極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

資源争奪と世界動乱

2012年08月15日 | 環境学・環境思想

 

 Aug 8, 2012 17:11 Moscow Time

【温暖化で注目、北極海航路】

2011arcticoddities

北極海を自国の戦略的資源基地と位置づけるロシアが世界最大の原子力砕氷船の建造に入るという。
地球温暖化の影響で北極海航路は欧州とアジアの物流を短縮する新ルートとして期待され、同海域
で天然資源の開発計画が進行。最新鋭の砕氷船団を整備し、北極圏の利権争いを有利に進めたい狙
いがある。全長173メートル、幅 34メートルの新型原子力砕氷船。新船は6万キロワットを出力す
る次世代型原子炉を保有し、従来型では3メートルの厚さの氷を砕く能力があり2017年までに就役。
ロシアは世界で唯一、原子力砕氷船を保有する国。北極海航路は、スエズ運河経由に比べ、欧州か
ら北東アジアまでの距離を3分の1ほど短縮でき、近年、海氷の減少で物流量が急増。加えて北極
海域には世界で未発見の石油の13%、天然ガスは30%の資源がある推測されている。プーチン大統
領は「北極海航路を世界的に重要な輸送路に転換させる」と発言、最新鋭の砕氷船団をフル活用し
国益に結びつけようとしている。



シベリアの北岸を周る「北東航路」(北極海航路)は大航海時代以降、多くの探検家や航海者が目
指してきたが、一年の大半は氷に覆われ夏でも流氷の融けない過酷な海路であるため多くの犠牲者
を出してきた。北東航路は19世紀後半まで、北西航路は20世紀初頭まで通過に成功する者が出ず、
またこれらの航路はソ連が原子力砕氷船を運行した北極海航路を除き、商業利用されることはほと
んどなかったのだ。海氷の減少により、夏期でも砕氷船でなければ通れなかったような海域から氷
が消え始めている。2007年夏には観測史上はじめて北西航路から消えたことが注目を集めたが、す
でにロシア・カナダ・米国・デンマーク(グリーンランド)など沿岸諸国の間で通航権や領有権を
巡る争いが起こり始めているという。

 

中国の領海侵犯の頻発化



本日、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の魚釣島に、中国の領有権を主張する香港の民間抗議
船が到着、活動家ら7人が上陸した。県警は同5時54分、7人のうち、この後船に戻った2人を除
く外国人の男5人を入管難民法違反容疑で現行犯逮捕している
。外国人が尖閣諸島に上陸したのは
2004年3月以来とのこと。これに対し政府は首相官邸に官邸対策室を設置。
県警は、5人の身柄を
海上保安庁の巡視船で那覇市に移送する予定で、16日朝に到着するという。逮捕の際、抵抗などは
しておらずけが人は出ていない。
海保によると、抗議船は15日午後2時20分ごろ、魚釣島の西約44
キロの日本の領海外側の接続水域に入り、時速約15キロで航行し、3時50分ごろ領海に侵入した

 ChinaClaimsinAsia1 Will Chinas Great White Fleet Soon Outnumber The US Navy?

 

【実効支配に入った竹島】

同じように本日、韓国の李明博大統領は、日本の植民地支配からの解放67周年を祝う「光復節」の
演説で「日本との過去の歴史で絡み合った鎖が、韓日両国だけでなく、東北アジア全体の未来に向
けた歩みを遅らせている」と述べ、日本に対し過去の歴史問題などへの「責任ある措置」を求めた。
日韓が領有権を主張し、韓国が実効支配する竹島(韓国名・独島)については言及しなかったのは、
竹島に10日、歴代大統領として初めて上陸。14日には天皇陛下の訪韓条件として韓国の独立運動家
に謝罪するよう求めるなど強硬姿勢を示していたが
、竹島問題で日本が国際司法裁判所(ICJ)へ
の提訴を検討すると表明したことで、これ以上日本を刺激するのは得策ではないと判断したとみら
れるという。しかし、韓国憲法裁判所が昨年8月、旧日本軍の従軍慰安婦問題について、韓国政府
が問題解決に向けて具体的努力をしないのは「違憲」と判断したこともあり、昨年12月に京都で行
われた日韓首脳会談で政府が「請求権問題は1965年の日韓基本条約に伴う協定で既に解決済み」と
して応じずこうした対応へのいらだちがあるとの見方が韓国で出されているともいう。

Map


  

【膠着固定化する北方四島】

先月7月3日、ロシアのメドベージェフ首相の北方領土・国後島訪問を日本外務省が「極めて遺憾
」と批判したことについて、ロシア上院のシニャキン外交副委員長は、インタファクス通信に対し、
ロシア内政に対する「容認しがたい干渉だ」と述べ、強く反発。副委員長は「南クリール諸島(北
方領土)はロシア領。首相は領内をいつでも訪問する権利がある。日本側の立場は全く受け入れら
れず、ロ日関係の善隣的性格と相いれない」と強調。日本の政治家は第2次世界大戦で連合国側に
無条件降伏したことを思い出すべきだとも主張。一方、プシコフ下院外交委員長は同日、地元メデ
ィアに対し、批判に批判で応じるのは「どれほど賢明なことなのか」と指摘。問題を大きくするこ
とは「理性的ではない」と述べている。

 



1973年に日本人ひとりあたりの環境許容量がつまりエコロジカル・フットプリントが地球の許容-
現在では、米国のエコロジカル・フットプリントは9.5 ha/人、日本のエコロジカル・フットプリ
ントは4.3ha/人、世界合計で1.8ha/人-を超えてしまってから、現在の生活水準を米国人並みに暮
らすには地球が4.3個足らない、また、日本人並み生活するには1.4個足らないということになるら
しことがある程度わかっていた。と、いっても生活の内容・質、環境負荷量に依存するので厳密さ
を欠くが、生活の基本思想は「共生」「わかちあい」「贈与」「未来共有」といった言葉で表わせ
るような関係になっていかなければ、持続可能社会は構築できないこともなんとくわかっていた。
かし、昨今の隣国の行動を看てみると「資源争奪国家主義」のようなギスギスとした状態だ。そ
はまた、北極海航路の氷が溶け出し、大規模な気象変動、取り返しのつかないような気象変動期
に突入し
ているのにもかかわらず(いまだと引き返すことができるかもしれないが)、過剰な資源
争奪を続けていこうか
と身構えているかのように看える。その意味では、ロシアの中国、韓国の国
家の後進性を目の当たりにし
ているのかもしれない。いや、わたしたち日本人もそんなに立派では
ないかもしれないのだがそう思って看ているのだ。

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電動アシスト自転車の実力

2012年08月14日 | WE商品開発

 



【電動アシスト自転車の実力は】

朝のNHK放送の「まちかど情報室」で電動アシスト自転車のバッテリからアダプターで分岐して電気を
取り出せる
ということを取り上げていた。当たり前だといえば少し頭をひねれば実現可能だが、これがい
けなかった。それじゃ
電動アシスト自転車の実力はどんなものか興味を惹くことになる。ネットで下調べ
してわかってきたことは、競合す
る国内メーカはパナソニック(三洋)、ブリジストン、ヤマハ、NTN
など数社の寡占状態にあり、回生充電機構付き
(坂道を下る時などの余裕トルクを自動充電する)を必須
条件として、電動機の取付け方式、搭載電動機の種類
や起動・走行条件の自動制御の相違、搭載蓄電池(
静電容量・ニッケルリチウム二次電池とう)の相違もしくは容
量の相違などが主な差別化としてあるもの
のほぼ基本仕様での競合は成熟段階にさしかかっているように看える。


ところで、雨風といった天候に左右はされるけれど電動アシストのエコ貢献度は、上のパナソニックのプレゼンによ
ると 内燃機関自動車に比べ1/34の二酸化炭素負荷と実力は充分だ。走行距離はバッテリー容量に依存するの
で、充電限界回数が前提となるとして初期コストだけが問題として残る。

電動アシスト自転車の知識

ところで、技術的な課題を考えてみると1つは、アシスト用の電動モータの設計が2つの観点から議論さ
れている。それは、レアーアースレスモータの開発という点ともう1つは、モータの理想型を巡る問題だ。
そして、その2つ同時に解決しようとする試みがなされている(下図参照)。例えば、理想的なエネルギ
ー変換を行うためアキシャル形DCモーターの開発には、電磁石を2つの円板上に配置されたマグネットで
挟み込み、マグネットの磁束が通る通路を最短にする構造を実現している。さらに電磁石においても最適
な巻線構造を実現し、鉄心で発生する「鉄損」や銅線で発生する「銅損」を抑え、エネルギー変換の効率
を向上させている。加えて、この構造はマグネットと電磁石の向き合う面積が大きく取れるため、小型化・
軽量化を図っている。

  

下の図は上と同じく、日立製作所のレアアースを用いない産業用11kW高効率永久磁石同期モーターの開発
実績を伝える記事(2012.4.11)である。その他に、車軸周辺にモータ及び変速機を設けた電動補助自転
車(ハブモータ方式)は、前輪側に配置するにしろ後輪側に配置するしろ配線の引き回し、操作性、変速
機との両立が難しいという問題があり、人力駆動系と、モータによる補助動力をクランク軸に合力させる
駆動系とを単一に収容したセンタモータ方式が有利とされる反面が装置の複雑化は避けられない。



