極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギーと環境 99

2025年01月06日 | リスク・インパクト・マネージメント

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。



✳️ 実用熱電材料の熱伝導率が低い理由を解明
1月6日北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)の研究グループは,レー
ザーラマン散乱分光法を実用熱電材料(ビスマス-テルル-セレン系材料)
に適用し,4次以上の高次の非調和格子振動がほとんど存在しないことを
実証。
◾熱電変換技術には,熱電素子に直流電流を流すと素子の両端でそれぞれ
吸発熱がおこるペルチェ効果と,素子に温度差をつけると電圧が発生する
ゼーベック効果がある。特にペルチェ効果は,光通信用レーザーダイオー
ドの温度制御にも使用されている。このビスマス-テルル-セレン系の熱電
材料は低い熱伝導率が特長で,優れた熱電性能を持つ。電気の良導体にも
かかわらず,窓ガラスのような絶縁体と同等の熱伝導率(約1W/mK)を
示すが,その原因はよくわかっていなかった

研究では,レーザーラマン散乱分光法を適用した。レーザーラマン散乱分
光法は,物質中の格子振動のエネルギーを測定するだけでなく,散乱光ピ
ークのピーク幅を解析することにより,格子振動の緩和時間に関する情報
が得られ。得られた振動エネルギーから,どの振動パターンがどのよう
なエネルギーを持っているかを推測することもできる。

研究グループは温度可変ラマン散乱分光器を用いて,ビスマス-テルル-セ
レン系材料のラマン散乱スペクトルを広い温度範囲で測定し,その変化を
詳細に解析した。スペクトルは3本のピーク(一つ一つが格子振動のエネル
ギーに対応)からなっており,その半値幅を温度に対してプロットすると,
温度の上昇とともにほとんど直線的に増加している。
pr20250106-13.png
図3.実測された熱電材料Bi2Te3のラマンスペクトルの一例。特徴的な3本
のピーク(A1gおよびEgモード)が観測される。黒点が測定値、赤線はフィ
ッテイング曲線である。

pr20250106-14.png
図4.ラマンピークの半値幅の温度依存性の一例。温度の上昇とともに、ほ
とんど直線的に半値幅が広くなっていることが分かる。4次の非調和項が含
まれる場合は、この振る舞いが下凸の曲線となる。

この温度変化を解析すると,「格子振動には非調和成分が存在するが,そ
れは3次までの振動であり,4次以上の非調和振動は存在しない」ことが明
らかになった。4次の非調和振動は近似的には大きな振幅をもった格子振
動に対応するため,この結果は,「大振動振幅が熱の流れを阻害すること
は,ビスマス-テルル-セレン系材料の低熱伝導率の原因ではない」ことを
示し,むしろ構成元素が重元素であることが主な理由であることを明確に
表しているという。これらの情報は,実用熱電材料の熱伝導率が低い理由
だけでなく,低い熱伝導率をもつ材料の開発に指針を与えるもの。
さらに、レーザーラマン散乱分光法が物質の熱の伝わり方を解析する有効
な手法として提示されたため,研究グループは今後,他の材料の熱測定へ
の応用も期待されるとしている。
【掲載論文】
掲載誌:Physical Review B 110, 174310(2024)
論文名:Investigation of phonon anharmonicity in Se-doped Bi2Te3 
    via temperature-dependent Raman spectroscopy
掲載日:2024年11月25日
D O I  :10.1103/PhysRevB.110.174310

ビャルケ・インゲルス / BIGが手がけるトヨタの実証都市「Woven City」が裾野市にて着工 |流行・トレンド・海外事例|TECTURE  MAG(テクチャーマガジン) | 空間デザイン・建築メディア

