極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

オブリビオン・ベイビー

2013年10月20日 | 環境学・環境思想

 

 

 

本当に、ニュースに事欠かない。今朝も普段見ない深部のトップ(朝日新聞)に
「外見や能力を選別 米で特許」という見出しが飛び込む。いわゆる“デザイナ
ーベビー”に関するもの。「青い目で足が遠く、乳がんになるリスクが低い子ど
もが欲しい-。親が望む特徴をもつ赤ちゃんを作る“デザイナーベビー”が考案
され、米国で特許が認められた。自分と、精子や卵子の提供候補者ごとに遺伝情
報を解析して、望み通りの子どもが生まれる確度を知るシステムだ。科学者から
も『倫理的に大きな問題』と批判が出ている。」とある。受精卵の段階で遺伝子
Sを操作するなどして、外見や知力、体力など、親の希望をかなえた形で生まれ
る赤ちゃん。映画や本に登場し一般にも知られるようになった。卵子と精子を体
外で受精させる体外受精が1978年に可能になったことで現実妹を帯びた。日本で
も特定の病気を持っていないか、受精卵の遺伝子を調べる着床前診断はすでに行
われている。さらに遺伝子解析が進めば、服をデザインするように「赤ちゃんの
デザイン」も可能になると考えられている。ただ、生命を商品のように扱う考え
方には、倫理的な批判が強い技術であるが、改めて、米国社会とは" 統合失調症
な国”との思いをもっに至った。日本でも、デジタル革命渦論の影響を受けた
“ミレニアムベイビー”が成長し新しい社会問題が多発し、教育・医療など見直
しが迫られる、いわゆる、科学技術進歩と倫理の矛盾の“2015年問題”が顕在化
すると考えている。例えば、中国における一人っ子政策による“小皇帝問題”と
比較すればわかりやすいかもしれないが、それを遙かに上回るスケールの問題を
このデザイナーベイビーを孕むものだ。



報道によると、特許化されたのは、米国の個人向け遺伝子解析会社の大手「23ア
ンドミー」(本社・米国カリフォルニア)の手法で、米特許商標庁が9月24日付
で認めた。同社はIT大手グーグルの共同設立者らが出資。2007年から、唾液に
含まれるDNAの遺伝子配列のわずかな違い(SNP)を分析して、アルツハイ
マー病や糖尿病など約120の病気のリスクのほか、目の色や筋肉のタイプなど
計250項目を判定する事業を展開している。価格は99ドル(約1万円)で、利
用者は50カ国以上、日本人を含め40万人を超えている。今回、特許が認められた
のは、これまでに得られた病気のリスクなど独自のデータや情報を利用する手法
だ。具体的には、不妊クリニックや商業的バンクに保存されている精子や卵子の
提供者と、利用者の遺伝情報をかけ合わせて解析するとか。利用者は「大腸がん
リスクが低い」 「青い目」など、望む子どもの特徴を示せば、提供者ごとに、
子どもにそれぞれの特徴がどの程度表れるのか確率がはじき出される。利用者の
希望を満たす度合いに基づき採点、点数の高い提供者を知ることができる。希望
できる特徴には、身長や性格、寿命、酒の強さ、運動能力、病気の発症リスクな
どがある。ただ、同社は、朝日新聞の取材に、現時点で特許のコンセプトを実用
化する意図も計画もないとしているという。今の遺伝子解析研究の状況では、子
どもに出る特徴の確率の信頼度、精度は項目により、大きなばらつきがある。ま
だ、想定通りの結果は出ないが、近い将来、遺伝子解析が進み、精度が高まれば、
デザイナーベビーは現実になる、とみる科学者は少なくなく、今回の特許につい
て、英科学結ネイチヤーの関連結は「子どもの特徴を『買い物リスト』に入れる
ことは、倫理的に大きな問題をはらむ」などの2ページの批判投稿を掲載してい
る。そして、「歯止めなき拡大危険」とし、北里大の高田史男教授(臨床遺伝学)
の話を掲載。身長や知能など親の「パーフェクトベビー願望」をかなえる検査が、
ビジネスの世界で歯止めなく広がるのは危険だ。生活習慣病やがんなどのリスク
は確定的なものではなく、多数の遺伝と環境因子が関わるという理解が必要だ。
日本も国として、こうしたビジネスが野放しに広がらないような枠組み作りが必
要だろう。とのコメントを紹介している。