そこで、駆動輪のハブと遊星歯車との変速機構と逆入力用ワンウェイクラッチと変速制御機構とで構成す
ることで、太陽歯車有した変速機構の駆動力をスプロケットを通じ駆動輪に伝達。また、駆動力に対しラ
チェットクラッチの第一変速用ワンウェイクラッチを介して遊星キャリアと太陽歯車とを相対回転可能、
相対回転不能に切り替え、ローラクラッチの第二変速用ワンウェイクラッチを介し太陽歯車を車軸回りに
回転可能、回転不能に切り替えて変速を行い、直結状態と少なくとも一段階の高速状態に変速し、逆入力
に対し、ローラクラッチの逆入力用ワンウェイクラッチを介し逆入力を伝達可能にする変速制御機構が新
規考案されている。

特開2012-066723

また、下図は補助動力を有効に走行距離を飛躍させるために新規考案された制御回路であり、さらにその
下の
図は、走行に影響を及ぼすおそれのある外的要因によるユーザに過度の身体的負担を低減する制御回
路の新規考案だ。


特開2011-178254

特開2011-168241

このように駆け足で電動アシスト自転車の技術インパクトを看ると、非常に緻密な設計が日常的に百花繚
乱のよう
に展開していることが理解できる。もっとも、それがどうした、人間には自前の足があるじゃな
いかという反論も出て
きそうだし、それに対し素直に「それもそうだよな」と思えるところもある。環境
リスク本位制のなかの移動手段の1つの
オプションに過ぎないが、構成要素技術からみると明日につなげ
る技術の集合体のようにも看える。 



 

 

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近未来のバイオハッカー

2012年08月13日 | 時事書評

 




 


【二つのトータルリコール】

気分転換で映画『トータルリコール 2012』を鑑賞。動機は先回の映画とどう違っているのかという興味から
であって、鑑賞する状態としては疲れた脳神経系をさらにへろへろに消耗させたという、大変もったいない
ことに。さて、この特撮映画(SFX)を観てベースにミックスされている過去の映画作品として「ブレードラ
ンナー」「フィフス·エレメント」「マイノリティ·リポート」「スター·ウォーズ」「ザ・コア」などである
ことは映画ファンなるすぐに気付くだろう。

  A man holding a gun, a woman holding a cigarette, and a city-scape

        

    

ストーリは、ネット上で解説されているので割愛するとして、個人的興味をもってみたのは、近未来社会の
科学技術だ。「トータルリコール 1990」では、火星での資源採取、惑星間移住、スペースクルージング、
壁面
テレビ、リアルタイム透視映像装置、地下鉄での動画(ブラウン管)広告、記憶の購入による旅行、デ
ジタルネールア
ート(爪にタッチして瞬時に色を変更)、双方向テレビ、タブレット、バイタル(体内埋込
)型GSP装置、空中投影ディスプ
レイ、分身装置、電気自動車、ロボット型移動タクシー、ロボティクス変装
マスク、テラフォーミングなど。「トータルリコ
ール 2012」ではなんといっても「FALL」という大型通勤用
地殻移動装置に驚かされた。
地球の平均直径が、6371km のこの移動装置は、約17分で英国から豪州間を移動
する。その速度は超高速旅客機コンコルドの平均速度を超えるのだ、地殻温度は5000~6000℃、圧力は364
万気圧という過酷条件の上に磁場転換が起きた上、微力な地殻移動が与える地殻流動性への影響力というも
のがどんなものかわらないのだから。

ファイル:Earth cross section (Japanese).svg   

この「FALL」を介し移動する通勤移動用の仮想トンネルが熱と圧力から保護され、コアを通過すると、文字
が無重力になり "up"と "down"する。
トータル·リコールでは、2084年を想定しているが、そのトンネルを
掘る経験は、アラスカ州のカトマイ火山下のマグマに向けたものなど存在するが、これらの穴はプローブ(
先導管)であり、実際に「FALL」の掘削ツールを開発には、数10年よりもはるかに長い時間がかかるだろう
と予測されているが、現在進行形の
デジタル革命渦では、このような大がかりなハードを必要としない空間
移動方法を発明している可能性が大きいだろうとわたし(たち)は考えている。

 

 



それ以外に興味を惹いた近未来的技術に、リニアモーターカー専用の高速道路で電磁場の中を高速で浮遊移
動する移動体だが、移動体が強力な磁気力を保有するのであればある程度現実味も帯びてくるだろうが、レ
アな肉体に与える電磁波障害が気になるところ。もっとも映画で採用されているこの車は、Chrysler 200と
のことだが採用動機についてはよくわからなかった。もう1つは体内(掌)に埋め込まれた移動体通信機を
硝子や壁に接触させるとカラー表示器が投影されというテクノローだが、被接触側に仕掛けがあるのか、通
信機側に仕掛けがあるのかよくわからかった。 とはいえ、「トータルリコール 1990」でも用いられている
ロボティクス変装マスクも今回もよりリアルさを装って採用されていているが、新しいホログラムらしいと
いうことはわかるが、こちらのほうも動作原理がわからない。とはいえ、捜査用ロボットのカマキリ様態の
フロントマスクに光るパイロット用バックアップディスプレイなど細かな描写が駆使されるなど前回を上回
る手が加えられていることも特徴だ。



※上図は鬼嫁役のケイト・ベッキンセイルが愛用する?サウンドレコーダー(オリンパスLS-100)
 




【近未来のバイオハッカー】

 小型ライテイング・ビューロー

※映画鑑賞のため、木工技法の下調べが1日おくれてしまったのは仕方がない。



オリンピックも閉会式で、ブライアン・メイの演奏を観ることができご機嫌だし、ボクシングミドル級の村
田諒太の金獲得も良かったが、映画鑑賞はもうひとつ盛り上がらなかった。作品のクオリアといえば前作の
方が良かったが、特撮技巧のクオリアは断然後者。とはいえ、脂がふんだんに纏わり付いたステーキを食べ
るには、一週間前から体調を整え終えて鑑賞しなければきっちり見切れないない。そんな老化を感じつつも
あいも変わらないパワー一筋の米国映画の限界を見切ったバイオハッキングなSFサスペンススリラー映画を
楽しんだ。 

 

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大規模気象変動の今

2012年08月11日 | 地球温暖化

 

 



【大規模気象変動の今】

米国海洋大気庁(NOAA)は、人間活動起源の温室効果ガス排出量は増加したが、依然としてその半分
を、地球の海洋、森林その他の生態系が吸収していると発表。植物と海洋はCO2の自然吸収源とされる
が、近年、これらの吸収能力が排出量の増加に追い付けなくなり、大気中のCO2の増加や気候変動の影
響が予想より早く発生するおそれがあると指摘されていた。しかし、NOAAとコロラド大学の研究者ら
が1960年から2010年までの地球上のCO2の測定値を分析したところ、予想より早い変化は見られず、各
国のCO2排出インベントリ等と比較すると、地球の海洋と生態系が温室効果ガス排出量の約半分を吸収
していると考えているが、残りの半分は大気中に蓄積し続けて地球温暖化を加速すると考えられ、研
究者らは、海洋酸性化等により吸収力は徐々に低下すると予想する。そこで、今回の分析から、地球
上の生態系が大気中CO2を除去するプロセスがまだ十分に理解されおらず、その解明が急がれるとして
いる。


【環境に優しい生分解性微多孔フィルム】 


特開2011-168704

東レは、透湿性と防水性を合わせ持ちながら生分解性のある「微多孔ポリ乳酸フィルム」の開発に成
功したと発表。農業用マルチフィルムや紙おむつ・生理用品などの生活資材向けに、大きく拡大が期
待できる新素材として、2014年までのなるべく早期に生産技術の確立を目指す。

透湿・防水性フィルムは、農作物の保温や雑草抑制効果で農業用マルチフィルム、紙おむつ・生理用
品などのヘルスケア用途、使い捨てカイロなどの包装用途をはじめ、日常のさまざまな場面で広く利
用されている。従来は主に微多孔ポリエチレンフィルムが使用されているが、廃棄物処理問題や環境
負荷低減の観点から、生分解可能なポリマーへの置き換えが切望されていた。代表的な生分解ポリマ
ーのポリ乳酸は、透湿・防水性を有するフィルムを製造するには、空気を通し水は通さない微細な孔
(「貫通孔」)をつくる必要があり、ポリ乳酸を用いた透湿・防水フィルムは、高コストの溶媒を用
いた湿式法で、生産性の高い乾式法での製造は技術的に困難だった。
 