✳️ 「トヨタ ウーブンシティ」Phase1開始
1月7日、米国ネバダ州ラスベガスにおいて開催されている世界最大のテ
ックイベント「CES2025」のプレスカンファレンスでトヨタ自動車 豊田章
男氏が、静岡県裾野市に建設中のモビリティのテストコース「Toyota Wo‐
ven City(ウーブンシティ)」を2025年秋以降にオフィシャルローンチす
ることを発表。2024年のパリ「Viva Technology」で、ウーブン・バイ・
トヨタとして一部情報を公開。2025年のCES2025において、Phase1と呼
ばれる第1段階の概要が明らかに。ウーブンシティでは住人やビジター
をWeavers(ウィーバーズ)と呼び、「モビリティの拡張」への熱意と、
より豊かな社会を目指し未来をよりよくしていきたいという強い思いを持
ち、ウーブンシティで行なわれるインベンターズの実証へのフィードバッ
クを通じて、ウーブンシティにおける価値を共創する人と位置付けている。

ウーブンシティ Phase1基本情報 住所:静岡県裾野市御宿1117(TMEJ東富
士工場跡地) 敷地面積:約5万m2(将来は約70万8000m2) 主なタイム
ライン: 2020年年1月7日 CES2020にてコンセプト発表 2021年2月23日
Phase1地鎮祭。同年3月より造成工事を開始 2022年10月10日 Phase1安全
祈願祭。同年11月より建築工事を開始 2024年10月31日 Phase1竣工2025
年秋以降 Phase1オフィシャルローンチ 住民: 2025年秋以降トヨタやトヨ
タ関係者を中心に住み始め、Phase1では最終的に約360名が居住予定(将
来的にはエリアで2000人に拡大予定)。



「NHKニュースおはよう日本」(平日前5・0)でキャスターを務める首藤
奈知子アナウンサー(45)と情報番組「あさイチ」(月~金曜前8・15)
でMCを担当する鈴木奈穂子アナ(42)が新年の抱負を語る音声を公開。
首藤アナが「去年やっていたピラティスをやめてしまいまして。どうしよ
うかって。筋肉つけたくない?」と尋ねると、鈴木アナは「いろいろなん
か下に落ちていって…。体力つけたいです」と苦笑ていたとか。紅白は驚
きました。“菜穂子七変化”。

                   在油画中感受历史的温度——改革开放40年油画创作谈 _光明日报 _光明网
【季語と短歌:1月7日】

        粥柱残し数の子具合好し 

                  高山 宇 (赤鬼)

「冬籠りまた寄りそわんこの柱」とは芭蕉の句なり。「断薺画粥」(だん
せいがくしゅく)に想い廻らす。「萩の花、尾花、葛花、撫子の花、女郎
花、また藤袴、朝顔の花」。豊かなる現在から、少なからずを楽しめてこ
そ豊かなりと頂くもありや。オイルショックを体験した(反インフレ闘争
をに参画した)者としては”便乗値上げ”の気配も感じなくはないが、ロシ
アーウクライナ戦争を、イスラエルーパレスチナ紛争を、即時停止させる
ことが最優先。”世界安定と平和の奪還と国連の平和維持力”を祈るのみ。


予備バッテリーはシート下トランクに!バッテリーをセット!キーを回してスイッチ入れたら・・・ボタンを押してスタンバイ!通勤・通学やちょっとしたお買い物には十分!



✳️ ガソリン不要”で快適移動! ヤマハ「超軽量スクーター」
“ガソリン不要”で快適移動! ヤマハ「超軽量スクーター」に注目! “エコ”
でスマートな「街乗り」の新定番! 高コスパな「e-Vino」とは。
ヤマハ「E-Vino(以下Eビーノ)」が2024年12月18日に開催された日本二
輪車文化協会主催の第7回「日本バイクオブザイヤー2024」電動部門で最
優秀金賞を獲得している。

コンポーネントパーツをブラックアウトし、全体のコントラストを高めて
いる。
コンパクトで丸みを帯びたフォルムは親しみやすく、大きなヘッド
ライトが街中でも目を引くデザインになっている。
シート高は715mmと低
く、足つきがよく、小柄な方も安心して乗ることができる。ま
た、車体重
量が68kgと軽量で、狭い路地や、駐車スペースでも取り回しが簡単。
足回
りは、10インチの小径タイヤと安定したサスペンションにより快適な乗り
心地を実現している。
パワーユニットは、3相ブラシレスモーターが採用
され、最大トルクを低速から発揮できるため、EVならではのスムーズな加
速が可能です。また、排気音がなく静かな走りを実現。
原付1種の速度制限
が30km/hなので、街乗りとEV特有の加速性能は相性がよく、スマートな
乗り心地を実現。

