配列されて成る表示装置であって、 各発光素子は、
(A)基体上に形成された第1電極、
(B)第1電極上に形成された積層構造体、及び、
(C)積層構造体上に形成された第2電極、
から成り、 積層構造体は、第1電極側から、少なくとも、
(B-1)有機発光材料から成る第1発光層を含む第1有機層、
(B-2)第1のキャリアを注入する第1層及び第2のキャリアを注入する第2層が積層さ
れた電荷発生層、並びに、
(B-3)有機発光材料から成る第2発光層を含む第2有機層、
が、この順に積層されて成り、欠陥領域を含む発光素子では、電荷発生層は、欠陥領域におい
て高電気抵抗状態又は絶縁状態にあり、欠陥領域以外の領域において低電気抵抗状態にある表
示装置。 - 第1電極はアノード電極を構成し、第2電極はカソード電極を構成し、第1のキャリアは電子
であり、第2のキャリアは正孔であり、電荷発生層を構成する第1層は、アルカリ金属又はア
ルカリ土類金属を含む材料から構成されている請求項1に記載の表示装置。 - 欠陥領域における電荷発生層を構成する第1層は、CaOXNY又はCsOXNY(但し、1<X
<10,1<Y<10)を含み、欠陥領域以外の領域における電荷発生層を構成する第1層の
組成は、欠陥領域における電荷発生層を構成する第1層の組成と異なる請求項2に記載の表示
装置。 - 欠陥領域以外の領域における電荷発生層の厚さは、欠陥領域における電荷発生層の厚さよりも
厚い請求項1に記載の表示装置。 - 欠陥領域における電荷発生層の厚さは5nm以上であり、欠陥領域以外の領域における電荷発
生層の厚さは10nm以上である請求項4に記載の表示装置。 - 積層構造体と第2電極との間、又は、積層構造体と第1電極との間に、電極接続層が形成され
ており、欠陥領域を含む発光素子では、電極接続層は、欠陥領域において高電気抵抗状態又は
絶縁状態にあり、欠陥領域以外の領域において低電気抵抗状態にある請求項1に記載の表示装
置。 - (A)基体上に形成された第1電極、
(B)有機発光材料から成る発光層を含む有機層、及び、
(C)第2電極、
がこの順に積層されて成る発光素子が、2次元マトリクス状に配列されて成る表示装置であっ
て、各発光素子は、第2電極と有機層との間、又は、第1電極と有機層との間に、電極接続層
を更に有しており、欠陥領域を含む発光素子では、電極接続層は、欠陥領域において高電気抵
抗状態又は絶縁状態にあり、欠陥領域以外の領域において低電気抵抗状態にある表示装置。 - 電極接続層は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む材料から構成されている請求項7に
記載の表示装置。 - 欠陥領域における電極接続層は、CaOXNY又はCsOXNY(但し、1<X<10,1<Y<
10)を含み、欠陥領域以外の領域における電極接続層の組成は、欠陥領域における電極接続
層の組成と異なる請求項8に記載の表示装置。 - 欠陥領域以外の領域における電極接続層の厚さは、欠陥領域における電極接続層の厚さよりも
厚い請求項7に記載の表示装置。 - 欠陥領域における電極接続層の厚さは5nm以上であり、欠陥領域以外の領域における電極接
続層の厚さは10nm以上である請求項10に記載の表示装置。 - (A)基体上に形成された第1電極、
(B)第1電極上に形成された積層構造体、及び、
(C)積層構造体上に形成された第2電極、
から成る発光部を備えた発光装置であって、 積層構造体は、第1電極側から、少なくとも、