通常、乾式法で微多孔フィルムを製造するには、微細粒子を添加したフィルムを引き伸ばして粒子の
まわりにすき間を作り、一般的なポリエチレンフィルムは、微細粒子が均等に分散しやすく、すき間
がフィルムの表から裏まで効率的につながり、透湿・防水性をもたらす貫通孔が出来上がるという。
これに対して、ポリ乳酸中では、微細粒子の分散性が低く、微細粒子をポリ乳酸中に高濃度に配合す
ると凝集ができ、フィルム内部に孔が均一に配置されず、延伸を行っても粒子の周りにすき間ができ
るだけでだったが、透湿・防水性を有すポリ乳酸フィルムを得るには、微細粒子をポリマー中に高濃
度・高分散した状態で適正な延伸を行い、一つ一つの孔をつなげて貫通孔を作るため、微細粒子と相
互作用するユニットとポリ乳酸と相互作用するユニットからなる新規ポリマーを精密合成し、この新
規ポリマーを微細粒子と共にポリ乳酸中へ混練することで、ポリ乳酸中に微細粒子を高濃度かつ、単
分散できたという。


特開2012-096529

【符号の説明】
1 口金 2 キャストドラム 3 フィルム 4 噴霧ノズル 5 吸引ノズル 6 口金後部の遮蔽板
7 スポットエアー 8 電極 9 フェルト(液体膜付与用) 10 エアーナイフ 11 電極
12 キャストドラムからの剥離点

INTERMISSION



  チェスト

忙しい合間に暇をを見つけては木工技法を調べているが、DIYなどで一般図書でもかなり詳細なところまで記
載されている。これはしまったなぁ~と思いつつも、木工の魅力に吸い込まれてしまう。上の図は収納箱。衣料
やトイなど用途は広いことがわかってきた(当たり前田のクラッカーって、古い藤田まことのギャグだが)。ところ
で今回のチェストには、それ以外に胸(バスト)との意味があるが。

昨夜に続き、温暖化と気象変動の話題と、生分解性のポリ乳酸フィルムの製造法について下調べしてみた。
時代は確実に「環境リスク本位制」にあると実感する。

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干魃と食料危機

2012年08月10日 | 地球温暖化

 



【異常気象と温暖化】

昨夜の続きなのだが、彼女に聞くと、ノウゼンカツラの花の不成はどうやら剪定業者(シル
バー人材派遣会社)の担当者が経験のない素人だということの落ち着きこの件に終止符(ピ
リオド)を打つことに。



ところで、米海洋大気局(NOAA)は8日、米本土の7月の平均気温が1895年の観測開始以来、
最高を記録したと発表。猛暑の影響で干ばつや山火事などの被害も広がっている。それによ
ると、アラスカ州とハワイ州を除く米本土48州の7月の平均気温は25.℃と、これまでの最
高だった1936年7月の25.2℃を上回わり、2012年1月から7月までの平均気温と、過去1年
間の平均気温がともに観測史上最高を記録し、ワシントン州を除くすべての州で気温が過去
の平均を上回った。各地で記録的な猛暑が続く中、干ばつの被害も拡大し、ネブラスカ、カ
ンザス、アーカンソーの3州では5月から7月にかけて記録的な乾燥に見舞われている。こ
の影響でトウモロコシと大豆の不作が広がり、飼料不足のためやむなく家畜を売ったり処分
したりする農家も増えている。米農務省は全米の半数以上の郡を災害地域に指定したと報
じた。





また、『緊急避難策としてのCCS』で触れたように、グリーンランドの氷床が解氷現象は
平均して150年に1回起こるという。最後に起こったのは1889年で、今回の現象もこの周期に
沿ったもだといわれているが、もし来年も同じような解氷現象がつづくのであれば大事にな
る可能性(地球温暖化人為説が原因)も残されているわけだが、また一方、上図のごとく現
状では、太陽活動などによる宇宙風の影響と気象変化のメカニズムについて明らかにされて
いないのだ。



また、干ばつによる穀物価格高騰への懸念から各国が輸出を制限すれば、世界は2007~2008
年と同様の食料危機に直面する可能性があるため、7月に世界食料価格が急騰したことを受
けて国連食糧農業機関(FAO)が9日、警告を発した。FAOが発表した7月の世界の食料価格
指数は213ポイントで、6月の201ポイントから6%上昇。指数は3カ月連続で低下していた
が、穀物や砂糖の価格が急騰するなどして再び上昇に転じた。FAOのシニアエコノミスト兼穀
物アナリスト、アブドルレザ・アバッシアンは「2007~2008年のように事態が進行する可能
性がある」と指摘したと報じている。

 

つまり、トウモロコシなどの主要穀物は、ハイブリット種(1代雑種)を使うため全ての種
を農家が専門の種苗会社から買わなければならず、種苗会社でも来年度の作付用種を確保で
きているかが問題にされている。1代雑種から収穫されるトウモロコシなどは発芽せず、次
の代を残さない、残せない。種苗会社が近隣諸国で作付をして、毎年の販売量を確保してい
れば問題無いが、米国の大手種苗会社のハイブリット種育成地がどこにあるよくわからない
とされている。従って、独占あるいは寡占状態となっている上に、該当企業の手元にその種
がなければ、穀物の高騰はさることならが、食料自給率の低い輸入国は勿論のこと発展途上
や貧困国で食糧危機や飢餓状態が発生すると予測されている。

ここで、新興国の経済発展に伴う穀物需要の増加や気候変動による食料供給不安が懸念され
るなか、農作物の増産、生産性向上は喫緊の課題であり、問題解決の手段の、主要穀物種子
について、つまり、従来の単なる“タネ” から高機能を付加したハイテク商品へと変化を遂
げ、農業生産において重要な役割を担う種子のこれまでの種子市場形成過程を俯瞰し、市場
の分析と今後の産業動向について考えてみる。

さて、1930年代に入り、従来とは異なる育種技術が市場の様相を変化させる。ハイブリッド
種子の誕生だ。これは異なる性質のタネを掛け合わせて作った雑種1代目のタネであり、F1
(first filial generation) 種子とも呼ばれる。雑種の1代目には雑種強勢という性質が
働き生育が良くなるほか、大きさや形状、収穫時期がそろうので、大量生産に向く作物を作
ることができる。このため、トウモロコシの種子であるハイブリッドコーンは全米で急速に
普及、1960年代にはトウモロコシの作付面積の大部分がハイブリッド種子に置き換わってい

った。この優良な性質は次世代には受け継がれない、農家は従来のように自家採種できなく
なり、種子業者から毎年買う必要あり「種子は自家採種して毎年使用するもの」という慣習
に大きな変化をもたらし、種子は農家が自給するものから購入資材化され種子需要はハイブ
リッド種子の普及とともに増大し、種子市場を成長する。

 

さらには、1968年に発効したUPOV条約(植物の新品種の保護に関する国際条約)に基づいて
各国が日本の種苗法に当たる法律を制定し、種苗に関わる知的財産管理をする。育成者権保
護の制度化は、ハイブリッド化されていなかった小麦やダイズなどのコモディティ作物の種
子開発に拍車を掛け、同時期は、人口増による需要を賄うべく、大量生産指向されると優良
な種子は、農薬、肥料、農業機械と一緒に輸出され、その結果、種子市場の国際化が進む中

小の種子企業を買収し、種子の争奪戦を展開して、種子市場の寡占化が進行する。

1990年代、種子市場にハイブリッド種子の出現に匹敵するバイオテクノロジーの進化、遺伝
子組み換え技術を使った種子の登場すると、従来の種子の品種改良が、異なる優良な形質を
持った種子の掛け合わせが可能となり、伝子組み換え= GM (genetically modified) 種
は、遺伝子を直接操作することにより新たな形質を生み出して品種改良する。GM種子は従
来のハイブリッド種子よりも価格は高くなるが、遺伝子組み換え技術による除草剤への耐性
や害虫に抵抗性を持つ機能が組み込まれたことにより、農薬の使用量を抑え、生産者の手間
が省け、農業生産の全体コストを下げることを可能となる。


1994 年にベンチャー企業のCalgene (後にMonsanto に買収される) が世界初の遺伝子組み
換え食品となる、完熟後でも日持ちがよい「フレーバーセーバートマト」を作り出し、米国
で販売された。次いで1996年には、害虫に抵抗性のあるトウモロコシを皮切りに、ダイズ等
の主要品目における遺伝子組み換え作物の商業栽培が始まり、2011年では、GM 種子は29カ国、

1億6,000万haまで作付面積を急速に伸ばす。主要農作物の全世界作付面積のうち、ワタ82%、
ダイズ75%、トウモロコシ32%、ナタネ26%がGM種子に置き換わる。

このように急速に発展してきたGM種子は、農薬生産化学系企業が深化させ、遺伝子組み換え
技術が医薬品分野等で発展を遂げてきた経緯から、医薬品業界等の大手企業がバイオテクノ
ロジーを梃子に種子分野への遺伝子組み換え技術の導入を試みる。農薬という農業関連事業
を持ち、かつ、バイオテクノロジーへの知見もある化学品業界も同様に、GM種子開発に参入。
した。一方、農薬部門を持つ化学系企業は一層種子の分野へと足を深めていった。その理由
は、ほぼ同時期に農薬の人体への悪影響や環境汚染などが声高となり、農薬使用量を減らそ
うとする世論が出始め、遺伝子組み換え技術を利用した、農薬使用量を減らせる種子開発は
生き残りを掛けた戦略に転向する。また、その地域の特性に合ったタネと掛け合わせてカス
タマイズする必要があることから、GM種子を開発する農薬企業は多様なタネを持つ各々の地
場の種子企業を押さえる必要から農薬企業の種子産業への浸食を後押しする。