電力供給は、取り外し可能な50Vリチウムイオンバッテリーが採用されて
おり、1回の充電で約32kmの走行が可能です(使用条件により異なる)。
バッテリー充電時間は、家庭用100V電源を使用し約3時間で充電が完了。
充電1回あたりの電気代は、約15円と経済的。
機能面では、見やすいデジ
タル液晶メーターを備え、速度・バッテリー残量・走行モードなどを表示。
さらに、加速したいときや登り坂で30秒間出力特性を変化させ、パワーア
ップする「ブースト機能」が搭載されている。

✳️ 医食同根堂レシピ集 ②

食物繊維が多く含まれている食品というと、セロリやゴボウを思い浮かべ
ることが多いかもしれません。しかし同じグラム数であれば、海苔やきな
このほうが多く含まれている。(この項つづく)

✳️  ペロブスカイト太陽電池の耐久性と性能安定性を高める
ペロブスカイト太陽電池は、建物と設備の垂直面や曲面などに取り付けら
れる利点がある一方で、製造に当たりペロブスカイト結晶を成長させるこ
とが難しい点や寿命が短い点といった課題がある。そこで、これらの課題
の解消で役立つ可能性がある高機能材料を開発したキヤノンに話を聞いた。

2024年10月11日;MONOist より)

左側の図はペロブスカイト太陽電池、右側の図は新開発の高機能材料を積層したペロブスカイト太陽電池の構造
左:ペロブスカイト太陽電池
右:新開発の高機能材料を積層したペロブスカイト太陽電池の構造

脱炭素社会の実現に向けた有効な手段の一つとして、太陽電池の利用拡大
が進んでいる。次世代の太陽電池として注目されているのが、ペロブスカ
イト太陽電池。軽量で曲げられるほか、室内光でも発電でき、シリコン型
と比較して設置の自由度が高くなります。さらに、大掛かりな製造装置を
必要としない。設備投資コストの抑制も期待できる。しかし、ペロブスカ
イト層(光電変換層)中の結晶構造は、大気中の水分、熱、酸素などの影
響を受けやすく、耐久性が低いことが知られ、大面積のペロブスカイト太
陽電池は量産安定性が低いという課題がある。課題を解決するには、光電
変換層を被覆する膜の必要。複合機やレーザープリンターの基幹部品であ
る感光体の開発を通して培ってきた材料技術を応用し、光電変換層を被覆
する高機能材料を開発。

本材料は、従来の材料で難しかった、高い光電変換効率を維持しながら、
光電変換層を厚く被覆できる。従来の被覆層は数十nm程度であるのに対し、
本材料は100-200nmで被覆が可能。キヤノンはペロブスカイト太陽電池の
発明者である桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授らとの共同研究を通じて性能
評価を行った結果、本材料がペロブスカイト太陽電池の耐久性向上に寄与
する可能性が実証され、量産安定性の向上も期待できることが確認された。
これらの課題解決により、ペロブスカイト太陽電池の普及に貢献すること
が期待されている。本材料について、宮坂特任教授は「ペロブスカイト
太陽電池の層構造の中に、この新規の高機能材料による層を追加すること
で、ペロブスカイト太陽電池の量産化に向けた課題の解決が期待できる」
と言う。キヤノンはペロブスカイト太陽電池の量産に取り組む企業との協
業を目指し、2024年6月に本材料のサンプル出荷を開始しており、さらな
る技術開発を進め、2025年の量産開始を目指。
【掲載論文】
タイトル:Phthalocyanine-Based Polycrystalline Interlayer Simultaneo-
usly Realizing Charge Collection and Ion Defect Passivation for Perovs-
kite Solar Cells.
論文URL:
https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2024/ta/d4ta02491e
【解説】キヤノンが開発した高機能材料を光電変換層に被覆することで、
結晶構造中の材料の分離を抑制し、ペロブスカイト太陽電池の耐久性向上
に貢献。また、新開発の材料は半導体特性を有するために高い光電変換効
率を維持しながら厚く被覆することが可能で、量産安定性向上にも期待。
新開発の高機能材料について。