(B-1)有機発光材料から成る第1発光層を含む第1有機層、
(B-2)第1のキャリアを注入する第1層及び第2のキャリアを注入する第2層が積層さ
れた電荷発生層、並びに、
(B-3)有機発光材料から成る第2発光層を含む第2有機層、
が、この順に積層されて成り、欠陥領域において、電荷発生層は高電気抵抗状態又は絶縁状態
にあり、欠陥領域以外の領域において、電荷発生層は低電気抵抗状態にある発光装置。 - 第1電極はアノード電極を構成し、第2電極はカソード電極を構成し、第1のキャリアは電子
であり、第2のキャリアは正孔であり、電荷発生層を構成する第1層は、アルカリ金属又はア
ルカリ土類金属を含む材料から構成されている請求項12に記載の発光装置。 - 欠陥領域における電荷発生層を構成する第1層は、CaOXNY又はCsOXNY(但し、1<X
<10,1<Y<10)を含み、欠陥領域以外の領域における電荷発生層を構成する第1層の
組成は、欠陥領域における電荷発生層を構成する第1層の組成と異なる請求項13に記載の発
光装置。 - 欠陥領域以外の領域における電荷発生層の厚さは、欠陥領域における電荷発生層の厚さよりも
厚い請求項12に記載の発光装置。 - 積層構造体と第2電極との間、又は、積層構造体と第1電極との間に、電極接続層が形成され
ており、電極接続層は、欠陥領域において高電気抵抗状態又は絶縁状態にあり、欠陥領域以外
の領域において低電気抵抗状態にある請求項12に記載の発光装置。 - (A)基体上に形成された第1電極、
(B)有機発光材料から成る発光層を含む有機層、及び、
(C)第2電極、
がこの順に積層されて成る発光部を備えた発光装置であって、 発光部は、第2電極と有機層
との間、又は、第1電極と有機層との間に、電極接続層を更に有しており、欠陥領域において
電極接続層は高電気抵抗状態又は絶縁状態にあり、欠陥領域以外の領域において、電極接続層
は低電気抵抗状態にある発光装置。 - 電極接続層は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む材料から構成されている請求項17
に記載の発光装置。 - 欠陥領域における電極接続層は、CaOXNY又はCsOXNY(但し、1<X<10,1<Y<
10)を含み、欠陥領域以外の領域における電極接続層の組成は、欠陥領域における電極接続
層の組成と異なる請求項18に記載の発光装置。 - 欠陥領域以外の領域における電極接続層の厚さは、欠陥領域における電極接続層の厚さよりも
厚い請求項17に記載の発光装置
❏ 有機EL素子の新しい発光機構の提案
今月7日、京都大学の研究グループが、複数の有機材料からなる層状構造の発光層に用いる分子をよ
り長寿命で効率よく発光する有機EL素子の開発研究向け――第二世代のEL機構のリン光EL材料で必要
とされる希少金属を必要としない、第三世代のEL機構である熱活性型遅延蛍光(TADF)――の青色
発光が難しく、色純度が悪いといった問題解消できる発光機構を提案(上図参照)。この研究成果の
基礎となる理論は、分子の励起状態を失活し難くし、励起エネルギーを効率よく利用できる。有機EL
材料以外の有機太陽電池などの分子設計にも展開したいという。つまり、「有機エレクトロニクスの
開発テーマは深く広い」という言葉に集約されるほどに基礎的な研究促進を伴いながら加速させてい
くことを意味している(詳細は下図ダブクリ参照)。
【RE100倶楽部:環境配慮エネルギー事業篇 Ⅵ】
● フレキシブルエネルギータイリングは可能か ?