国際的な種苗業界団体であるInternational Seed Federation (ISF) の調べでは2011年で
約420 億ドル規模と推計。グローバル市場を相手にしている穀物種子が360 億ドル(86%)、
地場の気候や食文化に根ざして生産される野菜・果実が55 億ドル(13%)、花卉が5 億ドル
(1%)とみられる。国別では、市場規模が10億ドルを上回る上位7 カ国で全体の73%を占め、
特に、米国と中国は3 位以下を大きく引き離している。他方、The International Service
for the Acquisition of Agri-biotech Applications (ISAAA) の報告書では、2011年時点
での種子市場は約370 億ドルであり、その36%に当たる132億ドルがGM種子種子企業の対象領
域の拡大種子メジャーは、従来、狙いとしていた主要穀物以外、野菜・果実、花卉種子へも
進出。2005 年にはMonsanto が野菜・果実種子市場では世界最大で、市場シェア約2 割を持
つSeminis (米) を買収、花卉分野では2008 年にSyngenta がGoldsmith Seeds(米)を買
収するなど、残された種子分野でのシェアを高めてきている。しかし、野菜などは地域の食
文化によって味や形状の好みにも違いがあり、少量多品種生産が必要なため、多額の研究開
発費を必要とする現在の遺伝子組み換え技術に向かず、それぞれの国の地場の有力種子企業
を買収、提携することで地場の固定種を使った生産からハイブリッド種子農法への転換を促
し市場拡大を目指しているという。

また、気候変動によって頻発する旱魃による不作を低減するための乾燥耐性をもった種子
開発があり、既にMonsanto とBASF が共同開発した乾燥耐性トウモロコシは商業栽培が目前
に迫っているとのこと。穀物生産大国の中国でも水不足は問題となっており、このような種
子の商業化は、市場拡大はもちろんのこと、農作物の供給不安や食価格の高騰を回避すると
期待されている。もうひとつは、従来の製品が生産者側の利点(コスト、生産性等) に重き
を置いていたのに対し、消費者側の視点に立ち、遺伝子組み換え技術によって商品に「健康」
という付加価値を付けた種子の開発が行われている(「オメガ3 ダイズ」は、オメガ3 脂肪
酸という魚から抽出して健康食品に使う油を、ダイズから採る油で代用するもの)。

ここで見たように、種子産業は地域と領域の拡大によって今後も成長が続くと見込まれてお
り、そのペースや方向性を左右する要素には、種子メジャーの動きに加え、市場として拡大
が見込まれる中国の当局による国内種子産業育成や外資規制などの動き、さらには穀物の需
給バランスやそれに伴う食料価格の変動などが想定されるという。

 箱椅子

大規模気候変動の影響は大きくなるにつれ、種子産業の研究開発はお手上げになることが考
えられ予断をもって対応できないことぐらいは素人でも納得いくことだが、来年も両極の解
氷が進むようならばこれは世界的非常事態を招来させることになるだろう。「チャイニーズ・
バタフライ」ならぬ「我が家のノウゼンカツラ事変」は思わぬ方向へと波紋を投げかけてし
まったようだ。今夜も「無知に栄えたためしなし」を戒めに、就眠することとしよう。
                                  

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ちょっと熱めのお風呂

2012年08月09日 | 医療健康術


 




【免疫力と体温】

42℃のお風呂に入った後は紫外線によるシワができにくい(→マウスの皮膚を温めると紫外線
によるシワが防げる)ことを発見したという。慶應義塾大学(慶応大)は8月7日、熊本大学、名
古屋大学、再春館製薬所との共同研究により、マウスの皮膚をお湯につけることでシワを防げ
ること、同時に熱によって体内で増える「熱ショックタンパク質70(HSP70)」が重要な役割を
果たしていることを発見した。この成果は、慶應大慶應大学薬学部の水島徹教授らの共同研究
グループによるものだという。

野馬追(ヤバツイ)

これによると、シミと並んで肌の主な悩みになっているシワの原因は、皮膚にあるコラーゲン
層の減少と劣化。肌のクッションの役割を果たしているのがコラーゲン層で、クッションが薄
くなったり、弾力がなくなったりするとシワができる。シワの最大の原因は紫外線。紫外線を
浴びることでコラーゲンはその質が劣化し、生産量が減ってしまったり、コラーゲン分解酵素
が増えてしまったりして、その結果、シワが生じてしまうのである。一方、熱ショックタンパ
ク質(HSP)は、細胞が熱などのストレスを受けると細胞内で作られるタンパク質の1種。熱だ
けでなく、毒物や紫外線などさまざまなストレスを受けると増え、細胞をストレスに強くする
ことが知られている。HSPにはさまざまな種類があるが、中でもHSP70は細胞を保護する作用が
最も強い点で注目されているHSP。研究グループでは以前から、皮膚におけるHSP70の働きを研
究し、紫外線による皮膚の傷害を抑えたり、紫外線によるシミ(メラニンの過剰な生産)を抑え
たりすることを発見してきた。こうした結果は、HSP70を増やす物質が理想的な抗シミ化粧品に
なることを示している。ちなみにメラニンは紫外線から皮膚を守る働きをしているため、単に
メラニンの生産を抑えるだけの抗シミ化粧品は、紫外線による皮膚傷害を悪化させてしまうの
で抗シミという点ではマイナスである。実際に研究グループでは、HSP70を増やす天然物を検索
し、「ヤバツイ」や「アルニカ」という植物の成分が安全にHSP70を増やすことを発見。これら
を配合した化粧品はすでに再春館製薬所が商品化済みだという。

特開2010-083804

一方、これまでHSPとシワに関してはまったく研究されておらず、今回初めて詳細な研究が行わ
れ、成果が挙げられた形だ。まずマウスの皮膚を42℃のお湯に5分間つけると、HSP70などのHSP
が増えることが発見された。次に、42℃のお湯に5分間つけてHSPを増やした後に、紫外線を当
てるという処理を10週間継続し、シワの形成を調査。結果は、37℃のお湯に5分間つけた対照グ
ループのマウスでははっきりとしたシワができたが、42℃で温熱処理をしてから紫外線を当て
たグループではシワがほとんどできないというものだった。また、HSP70を常に生産している遺
伝子改変マウスでも同様にシワの抑制が見られた。これらの結果は、HSP70が紫外線によるシワ
を防ぐことを示しているという。


またこのメカニズムを検討したところ、HSP70がコラーゲンを分解するタンパク質を減らすこと
が確認された。なお、HSPには、コラーゲンの生産を助け、コラーゲンの質を高めるHSP47とい
うタンパク質もある。研究グループでは、温熱によるシワの抑制には、HSP70だけでなく、HSP
47も働いていると考え、現在研究を進めているところだ。42℃というのは、ちょっと熱めのお
風呂の温度だ。間でも紫外線を浴びる前にお風呂に入ると、マウスと同様にシワを防ぐこと
ができる可能性があり、今後の応用研究が期待される研究グループは述べている。紫外線か
ら皮膚を守るというテーマは、地球温暖化やオゾンホールが心配されている現在、商業的にも
なんともホットな商品開発でもある。それに比べ「温め健康法」「体温アップで超健康」のブ
ームも衰えていない(→「ためしてガッテン」で熱ショックたんぱく質(Heat Shock Protein)、
和温療法などを紹介)。

 

上図を見ても分かるように、体温35℃というのは、ガン細胞が最も増殖する体温。逆に40℃~
42℃でガン細胞が死滅する。ガンが熱に弱い証明としてよく引用されるのが、心臓ガンや脾臓
ガンがないことだ。心臓の重量は体重の0.5%程度なのに体全体の体熱の約11%も熱を占め、脾
臓は、赤ちゃんのごとく赤い臓器で温度が高い。また、ガンの人が高熱の病気にかかったあと
検査すると、なんとガン細胞の影が消えていたという実例も数多あり、現国立感染症研究所が
1978年に発表した実験結果によると「人間の子宮ガン細胞が、39.6℃以上の温度を与え10日間
くらいで全滅した」という
。ガンの人の手を触ると冷たいという(データなし)。現代医学で
もガンに対する温熱療法(ハイパーサーミア)が行われるようになっているといわれている。
もし、この体温が1℃低下すると(1)代謝(酵素活性)は20~30%低下(2)免疫力(NK細
胞活性)は10%低下となりますといわれている。


※「水中運動実施の水温が感情,体温,血中に及ぼす影響―中高年女性における水温30℃と34℃
 の比較―」
※「NK細胞



※「特開2011-405 温熱式健康回復システム」

特開2011-405

 

   