新開発の高機能材料を積層したペロブスカイト太陽電池の断面図(イメージ)

新開発の高機能材料を積層したペロブスカイト太陽電池の断面図(想像図)

左側の図は新開発の高機能材料を積層したペロブスカイト太陽電池の断面図の電子顕微鏡写真
左:新開発の高機能材料を積層したペロブスカイト太陽電池の断面図の顕
  微鏡写真 *HTL、電極は未積層
右:新開発の高機能材料
経年劣化したペロブスカイト太陽電池の断面図(イメージ)
【関連特許一覧】
 ✅2024078510 ペロブスカイト結晶構造を有する光応答性ナノ粒子の
製造方法  キャノン株式会社
【概要】
解決すべき課題:高生産濃度で流動合成が可能なペロブスカイト結晶構造を
有する光応答性ナノ粒子の製造方法を提供すること。
【解決手段】応答性ナノ粒子の製造方法は、ハロゲン化鉛を含む第1の原料
溶液とセシウム脂肪酸を含む第2の原料溶液を輸送経路を介して加熱ミキサ
ーに連続的に輸送する第1のステップと、第1の原料溶液と第2の原料溶液
とを混合する第2のステップとを含む。選択した図面:図1



図3.

✅ 特開2024-119749 ペロブスカイト太陽電池およびその製造方法 国
  立研究開発法人物質・材料研究機構
【要約】下図1のごとく 太陽光を透過する1枚の透明基板を有し、透明基
板の第1主表面側に第1と第2の端子電極を有する第1のペロブスカイト
太陽電池
セルが形成されており、透明基板の第2主表面側に第3と第4の
端子電極を有する第2のペロブスカイト太陽電池セルが形成されており、
第1および第3の端子電極は透明基板に接しているペロブスカイト太陽電
とする。  低コストで光電変換効率および出力が高くかつコンパクトな
タンデム構造型のペロブスカイト太陽電池を提供すること。
【選択図】図1

【図1】本発明の4端子タンデム型ペロブスカイト太陽電池101aの構
造を示す模式図

【符号の説明】【0102】
2  第1の端子電極  (透明電極)3  第1のペロブスカイト層 4  第2の
端子電極 4a  透明電極 4b  電極 5  第3の端子電極  (透明電極) 
6  第2のペロブスカイト層 7  第4の端子電極  (裏面電極)11  透明
基体  (白板ガラス) 12a  第1の透明電極層  (ITO膜) 12b  
第2の透明電極層  (ITO膜) 13  第1のホール輸送層  (NiO膜)
14  表面補償帯  (SCL、MeO-2PACz層) 15  第1のペロブ
スカイト層、広バンドギャップペロブスカイト層(FA0.84Cs0.12
Rb0.04PbI2.3Br0.68) 16  第1の電子輸送層  (PCB
M膜) 17  第1のホールブロッキング層  (AZO膜) 18  透明電
極、導電性酸化膜  (ITO膜) 19  グリッド電極  (Ag) 20  保
護フィルム  (カプトンテープ) 21  第2のホール輸送層  (PEDOT
:PSS)22  第2のペロブスカイト層、狭バンドギャップペロブスカイ
ト層  (FA0.6MA0.26Cs0.1Pb0.5Sn0.5) 23
  第2の電子輸送層  (C60)24  第2のホールブロッキング層  (BC
P) 25  裏面電極  (Ag) 31  透明基板 32  第1のペロブスカ
イト太陽電池
セル 33  第2のペロブスカイト太陽電池セル 42  第3
ペロブスカイト太陽電池セル 43  第4のペロブスカイト太陽電池セル
51  ガラス基板 52  第3のITO膜 53  第3のホール輸送層  (Ni
膜) 54  表面補償帯  (MeO-2PACz層) 55  第3のペロ
ブスカイト層、広バンドギャップペロブスカイト層 56  第3の電子輸送
層  (C60MC12) 57  第3のホールブロッキング層  (AZO膜)
58  第4のITO膜 59  第4のホール輸送層  (PEDOT:PSS)
60  第4のペロブスカイト層、狭バンドギャップペロブスカイト層  (
FA0.8MA0.1Cs0.05Pb0.5Sn0.5I) 61  第4の電
子輸送層  (C60) 62  第4のホールブロッキング層  (BCP)
63  裏面電極  (銀) 101  4端子タンデム型ペロブスカイト太陽電
  (ペロブスカイト太陽電池) 101a  4端子タンデム型ペロブスカ
イト太陽電池
  (ペロブスカイト太陽電池) 103  2端子タンデム型
ロブスカイト太陽電池
  (ペロブスカイト太陽電池) 