奇しくも、この見出しを見た前日に、珍しく、ビデオレンタル三本(オブリビオ
ン、レ・ミゼラブルレ、水滸伝)を観賞していたのが、これと関係する映画「オ
ブリビオン」というわけなのだが、ここで、“
Oblivion(オブリビオン、オブリヴィ
オン)とは、忘却、無意識、人事不省、大赦の意となる。映画概要は上の図をクリックし
り理解してもらうこととして、超要約すれば次のようなことになる。

西暦2017年、人類は突如地球を襲ってきた謎の異星人”スカヴ”と激しい戦闘を
繰り広げた末、どうにか撃退に成功する。しかし、その結果地球は放射能に汚染
されて壊滅状態となり、人間が住めなくなってしまった。そこで人類は新天地を
求め、土星の衛星タイタンへの移住を決断。それから60年後の2077年、衛星軌道
上には巨大な宇宙ステーション”テット”が浮かび、地球では各所の大型プラン
トが資源確保のために海水を吸い上げている。しかし、生き残ったスカブがプラ
ントを狙って攻撃してくるため、無人ロボット”ドローン”を飛ばして上空から
警戒していた。ジャックは、ドローンを修理するためにテットから派遣されたメ
ンテナンス要員で、パートナーのヴィクトリアと共に地球の監視を続けている、
という。宇宙船オデッセイのパイロットを務めるジャック・ハーパーの記憶は、
この物語が始まった時点が、ジャック・ハーパーが地球に派遣されて5年が経過
して、それ以前の記憶がなく、このため、テットから与えられた偽りの情報を信
じ、異星人の襲撃から施設を守るために日々のパトロールに向かわされていたと
信じ込まされたトリックで実際は次のように全く逆だったというストーリー。




西暦2017年、宇宙船オデッセイのパイロットを務めるジャックとヴィクトリア
(ヴィカ)は、タイタンへ調査に向かう途中、突如現れたテットに捕獲されてし
まった(他のクルーはジャックの判断でコールドスリープ状態のまま脱出)。そ
の後、テットはジャックのクローンを大量に作って地球へ送り込み、人類を殲滅
させる(月も破壊)。壊滅状態となった地球にプラントを設置し海水を略奪。更
に、生き残った地球人の反撃からプラントを保護するためにドローンを投入し、
監視係としてジャックとヴィカのクローンを各地に配備したということから映画
がはじまるというわけで、”異星人に勝った”と思っていた地球人側は、ボロ負
けで、タイタンへ移住するどころか大多数が全滅し生き残った人類はがレジスタ
ンスとなり、テットに見つからないように生活しているという有様。”スカヴ”
などという異星人も初めから存在せず、ジャックが戦っていた相手は地球人だっ

たというわけで、しかも、自分がクローン人間で、テットの手下として人類を滅
ぼした張本人だったという衝撃の真実を告げられ愕然とするという展開。結末は
ハッピーエンドという設定展開にはなっているが、 これが、核爆弾のスイッチ
を押
してテットを爆破し自爆したはずのジャック(死んだのはジャックの52番目
のクローン)で、他のクローンとジュリアの親子三人幸せに暮しているところで
結末となるが、これを了解するには、制作者は自己満足すれば良いだろうが、レ
ンタルした客はなにがしかのお金を払っているわけで、デジタル・グラフィック
スといい、特殊技術といい目を見張らせてくれ申し分ないのだが、曖昧模糊とし
た統合失調感が残りシックリしないのはもう一つ。