【現代文明症候群:低体温症とは】

ところで、低体温(平均体温が低い)の人が増えていると言われているが。なぜか?低体温の
方が多い女性を中心に、子どもや男性にも36℃より下の低体温の人が増えつつあるといわれて
いる。特に子供の低体温化は深刻で、起きてすぐに熱をつくれない子どもが増えているとか。
朝起きたときに平熱36.0℃未満の子ども
が40%近く占めるという。この原因として、運動量の
減少があり、運動量が減ると熱生産の源である筋肉量が減るためだという。昔は学校で運動し
て、家に帰っても外を駆けずり回っていたが、家でゲーム、外出といえば塾通いというわけだ。
また、自律神経の乱れも影響し、昔は寒い時にガタガタ震えながら寒さに耐えたり、暑い時に
汗だくになりながら、自律神経が鍛錬されたものだが、今は冷暖房が普及して、生まれた時か
らこうした環境で育ったために自律神経が鍛えられず、汗腺の未成熟な子供が増えているとか。
さらに、低体温になると活力が落ち、考える力も落ち→キレる子供、子どもの犯罪や異常行動
と低体温が関係している?とも言われている。



以上のように、免疫機構ないしは免疫力の解明が進み、理研など、キラーT細胞の活性化に分
子シャペロン「HSP90」が必須だと解明し、東大などがカイコを使って免疫力を測定する方法を
発見したことなど次々と報告されこのブログの1テーマである『予防医学』の進展に貢献して
きている。勿論、温熱予防医術法だけでなく、医食同源予防医術法、さらにはスポーツ運動予
防医術などと一体となり免疫力の改善により世界貢献していくでだろうが、反面、体温低下な
どの現代文明症候群が障害として立ちはだかり、上図のように地球温暖化などによる免疫系疾
病が増えていくことが予測されているわけで、ある意味イタチごっこのような、これはこれま
での科学技術・文明の進展に付随し、不可抗なものとして現れてきたように続いていくものだ
ろう。
 

免疫のイメージ



 

今朝早く、彼女がことしは不成なノゼンカツラ(凌霄花、紫葳)がやっと咲いたというので、
天候不順からくるストレスのためだろうか思いつつ早速デジカメに収めることに。例年なら鈴
なりに咲くのだが窒素肥料過剰、剪定時期の2つ程度該当しそうだが、前者は該当しない。剪
定は業者に依頼したのだからまずそれも関係ないないだろう。やはり天候不順ではなかろうか
とこの件はフェルマータに。

 

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蓄電ネットワーク構築

2012年08月08日 | 環境工学システム論

 

 



【人類はどこからやってきたのか】

米航空宇宙局(NASA)は6日、火星を周回する探査機「マーズ・リコネサンス・オービター」
が撮影した火星に降下する探査車「キュリオシティー」の画像を公開した。NASAによると、
「撮影が1秒前後するとただの火星表面の画像になっていた」というほどのタイミングで、3月
から準備を重ねてきたという。撮影されたキュリオシティーは約16メートルのパラシュートと
つながったまま着陸地点へ向かっており、この後、無事火星の赤道付近への着陸に成功したとい
う。太陽系が誕生ししばらくは、火星は地球と同じように空気や水や、当然、生物も存在してい
たとみられている。火星生命の存在については推測か想像でしかなかったわけだが、McKayにより
火星隕石内に生物化石が仮説となり、南極で見つかったALH84001隕石は炭素原子アイソトープに
よる年齢鑑定で地質学的年齢は約45億年前のものと推定されているが、その隕石の割れ目の中に
は約39億年前に生成したと推定される炭酸塩化合物の小球体が見られ、この小球体の間に埋め込
まれたように磁鉄鉱(Magnetite)の微小な結晶が見つかっている。つまり、太陽系生成の時期に
この隕石はまだ火星の一部だった。当時は小惑星と呼ばれる隕石が盛んに惑星表面に降り注いだ
時代で、約40億年前、小惑星の衝突により砕け飛んだかけらのひとつが ALH84001だ。この最初の
衝撃で生じた割れ目にその後炭酸塩化合物の小球体を成形、同じ時期に磁鉄鉱も沈積し、その後
再び小惑星の衝突を受け火星表面から弾じき飛ばされて太陽を大きくめぐる周回軌道にのり何億
年もの旅を経て、やがて地球に落ちたとされるのだ。そして、
この割れ目の中の磁鉄鉱の結晶体
に地球の海洋に生息する走磁性細菌(magnetotactic bacteria)とよく似た生物が発見される。

もっとも、最近ではアラン・ヒルズ隕石を40億9100万年前のものと推定している。これまでこの
隕石は、火星表面が原始のマグマの海の状態を抜けて固まりだした45億1000万年前に形成された
ものとされてきた、最新の推定年代測定からすると、この隕石が形成されたのは、もっと後の火
星の混乱期-固まった表面にいくつもの隕石がぶつかって、亀裂やゆがみが生じていた時期-と
いうこととなり火星からの飛来説には無理があると反論もされていて決着はついていない。

   

火星から人類などの生命体が移動してきたのか?今回のNASAの探索結果から終止符が打たれ
るかも
しれない。個人的なことを言わしてもらえば漠然とそれを支持しているのだが、日本では
一足さきに、とい
うか誰かが商業主義的な絵を描いてきたのか、この8月に映画『プロメテウス
』が公開される。周知の通りダーウィンは1859年に発表した「種の起原」の中で、全ての生物種
は共通の祖先から自然淘汰と突然変異を繰り返しながら進化した存在であるとし、神によって天
地万物が創造されたとする創造論に異を唱えながらも、科学と宗教は現代もなお共存する。しか
しながら、人類の起源は未だ謎に包まれたまま。つまり「我々人類はどこから来たのか?」との
究極テーマ<人類の起源>に挑むだ映画が公開-人類を創ったのは“神”でも“進化論”でも
“DNA”でもなく、宇宙の果てに眠るというシナリオという『エイリアン』や『グラディエーター
』の巨匠リドリー・スコットが満を持して放つというが、この映画では、太古の地球に異星人の
船が飛来、地上に降り立った人間型宇宙人は黒い液体を飲み、自らのDNAを地球の生態系に拡散
させるというのだが。

図版:スマートグリッド領域における蓄電システム


【蓄電ネットワーク構築】

昨日のテーマを整理してみた。所謂、蓄電網の現代神「デクサマニー」のイメージをクリーンに
するためなのだが、水冷媒型ヒートポンプでも、二酸化炭素を冷媒とした吸熱型ピートポンプで
もここではどちらでもいいのだが、要は、余剰電力→送電→ヒートポンプの吸熱側で製氷→熱電
変換素子型環境発電時→ヒート発熱側で解凍することで、温度差発電を行おうというものだ。こ
のシステムの狙いは(1)水という単純な蓄熱媒体を使うことでコストベネフィットと安全性を
実現、(2)地下タンクで熱交換製氷し、チューブラー型熱電変換することで、貯水兼用させな
らがイニシャルコストの逓減しようとするものだ。重ねて言うが、漏洩事故として想定されるも
のは、水と二酸化炭素(冷媒)と潤滑油と後、電気(漏電)という単純なものだ。とはいえ詳細
検討はこれからだ。

 特開2006-046871

 



【クールなロンドンオリンピック】

 

ビデオ判定が今回のオリンピックでは定着している。ベスト4に勝ち進んだ女子バレー全日本チ
ームの眞鍋政義監督が試合中iPadを見ながら選手に指示を出していることが話題になっているが、
瞬時にデータをみて守備・攻撃ための具体的な配置や戦術の指示を適切にする。勿論、データを
みるだけでは指示できない。現場とデータの狭間で真鍋監督はチームノウハウ(team know-how)
をメディア(媒介)としてオペレートしている。誠に、デジタル革命時代の、クールなオリンピ
ックを眼の当たりにしているというわけだ。

 

 

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正念場に余裕のヘーリオス

2012年08月07日 | 贈与経済

 

【正念場に余裕のヘーリオス】



7月に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度で、今年度の導入見込み量が最も多いの
が太陽光発電。経済産業省資源エネルギー庁の推計では計2百万キロワット(出力ベース)で、既存
の太陽光発電設備(約480万キロワット)の4割に達する。再生エネの先導役として活用し、地域活
性化や災害対策にもつながる取り組みを広めたい。群馬県太田市は制度の開始に合わせ、自治体単独
では全国初となるメガソーラー発電事業に乗り出した。出力は1500キロワットで、市内の工業団地の
一角に太陽電池パネル約1万枚(約1万3千平方メートル)を敷き詰めた。年間1800万〜1400万円の
利益が出る見通し。市民が太陽光発電を導入する際の補助金などに活用する予定で、エネルギーの地
産地消を進め、財源としても生かすねらいがある。太田市に隣接する栃木県足利市は、学校や体育館
など市内の公共施設約70カ所の屋上を太陽光発電用に貸し出すことにした。対象事業者は市内に本社
を置く法人とし、災害などによる停電時は、公共施設に電気を供給することが条件だ。こうした試み
は、再生エネに関する住民の理解を深め、導入促進にもつながるはずだ。再生エネ発電に参入する事
業者が相次ぐが、自治体の役割も極めて大きいと言えると指摘されている(毎日新聞 2012年08月06
日「社説:太陽光発電 再生エネの先導役に
)。

 