【発明の効果】【0011】 
本発明により、低コストで光電変換効率および出力が高くかつコンパクト
なタンデム構造型のペロブスカイト太陽電池およびその製造方法が提供さ
れる。
【0084】2.光電変換特性評価
  上記作製方法によって作製したペロブスカイト太陽電池101のJ-V特
性を、AM1.5Gスペクトルフィルターを使用して1-SUN規格の条件
で測定した。
  ここで、光は広バンドギャップペロブスカイト層15が配置されている第
1のペロブスカイト太陽電池セル32側からペロブスカイト太陽電池101
に照射した。したがって、第2のペロブスカイト太陽電池セル33は、実使
用時と同じように、第1のペロブスカイト太陽電池セル32および透明基板
31を通ってきた光での光電変換評価である。その結果を表1に示す。表
1および表2には、第1のペロブスカイト太陽電池セル32と第2のペロ
ブスカイト太陽電池
セル33の各々に対して下記項目の評価結果、および
第1と第2のペロブスカイト太陽電池セルが4端子タンデム配置されてい
ペロブスカイト太陽電池101としての変換効率(Total  η)の評
価結果が示されている。その項目は、短絡電流(Jsc)、開放電圧(V
)、曲線因子(FF)、直列抵抗(R)、並列抵抗(Rsh)および変
換効率(η)である。なお、表1と表2の差は、試料の作製時期であり、表
2の方が作製時期が遅い。作製プロセス自体は変えていないが、表2の時期
の方がプロセス安定性が増し、作製途中の放置時間も少なくなっている。
【0085】  なお、製造ばらつきを評価するために、表1では、#1から
#3の同一仕様の3枚の基板を用い、同一プロセス条件で試料を作製した。
各基板には4つのチップが搭載されているので、計12チップを評価した。
表2では、#4から#6の同一仕様の3枚の基板を用い、同一プロセス条
件で試料を作製した。各基板には4つのチップが搭載されているので、計
12チップを評価した。
  また、参考までに、#2基板を用いた第1チップにおけるJ-V特性曲
線と光電変換効率ηの時間変化について測定した結果を、入射光側(Top
側)の第1ペロブスカイト太陽電池セル32の場合図11、奥側(Bot
tom側)の第2ペロブスカイト太陽電池セル33の場合図12に示す。
  ここで、両図の(a)はJ-V特性曲線、(b)は光電変換効率ηの時間
変化を示している。図(a)中のCyc1は1回目(0秒経過)、Cyc5は
5回目(80秒経過)のI-Vカーブ測定結果を表す。図(b)中のGo
は印加電圧増加方向へのI-Vスキャン、Retは印加電圧減少方向への
I-Vスキャン、そしてAveはGoとRetの平均値を示している。
【0086】 その結果、ペロブスカイト太陽電池101として、15.2
~18.4%、平均17.1%という高い変換効率ηが得られた。
  このような高い光電変換効率ηが得られたのは、光が広バンドギャップペ
ロブスカイト層15側から狭バンドギャップペロブスカイト層22側へと
入り、その光吸収の関係からフォトンの収率が高いことと、広バンドギャ
ップペロブスカイト層15側を最初に作り、その後、耐熱的な安定性が広
バンドギャップペロブスカイト層15より劣る狭バンドギャップペロブス
カイト層22を作製したことによる。なお、参考までに、実施例1の熱処
理条件一覧を表3に示す。
表1
000005
表2
000006
表3.
000007