さて、先回では「安全なペロブスカイト太陽電池実現に道」「建造物のエネルギータイリング市場」
について掲載したが、雹や強風に煽られた飛散物(デブリ)などによりモジュールが破損故障するビ
ジネスシーンに対し、高い堅牢/耐久性を要求される場合、表面に強化ガラスなどの保護層を必要と
する商品は低いフレキシブル(可撓性)設計仕様になることは避けられない(勿論、万一被災/破損
などの事象には、各タイルモジュールに配置された自動コントローラで、警報発令/遮断/自己修理
(補助回路への自動的に切り替え)できる設計仕様となっている)。このため高い堅牢/耐久仕様以
外はフレキシブルなタイリング対応可能なものとして設計仕様を確定しておく。
● 最安値2.8円/kWh時代に対応した使い捨てフレキシブル発/蓄電フィルムの開発
ところで、先月29日、オーストラリアのプリンンテッド・エネルギー社がスクリーン印刷で製造す
るフレキシブル薄膜ソーラーパネルと同法で製造したフレキシブル薄膜蓄電フィルムを併せた発電/
蓄電フィルムの開発にあたり政府から200万ドルの助成金を受けたことが報告されていが(上写真
ダブクリ参照:Coal entrepreneur pursues printed batteries on printed solar : RenewEconomy,June 29, 2017)、
そのベンチャー企業のプリンンテッド・エネルギー社の主要メンバは、フレキシブル発光ダイオード
フィルムを製造販売するNthdegree Technologies Worldwide社出身者で構成されており取得知財を早速調査
する(下図参照)。
● US9661716B2 Full color LED module having integrated driver transistors:駆動トランジスタを集積したフル
カラーLEDモジュール
図1.実施形態による単一LEDモジュールの概略図
図2.ドライバトランジスタウェハに接合されたLEDウェハの小部分の断面図
【要約】
制御MOSFETを有するLEDモジュールが開示されており、またはLEDと直列の他のトランジスタである。
一実施形態では、MOSFETウェハがLEDウェハにボンディングされ、単一化されて、単一のLEDと同
じフットプリントを有する数千の能動3端子LEDモジュールを形成。赤色、緑色および青色LEDの異な
る順方向電圧にもかかわらず、RGBモジュールを並列に接続することができ、その制御電圧は60Hz以
上でずらして、白などの単一の知覚色を生成する。 RGBモジュールは、一般照明用またはカラーディ
スプレイ用のパネルに接続することができる。パネル内の単一の誘電体層は、すべてのRGBモジュー
ルをカプセル化して、コンパクトで安価なパネルを形成することができる。カラーディスプレイと照
明パネルの両方のための様々なアドレッシング技術が記載されている。 入力電圧の変動に対するLED
の感度を低減するための様々な回路が記載されている。
● US9548511 Diatomaceous energy storage devices:珪藻土のエネルギー貯蔵装置
【要約】
エネルギー貯蔵装置は、第1の複数のフラッスルを有するカソードを含むことができ、第1の複数の
フラッスルは、マンガンの酸化物を有するナノ構造を含むことができる。エネルギー貯蔵装置は、第
2の複数のフラッスルを含むアノードを含むことができ、第2の複数のフラッスルは、酸化亜鉛を有す
るナノ構造を含むことができる。フラズルルは、少なくとも1つの表面上に複数のナノ構造を有するこ
とができ、複数のナノ構造は、マンガン酸化物を含むことができる。フラズルルは、少なくとも1つ
の表面上に複数のナノ構造を有することができ、複数のナノ構造は酸化亜鉛を含むことができる。エ
ネルギー貯蔵装置のための電極は、複数のフラッスルを含み、複数のフラッスルの各々は、少なくと
も1つの表面上に形成された複数のナノ構造を有することができる。
ここで、プリンテッド・エネルギー社の「使い捨てエネルギー発/蓄電フィル事業」に2つの問題が
あると考える。前者はコスト重視指向がわたし(たち)「ZW倶楽部」(廃棄物ゼロ運動)派とこと
にすることであり、後者は、エネルギー供給サイドがもつ「安定電源」という基本的コアに適合する
のかどうかという点であり、それは、前述した有機ELで触れたように基礎的研究開発も重要だとい
う考えからくるものである。さらに、エネルギータイリングとフレキシブルフィルムは両立する事業
かどうかという3つめの視点、あるいは、発電と蓄電の一体化がエネルギータイリング事業に含まれ
るのかどうかという4つめの視点が問われることになり、前者も後者も「両立可」と考える。
このように今夜は大きなことを考えた。ここまでくれば後は世界に打ってでるしかないか?
この項つづく