さて、この太陽光発電の大規模な普及を阻害している要因が2つある。1つは、余った電力の蓄電と
送電の必要性。もう1つは、ソーラーパネルのコストが高いことだ。2つめの高コストは、太陽光を
電気エネルギーに変換するのに使われる半導体から、電流を取り出すのが厄介なこと。これまで電流
の取り出しは通常、シリコンなど一部の物質でしかできなかったが、金属酸化物や硫化物、りん化物
など、安価で豊富に存在する材料で発電効率の良いソーラーパネルが普及するかもしれない。シリコ
ンを材料とする通常のソーラーパネルは、製造の際に「ドーピング(doping)」と呼ばれる化学処理
が施されるが、カリフォルニア大学などの研究者グループが開発した方法では、化学物質の代わりに
電界利用で、半導体から電気を取り出すことが可能になるというのだ。高い伝導力を持ち、厚さが原
子1個分の炭素原子シートのグラフェンを、シリコン製のソーラーパネルの透明電極として用いるこ
とで、印加電界によって半導体に直接影響を与えることができることを発見。電極の作り方について
グラフェンを利用したものと、極めて細いナノワイヤーを利用したものの2つが提案されている。

 

※   E=pmsqrt{gamma_0^2left(1+4cos^2{pi k_ya}+4cos{pi k_ya} cdot cos{pi k_xsqrt{3}a}right)}

一見するとハッとさせる発明のようにみえるが、これは従来のITO膜など、半導体セラミックスを中
心とした材料を主体とした透明電極膜からグラフェン、カーボンナノチューブ(CNT)などの炭素系
の一次元材料あるいは平面材料や導電性ポリマーなどからなる透明導電膜に変わるもの。これにより
よりフレシキブルで廉価な透明導電膜を実現。しかしながら、酸性官能基を含むカーボンナノチュー
ブ、グラフェン導電性ポリマーあるいはそれらの複合体から作製された透明導電膜を例えばディスプ
レイの透明電極に利用し、配線用金属電極と接合した場合、膜中に含まれる酸性官能基により、接合
する金属電極の腐食が起きてしまうという問題を孕んでいる。しかし、これらの問題も既に取り組ま
れていて解決も時間の問題と考える(参考に下図、ダブルクリック)。

     特開2012-146603
特開2012-140308

このように、先日のブログの『世界同時進行性Ⅲ』の米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)が、
既存の太陽光発電技術で、米国全土の電力を供給できるとのレポートのように再生可能社会のエネル
ギーの最有力候補として認知されているわけであり、その分野の技術力の先行性はメイドイン・ジャ
パンにあり、パネルコスト競合で中国、韓国メーカの脅威があるといえばあるが、わたし(たち)に
とっては二義的な話であり、日本の産業育成産助戦略の如何に関わる問題で、このように太陽電池の
現代神「ヘーリオス」にとって余裕のハードルにすぎないと言うわけだ。さらに、前述の蓄電池ネッ
ト網の課題は、『限定された類と盛岡冷麺』で紹介したように、環境発電と二酸化炭素冷媒とヒート
ポンプシ
ステムを組み合わせた「チューブラー革命」に代表されるようなシステム、所謂、ここでの、
ブログアバターであ
る蓄電網の現代神「デクサマニー」の出現を待つだけの問題になりつつある(こ
のシステムについてはまた後日、考
察してみる)。 

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アスリートのそれぞれの夏

2012年08月06日 | 日々草々








【海面近くを泳ぐ浮魚より、底魚に高濃度汚染の危険】

水中をただようプランクトンや懸濁物(粒径2mm以下の不溶解性物質の総称)にも汚染の影響が出た(図2)。
動物性
プランクトンのセシウム137濃度は5~40Bq/kgヽ懸濁物は10~60Bq/kg(いずれも乾燥重量)という数値。
ことし7月に入り、石丸隆教授らの東京海洋大学の研究グループは福島県いわき市の沿岸から沖合およそ60
kmまでを調査。沿岸3km付近で採取した動物性プランクトンからは放射性セシウム(セシウム134+セシウム
137)
669Bq/kg(湿重量、以下同様)を記録。原発事故の影響とみられ、石丸教授は食物連鎖による魚類への汚
染を警告し
た。また、同市沖10kmの海底で採集したオカメブンブク(ウニ類)は854Bq/kg、ゴカイ類は471Bq/
kgを検出した。



 

 

 

 

   ここで僕の確信は失せてしまう。 僕は方向という方向を
   なくしてしまう。 川の流れの上には
   毛針がある。 僕の思いは
   クリークの対岸の森の空き地にいる
   ライチョウみたいにぶるぶると震える。

   突然、合図でもあったみたいに、鳥たちは
   音もなく松林の中に消えていく。


                                                                           “ With a telescope rod on Cowiche Creek 

                                          『カウィッチ・クリークで、伸縮式竿を手に』
                                            レイモンド・カーヴァー 村上春樹 訳



【イタリア版食いしん坊万歳:茄子のグリルとポーチドエッグサーモンソース】

 Salmone bollito e fonte melanzane alla griglia

材 料:米なす 2個、卵 4個、スモークサーモン 40g、ピクルス 大さじ、ケッパー 大さじ2、パ
    リ 少々、マヨネーズ 60g、生クリーム 大さじ1、酢 少々、オリーヴオイル 大さじ2
作り方:米なすはところどころ皮をとり、1.5cm厚さの輪切りにする。塩をし、約10分置いてアクを抜く。
        アクがてくるので、ペーパータオルなどでふき取る。次に、ボールにマヨネーズ、みじん切りのス
    モーク
サーモン、ケッパー、ピクルス、パセリ、生クリームを入れ、よく混ぜる。フライパンで米
    なすの
両面をオリーヴオイルで炒め、皿にのせる。鍋に湯を沸かし、沸騰したら火を弱め、酢を少
    々入れ、
レードル(お玉)で湯を丸くかき回し、渦巻き状にする。その中心に卵を静かに落とす(上
    図A)。渦
巻きの力で、卵の形がきれいになる(B)。卵をすくい上げ(C)、レードルの水気をよく
    切ってナス
の上にのせ、サーモンソースをかけて完成。卵が新鮮であれば美味しさが増すいうもの
    だ。


【アスリートのそれぞれの夏】

オリンピックも後半のトラック競技に入り、閉会式に近づにつれ選手達のドラマが語られ、それぞれの心の
襞やエピソ
ードを垣間見るにつけ、こちら側がなるほどと感心し、あらためて感心し直すこともしばしば。
例えば、フェンシン
グ男子フルーレ団体戦の銀メダル獲得の立役者の太田雄貴がどのようにしてスランプか
ら立ち上がり、このロンドンにピーク調整させてきたことや
、アーチェリー銀メダルの古川高晴が、的が疲
労で見えぬ状態下でも、ベストイメージを頼りに射的動作を繰り返し射的していたかを耳目するにつけ感心
するというわけで、これは極めて有益な生涯教育を受講していることと同じだよなと、これは実に面白いと。
 
さて、もう少しするとオリンピックの熱い夏を越え、ここに集いしそれぞれのアスリートらの秋がはじまる。

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里山の樹液レストラン

2012年08月05日 | びわこ環境

 


 

Quercus acutissima.jpg



【里山の樹液レストラン】

ひと昔、夏は近くの河辺にある雑木林のクヌギに、樹液発酵する匂いに誘引された昆虫たち集まるスイート
ポイントがあった。夜になると夏休みの親子づれがカブトムシをよく捕まえに来ていた。今年はどうなって
いるのかわからないが、それと雑木林には梟も住み着いていてその鳴き声はいまも耳にすることがある。勿
論、日中は車や人の往来でなりを潜めている。夜になると一転、冬には狐が徘徊することもあるが。さて、
昼間はスミナガシ、ヨツボシケシキスイ、ヨツボシオオキスイ、ミヤマクワガタ、オオスズメバチなどは日
中やってくる常連で、夜ともなれば、シロスジカミキリが開けた穴から樹液溢れ、ヤマトゴキブリ、フクラ
スズメ、シロスジアオヨトウが時を変えてこの樹液レストランに集まる。もうすぐすると地蔵盆がやってく
る。そうして暫くして暑い暑い夏が峠を越え、そうやって里山の子らはやがて優しい大人に成長していく。
なんと長閑なことか、なんとも豊穣なことかと。きみは、草笛をつくって鳴らすことはできるだろうか。僕
は下手くそだったが、僕の仲間は皆上手だ。そう、郷里の墓参りの途中、親父も上手に僕の前でこしらえ楽
しそうに鳴らしてみせてくれたっけ。そうして、白い入道雲の空の彼方に去って幾夏も数えることとなった。





 【粉体プロセッシングによるレアメタル回収】

様々な物質が混じり合った鉱石から金属などの有価物だけを採り出すには、最終的には固体を溶かす方法が
効率的だが、そのためには、膨大なエネルギーが必要になる。これに対し、鉱石に含まれる有価物を濃縮し、
その溶かすエネルギーを最小限にするミネラルプロセッシング(鉱物処理)技術は、最も古い産業技術のひと
つ。現在では、鉱石に留まらず、人工物を含むあらゆる固体から、これを溶かさずに固体の状態のまま必要
な物質の粒子を分離する「粉体プロセッシング」として発展。この技術はもっとも環境負荷が小さい分離方法
だが、粉体は液体のように均質ではなく、目的の物質だけを分離するのは簡単ではない。この粉体プロセッ
シングに物理、化学、電気などの最新技術・理論を用い、より効率的な分離方法の開発にチャレンジしてい
るのが早稲田大学創造理工学部・環境資源工学科の所千晴准教授。