【特許請求の範囲】
【請求項1】
  太陽光を透過する1枚の透明基板を有し、
  前記透明基板の第1主表面側に第1と第2の端子電極を有する第1の
ロブスカイト太陽電池
セルが形成されており、
  前記透明基板の第2主表面側に第3と第4の端子電極を有する第2のペロ
ブスカイト太陽電池
セルが形成されており、
  前記第1および第3の端子電極は前記透明基板に接している、ペロブス
カイト太陽電池

【請求項2】
  前記透明基板は、第1の主表面上に第1の透明電極層、および第2の主
表面上に第2の透明電極層が形成されており、
  前記第1の透明電極層は前記第1の端子電極と電気的に接触しており、
  前記第2の透明電極層は前記第3の端子電極と電気的に接触しており、
  前記第1および第2のペロブスカイト太陽電池セルは共に、電子輸送層、
ペロブスカイト層およびホール輸送層を有し、
  前記ペロブスカイト層は前記電子輸送層および前記ホール輸送層に接して
いる、請求項1記載のペロブスカイト太陽電池
【請求項3】
  前記第1のペロブスカイト太陽電池セルは、前記第1の端子電極に電気
的に接続する第1の透明電極層、第1のホール輸送層、第1のペロブスカイ
ト層、第1の電子輸送層、第1のホールブロッキング層および前記第2の
端子電極に電気的に接続する第1の電極層を有し、
  前記第2のペロブスカイト太陽電池セルは、前記第3の端子電極に電気的
に接続する第2の透明電極層、第2のホール輸送層、第2のペロブスカイ
ト層、第2の電子輸送層、第2のホールブロッキング層および前記第4の
端子電極に電気的に接続する第2の電極層を有する、請求項1または2に
記載のペロブスカイト太陽電池
【請求項4】
  前記第1のホール輸送層と前記第1のペロブスカイト層の間に表面補償帯
が形成されている、請求項3記載のペロブスカイト太陽電池
【請求項5】
  前記表面補償帯は、[2-(3,6-ジメトキシ-9H-カルバゾール-
9-イル)エチル]ホスホン酸からなる、請求項4記載のペロブスカイト
太陽電池

【請求項6】
  前記第1の電子輸送層側の前記第1のペロブスカイト層の表面、および前
記第2の電子輸送層側の前記第2のペロブスカイト層の表面は、共にピペ
ラジン二ヨウ化水素酸塩で修飾されている、請求項3から5の何れか1項
記載のペロブスカイト太陽電池
【請求項7】
  前記第1のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャッ
プは、前記第2のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンド
ギャップと異なる、請求項1から6の何れか1項記載のペロブスカイト太
陽電池

【請求項8】
  前記第1のペロブスカイト太陽電池セル側が太陽光入射側であり、
  前記第1のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャッ
プは、前記第2のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンド
ギャップより広い、請求項1から7の何れか1項記載のペロブスカイト太
陽電池

【請求項9】
  前記第1のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャッ
プは、1.5eV以上3.0eV以下である、請求項8記載のペロブスカ
イト太陽電池

【請求項10】
  前記第2のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャ
ップは、1.2eV以上3.0eV以下である、請求項8または9に記載
ペロブスカイト太陽電池
【請求項11】
  前記第1および第2の端子電極に電気的に接続する第1のDC-DCコン
バータ回路と、
  前記第3および第4の端子電極に電気的に接続する第2のDC-DCコン
バータ回路を有する、請求項1から10の何れか1項記載のペロブスカイ
ト太陽電池