トップ・ガンのクローン兵士 ジャック・ハーパー。例えば、これをデザイナー
ベイビーの最大公約特性として考えてみてはどうだろうか? これが男性の理想
像すれば、ジュリアは情勢の理想像として構成される仮想社会ならばと。なんと
もすっきりとした、虚無的で、無機的な社会が想定される。そんな社会はたぶん
つまらないように思えてならない。23アンドミ社が生み出す価値観が支配する
世界とはどんなものだろうか?危険な世界?いや、危険であることも察知できな
い危険な世界だろうか?多角的な議論が必要とされる。と言ってみても。生物分
子学的には後、4
万年もすれば人類種は終わる。また、太陽・地球物理学的には、
後、33億年もすれば地球がなくなるではないか。ところで、個人史的には、明
日、死亡しても可笑しくないのだから議論までもないのかもしれないと考えてし
まうのだが・・・。^^;

 

これは、一昨日の雨飾山の復路の話。北陸自動車道の越中境PAで休憩をとり、黒
ラーメン(富山)が有名であることに気付き早速注文して食べてみたが、メンマ
と焼豚が多めに入り、面は中太麺で醤油の黒さが売りのようで味は特にといって
特徴はない。そこで土産にと1つは富山の「鱒寿司」(「ますの寿司」と銘銘さ
れているが?)と2つめに青森の倉の里の「黒ニンニク」を富山と何の関係もな

いが、黒という繋がりで買って帰ることに。これが特有の臭みもなく、蜂蜜のよ
うな甘さがありことのほか美味い(美味いからといって1日量は2片までと注意
事項、食べ過ぎても問題がないが効果は頭打ちという)。開発者の佐々木甚一弘
前大学医学部教授の解説では、三重県が黒ニンニクの発祥の地だとか、そこでそ
の背景情報を調べてみた。どうも無臭ニンニクに照準を合わしていくうちに、60
℃前後で発酵熟成したことがその発端のようで、白いにんにくを高温、高湿とい
う一定の環境に3~4週間置くことで、熟成発酵して黒くなる。この変化は、チョ
コレートなどと同じメイラード反応だと考えられている。「黒にんにく」は、製
造過程で、科学的な食品添加物を一切使っていない。黒にんにくの発祥は三重県
と言われている。青森県においても2005年までは三重県で発酵熟成させたものだ
けが売られていたが、青森県は全国屈指の高品質にんにくの生産地。2006年より
関係各所にて研究開発が進められ、青森県産で黒にんにくが誕生。佐々木博士の
チームが、10匹のマウスの皮膚にそれぞれ600万個のガン細胞を移植し、人工的に
ガンを発症させ、この10匹のマウスを5匹づつ2つのグループにわけ、一方のグル
ープにはなにもせず、もう一方のグループに「黒にんにく」のエキス3mgを2日
おきに3度投与した結果、5匹のマウスで2匹についてガン細胞が消失。残りの3
匹もガン細胞が4割近くまで減少。なんの処置もしないマウスは、ガン細胞が2
倍近くまで増殖。確認実験をもう一度おこなったところ、今度は5匹中3匹につ
いてガン細胞が消失。残りマウスについても、ガン細胞がほぼ半減していた。さ
らに生のにんにくで同様の実験をおこなったが、ガン細胞が消失したマウスはい
ないかったという(※マウスのガンの消失が認められただけで、ヒトのガンに対
する効果は検証されいない)。


佐々木教授はもともと「生理活性を有するグリコーゲンの製法及び生理活性」や
「免疫賦活剤」の研究から、地域産業振興にかかわる開発を行ったのがその経緯
だと
推測される。現在は、各地で熟成発酵製造方法の研究開発されているが、特
に発酵時間の短縮やコスト削減(省エネ)、コストレスプロセス
の開発競争にシ
フトしているように推察される。超臨界プロセスでニンニクの薬効成分を
抽出技
術が興味を惹き、もう少し深耕する必要を感じる。そんなことを考えながら、D
VD
鑑賞しながら時間を過ごすが、話題は今日もてんこ盛りだ。

 

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