まず、XAFS(固体中の物質の詳細な構造まで非破壊で分析で、従来のX線ではわからなかった極めて微量な

構造の差異まで見つけることができる装置)で固体の特徴を把握→破砕(このとき、破砕もやみくもに細か
くするのではなく、必要な物質だけを効率的にとり出す)→コンピュータを使い、粉体全体の挙動を解析す
るシミュレーション技術で、比重のわずかに異なる2つの粒子の分離機構を明らかにすることができる。こ
れを使用し、電子機器の基板を細かく破砕しまうと、一部のレアメタルは分散してしまい、リサイクルがよ
り難しく、基板の表面からレアメタルが濃縮した部品を壊さずにはがすのだという。洗濯機のドラムのよう
な粉砕機に電子機器の基板を入れ、物理的にかき回すシンプルな方法だが、ドラム内の回転羽根の形状や周
囲の壁質、ドラムの回転数、基板の投入枚数など、最適な組み合わせをコンピュータでシミュレーションし
ながら理論を構築し。この技術で、装置の仕様変更もシミュレーション上でできるため、実際の実験の回数
を減らせ、製品の実用化までの費用も減らせ、リードタイムも短縮できる。レアメタルのリサイクルと並び、
所准教授が取り組んでいるのが、廃水処理技術の開発だ。





レアメタルのリサイクル技術は、部品を剥離する物理的なアプローチであるのに対し、廃水処理技術は、薬
品を使って有害物質を分離する化学的なアプローチが必要になる。全く畑違いの研究のようだが、所准教授
によれば、物質の粒子の特徴に基づいて分離するという基本的な考え方は同じだという。廃水処理の研究で
は、粒子特有の固液界面特性(固体と液体の境界上での特性)を利用し、廃水中の重金属の有害元素を汚泥内
に固定、あるいは沈殿生成する機構を、化学平衡計算をベースに表面錯体モデルや速度論も入れながら解明
している。コンピュータを使ったシミュレーションのほか、ビーカーを使った実験も繰り返し、汚泥のなか
に効率的に有害物質を固定する機構を解明した。これが実現できれば、廃水処理に伴って発生する汚泥の排
出量も抑えられる。

図1

これらの技術を応用し、鉛汚染土壌の洗浄技術の研究も行っている。従来、鉛汚染土壌を浄化する場合は、

大量の水を投入して鉛を洗い出し、大量の廃水が生じる方法がとられてきたが、所准教授は、鉛を含んだ土を
ミキサーにかけ、土の粒子を削り、粒子の大きさで有害土壌可能な限り減らしたうえで、洗浄する方法を開
発した。こうすれば、化学薬品を使う量も抑えられる。研究開発における企業との連携は、企業が開発した
装置の評価=メカニズム解明や工業廃水処理での汚泥の削減方法の研究に加え、最近は、汚泥に取り込んだ
銅やレアメタルなどの金属の再利用の相談も増えているそうだ。研究に対するニーズの高まりに手応えを感
じる一方、時に、ハードルも感じるという。コストの問題だ。地球環境への負荷軽減を重視して技術を開発
しているが、環境負荷の小ささより、費用の安さが優先されてしまうことも少なくない。これまでに蓄積し
たキャラクタリゼーションのノウハウやデータ、シミュレーション技術などを用いながら、環境とコスト効率
に優れたオリジナルのプロセスや装置の開発も重要だ。



【表面形状を30~2000コマ/秒で3次元計測】

ダイナミックに変化する対象の3次元シーンの計測が注目されているが、人物を瞬時に計測してその動きを
解析し、デバイスの装着が不要のゲーム用製品や、自律移動するロボットの目として利用する研究が進めら
れている。このように計測対象あるいは計測者が動く動的シーン計測の重要性が強く求められているが、こ
のような用途で動いている物体を計測するセンサーは、撮影できるフレームレートが限定的(~30コマ/秒)
で、精度や密度に関してもさまざまな測定を行うには不十分だった。高速・精密な形状計測を同時に実現で
きれば、医療応用や流体解析など、3次元形状計測技術の応用範囲が格段に広がる。

The 34th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society
(EMBC2012)
で発表される。


波線格子パターンの投影による動作の計測写真

産総研の知能システム研究部門で開発されたこの技術は、波線からなる格子パターン光を物体に投影し、カ
メラで撮影し撮像された瞬間の物体表面の3次元形状を計測可能とする。高速度カメラを使えば、非常に速
く運動・変形する物体の計測もでき、従来の技術ではなしえなかった、高速・精密な形状計測を同時に実現
できるものだ。



朝から自治会館の掃除で、畳、座布団の虫干し、草刈り、剪定で汗を流す。昼から近所の草刈りという段取
りだったのだが、これはオーバーワークということで中止。持久力、体力の低下を実感しつつも、ジムでさ
らに再度汗を流す。友人とゆっくり飲みカラオケでもと誘い約束する(高枝剪定ハサミの修理でプラスドラ
イバーを借用したついで)。ことは予定の半分しかできないというのがここ数ヶ月間の実績。夕食は珍しく
トロサーモンと茄子漬けの自家製の握りと白い金麦2本。これは美味い。
 

                                                                    

 

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世界同時進行性Ⅳ

2012年08月04日 | 日々草々

 

Spezzatino di abbacchio all'aceto

【イタリア版食いしん坊万歳:仔羊のスペッツァティーノ、お酢風味】

食 材:仔羊(アッバッキオ)の腿肉あるいは肩肉1.2kg、ラード60g、酢100cc、アンチョビーのフィ
    レ4枚、ニンニク3片、ローズマリー、小麦粉、塩、コショウ
作り方:鍋にラードを入れ、ローズマリーの小枝一本と一緒に強火で熱する。風味がついたら,ローズ
    マリーを取り出し、仔羊の肉をおのおの30gぐらいに切り、小麦粉をまぶして鍋に入れる。そ
    して塩、コショウをふりかけながら、表面が狐色になるまで焼く。ほどよく焼き上がったとこ
    ろで、酢を加え、ニンニクと塩抜きしたアンチョビーのフイレを一緒にすり混ぜたものを入れ
    る。時々かき混ぜ、よく混ぜ合わさったら火を止める。

 

【続・たまには熟っくりと本を読もう】


 

   茂木-利己的な本能と理性の役割 

    生物学者のリチャード・ドーキンスは『利己的な遺伝子』(紀伊國屋書店)という本の
   なかで、「そもそも生物というものは利己的なものであって、利他主義だとか平和主義だ
   といったことは、生物学的な原理としては希望しえない」という意味のことを書いていま
   す。また、生物は仲間同士殺し合わないのに人間はなぜ殺し合うのか、といったナイーブ
   な議論がありますけれども、実際には生物はお互いに殺し合うし、子殺したってあります。
   その意味では、人間が核兵器をつくって、人類という種自体をお互いに殲滅し合うような
   ことになってしまったのも生物の進化のなかではごくふつうの振る舞いだといえると思い
   ます。
    しかしその一方で、ドーキンスは、「人間は理性、理念、理想といったものも手に入れ   
   た」といっています。ということは、われわれ人間は古典的な意味での生物から一歩踏み
   外している(あるいは、踏み出している)ところがあるから、平和とか非職といったこと 
   も考えられるのだということになります。
    これまで大勢の編集者と会ってきて、わたしが前々から感じていたのは、いわゆる進歩
   的な左翼の人よりも、右翼っぽい人のほうが生き物らしいということです。声高に日本を
   主張する人たちのほうが生き物としては勢いがあるせいだと思いますが、それはドーキン
   スの利己的遺伝子の理論に照らし合わせても当然の話です。しかし、生物としての本能が
   出すぎているきらいもあって、たとえばナチスに利用されたニーチエの「生命哲学」あた
   りまでさかのぼって考えると、ある種危険な流れでもあるように感じます。同様のことは、
   一般社会の生活感情についても見られます。つまり、最近の傾向はちょっとナショナリズ
   ム的な回路と共鳴しはじめているような感じがします。
    そのとき、知識人という存在は伝統的に、生物的な本能からは少し離れて、理性とか理
   念に基づいて社会の流れに警告を発する役割を担ってきた側面があると思いますが、いま、
   そうした知識人の役割についてはどう思われますか。