【請求項12】
  前記第1および第2のDC-DCコンバータ回路は、前記第1のDC-D
Cコンバータ回路の出力電流が前記第2のDC-DCコンバータ回路の出
力電流と等しくなるように出力調整がなされた回路であり、
  前記第1のDC-DCコンバータ回路の出力端子は前記第2のDC-DC
コンバータ回路の出力端子と電気的に直列に接合された、請求項11記載
ペロブスカイト太陽電池
【請求項13】
  前記第1および第2のDC-DCコンバータ回路は、前記第1のDC-D
Cコンバータ回路の出力電圧が前記第2のDC-DCコンバータ回路の出
力電圧と等しくなるように出力調整がなされた回路であり、
  前記第1のDC-DCコンバータ回路の出力端子は前記第2のDC-DC
コンバータ回路の出力端子と電気的に並列に接合された、請求項11記載
ペロブスカイト太陽電池
【請求項14】
  第1主表面および第2主表面に透明電極が形成された1枚の太陽光を透過
する透明基板を準備することと、
  第2の透明電極である前記第2主表面上に形成されている前記透明電極を
機械的接触および汚染から保護することと、
  第1の透明電極である前記第1主表面上に形成されている前記透明電極
の上に第1のペロブスカイト太陽電池セルを形成することと、
  前記第1のペロブスカイト太陽電池セルを形成後に、前記第2の透明電
極の上に第2のペロブスカイト太陽電池セルを形成することからなり、
  前記第1のペロブスカイト太陽電池セルの形成は、第1のホール輸送層
、表面補償帯層および第1のペロブスカイト層を順次形成することと、前
記第1のペロブスカイト層の表面をピペラジン二ヨウ化水素酸塩で第1の
表面処理することと、前記第1の表面処理後、第1の電子輸送層、第1の
ホールブロッキング層、第1の透明電極層およびグリッド電極を順次形成
することからなり、
  前記第2のペロブスカイト太陽電池セルの形成は、第2のホール輸送層お
よび第2のペロブスカイト層を順次形成することと、前記第2のペロブス
カイト層の表面をエチレンジアミンで第2の表面処理することと、前記第
2の表面処理後、第2の電子輸送層、第2のホールブロッキング層および
電極を順次形成することからなり、
  前記第1のペロブスカイト層は、前記第2のペロブスカイト層の材料より
バンドギャップの広い材料である、ペロブスカイト太陽電池の製造方法。
【請求項15】
  前記第2の透明電極を機械的接触および汚染から保護する方法は、前記
第2の透明電極を保護膜で覆う方法であり、前記保護膜は前記第2のホー
ル輸送層形成前に除去する、請求項14記載のペロブスカイト太陽電池
製造方法。
【請求項16】
  前記表面補償帯層は、[2-(3,6-ジメトキシ-9H-カルバゾール
-9-イル)エチル]ホスホン酸からなる、請求項14または15に記載
ペロブスカイト太陽電池の製造方法。
【請求項17】
  前記第1のホール輸送層は、スパッタリング法によって形成されるNiO
膜である、請求項14から16の何れか1項記載のペロブスカイト太陽電
の製造方法。
【請求項18】
  前記表面補償帯層の形成、前記第1の表面処理、前記第1の電子輸送層
の形成、前記第1のホールブロッキング層の形成、前記第2のホール輸送
層の形成、および前記第2の表面処理の各工程において熱処理を行う、請
求項14から17の何れか1項記載のペロブスカイト太陽電池の製造方法。
【請求項19】
  前記熱処理は、65℃以上120℃以下で行われる、請求項18記載の
ペロブスカイト太陽電池の製造方法。
🪄大量のデータの一部のみ掲載。眼精疲労がいやまし状態がつづく。ここ
 で私の視点は、意匠性と多様性にある。裏を返せば、生活の隅々に存在
 する発電デバイスの完成にある。(実に面白い発明ツールであると驚嘆
 している。
                           この項つづく
 今日の言葉:
                    春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                          春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                             (因果報応の季節風)より

                                                                                                 

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