   吉本-自然と倫理について

     ぼく自身、ナショナリスティックな部分をたくさんもっていて、スポーツでいえば、ボ
   クシングでもサッカーでも何でも構いませんが、気がつくとひとりでに日本を応援してい
   るということがよくあります。おっしやるとおり、動物としての人間というふうに考えれ
   ば、人間もほかの動物とそんなに懸け離れているわけがないから、利己的な遺伝子の過程
   にあるのだという考え方が成り立つと思います。ただしぼくは、そういう言葉は使わない 
   で、それが「生物的自然」だといっています。現在までの人間の遺伝子や地域的特性、あ
   るいは風俗習慣などから見て、スポーツであれ何であれ、地域社会の人を応援してしまう
   のはきわめて自然だという意昧にもなります。
    もっとも、人間も動物もそう懸け離れているわけではないといってしまうと、そうだよ
   なあとなって、そのあとが続かない。だからぼくは、強いてそういう言い方をしないよう
   にして、それは自然と倫理の問題だとか、善悪の問題だとか、そういう言い方をするよう
   にしています。だから、現在までの段階だったらナショナリズムは当然だということにな
      りますし、ナショナリズム以外のことをいう人間はみなどこかで人工的にごまかしている
      か、あるいは知識人的にいっているか、理性なるものだけを取り出していっているか、そ
      のどれかだということになります。
      ぼくがよく付き合った詩人の谷川雁などは、「もし黒人と白人と黄色人がボクシングの
   選手権を争っていたら、絶対におれは黒人を応援するな」といっていました。そして、「
   日本人と白人が戦っていたら、もちろん日本人を応援する」と続けていましたけれども、
   そういう谷川雁の言い方には人為的な「何か」が入っているわけです。その「何か」とい
   うのはわかっていて、大きくいえば理性が入っている。あるいは知識、見識が入っている。
   もっと小さくいえば、政治性が入っているし、党派性が入っている。
    でもぼくは、これから先のこと、つまり未来のことを考えたいものですから、「人間と
   動物」といった言い方や党派的な言い方はしないで、むしろ「自然と倫理」といった言い
   方をしたいと思っています。それはどういう意味かといえば、先に三木成夫さんや安藤昌
   益のことをしやべったときにいいましたように、天然自然というものと倫理や善悪が結び
   つくところがあるとすれば、そこはどうなっているんだ、という問題の立て方をしたいと
   いうことです。


   茂木-種の自己保存は自明ではない

    ドーキンス自身、生物学的な、言い換えれば進化論的な議論がすべてではないと考えて

   います。『利己的な遺伝子』のなかでは、「そもそも人間が種自身の自己保存を図るとい
   うことでさえ自明ではないのだ」と、そんな過激なこともいっています。

   吉本-自己意識を社会化するということ

    こうした問題を政治問題や社会問題に広げるとします。そして、いまの政党はどんなこ
   とをいうだろうかと考えてみると、このごろは「格差社会」という言葉が流行しています
   から、たとえば「格差社会の状態がますます進行しつつある」というかもしれない。「だ
   から、われわれの党はそこをなんとかしたいと思って格差是正をいつでも心がけている」
   というだろうと思いますが、ぼくはそれではダメだと思います。何かダメかというと、そ
   れは口先だけで、格差社会に押しつぶされている人をおれたちが救ってやろう、といって
   いるだけだからです。
    では、どうすればいいのか。そんなこと、おれに聞かれたってわからないけど、少し考
   えていることはあります。それは、自己意識を社会化するところへいかないとダメなんじ
   やないかということです。
    ふつう政治家は政治意識、社会運動家は社会意識を第一の問題として、それに対してど
   ういう対策をとるかという発想をするわけですが、それではダメなんです。やっぱり、自
   己意識に入ってくるさまざまな否定や肯定、あるいはそんなことは想定できるわけがない
   よというような思い方、そういうものを全部ひっくるめた自己意識を社会化することが必
   要だと思います。そういう姿勢を政治家がとってくれれば、少しは可能性があるといえる
   わけですが、おそらくなかなかそうはならないでしょう。
    自己意識を社会化するとはどういうことか、ということをもう少しいってみれば、自分
   のたずさわっている領域、文学なら文学、脳科学なら脳科学の領域で感じていることをで
   きるだけ広げようとすること、それも実感から離れないで広げていくことです。これを言
   い換えれば、ただのっぺらぼうな社会意識なんて、そんなものは初めからないよ、という
    その意味で面白いと思ったのは、小泉純一郎が「おれは(総理としての)退職金をもら
   わないことにするから、全国の知事さんや市長さんたちも退職金を辞退したらどうだろう
   か」といったことです。あれは結構いいことです。総理大臣も全国の知事や市長も退職金
   を返上すれば、リストラされた人の何十人か何百人かは、生活上一年間ぐらい延命できま
   す。けっして悪い発想ではないし、しかも保守政府の責任者がそういうことをいったから、
   ぽくなんか、おお、小泉って時々いいこというじやないかと思いました。本来の保守的な
   政治家だったら、「そんなことは構うことはないんだ」と、そういうに決まっています。
   しかるべき地位にいるわけだから、知事だったら数千万円とか、総理大臣だったら一億円
   とか、それぐらいの額の退職金はもらえるわけで、「退職金を返上する」なんて言い出す
   はずがない。ところが小泉純一郎みたいな人は半分素人だから平気でそういうことを言い
   出すわけで、こういうふうに、それぞれの人がそれぞれの専門領域で感じている自己意識
   を社会化するやり方に通路をつけられれば、それがいちばんいいことだと思います。
    通路をつけるためには、単に社会意識というものがここにあって、政治意識はあそこに
   あって、それから文学みたいに内向的なものは内向的なところにあって……と、そういう
   ふうに個別的に考えていてはダメだと思います。ぼくらだったら、自分の職業にしている
   ことになります。
   文学の領域で感じている問題意識や経験的なものを政治化したり社会化したりする。文学
   にたずさわりながら体験したり実感したりしたものをひねくりまわし、そのひねくりまわ
   したものから類推して何か思い当たったことをいったり書いたりする。さしあたってはそ
   うやって通路をつくっていく問題だと思います。
    もっとも、われながら「自己意識を社会化する」とか「自己意識を政治化する」という
   のはあまりいい言い方ではないと思います。そんな言い方では、「いったい、おまえは何
   をいっているんだ」といわれそうですが、ぼくがいいたいのはそういうことです。


                              第四章 自己意識を社会化するとはどういうことか

                          『「すべてを引き受ける」という思想』                        
                               吉本隆明 茂木健一郎 著



わたしが、日本国民としてオリンピック競技に熱を上げて応援するのは、利己的な遺伝子や生物的自然
に因縁するらしいことが述べられているわけで、何となく納得するものの腑に落ちたわけではない。
こじつけといえばこじつけだけどねぇ。しかし、大画面の液晶テレビ鑑賞するのもわるくない。競技の
詳細が一目できる上に臨場感が感情移入をさせる。もし現場で観戦していたも競技場の盛り上がりなど
のサラウンド感は比べものにならないが、選手や審判の動きは寧ろテレビ観戦した方が詳細に正確にわ
かるんだという実感だ。それにしても、永井謙佑選手への試合中の負傷が心配だが、エジプト選手のあ
れはどう見てもひどいんじゃないというと、彼女は仕方がなかったんじゃないの(故意でない)と感想を
洩らす。それにしても、科学技術の進歩はすごいもんだとあらためて感心し、昨夜らいの「世界同時進
行性」とか「ノンリコースダーツ(負債返済制限)」と言う言葉に引き摺られながらも吾ながら巧く言
ったものだと感心している。

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世界同時進行性Ⅲ

2012年08月03日 | 環境工学システム論

 


 



   暗く影々とした冬が終わって、僕はここで、
   春のあいだずっと、晴ればれとした気持ちだった。優しい光が
   僕の胸を満たすようになった。僕は椅子を
   寄せて、海にむかって、何時間もそこに座っていた。
   ブイの音を聴きながら、鐘と、鐘の音との違いを
   聞き分けるこつのようなものを
   学んだ。僕ぱすべてのものごとを、背後に
   押しやってしまいたかった。僕は自分が 

   人間ではなくなることさえをも望んだ。じっさいにそうした。
   僕はそれを認める(それについては、彼女も口添えしてくれるだろう)。
   僕はその朝に、記憶に蓋をかぶせて、
   止め金をぎゅっと締めた。
   それを永遠に封じこめてしまったのだ。
   誰も知らない。ここで、この海で、何か
   僕の身に起こったのか。知っているのは僕と君だけ。
   夜になると、雲が出て、月をその奥に隠す。
   朝方には雲は消えている、そして僕がさっき言った
   優しい光は? それもまた消えている。

                              
                           レイモンド・カーヴァー 村上春樹 訳      

                                   “ Sweet Light ”『優しい光』

 



【米国も太陽光発電の実力を評価】

いまさらながらというわけではないが、米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)が、既存の太陽光発電
技術で、米国全土の電力を供給できるとのレポートを公開(上図クリック)。それによると太陽光発電は
ほかの自然エネルギーを利用した発電手段よりも多くの電力を生み出せる潜在能力があるという。巨大太
陽光発電プラントや屋根用太陽光発電、集光型太陽熱発電といった既存の太陽光発電技術を組み合わせる
ことで、米国だけで20万ギガワットの発電量が可能であるとしている。ちなみに1ギガワットで1つの原
子力発電所の発電量に相当しおよそ70万世帯に電力を供給することができるとのこと。なお、6月ドイツ
太陽エネルギー発電所は、1時間当たり22ギガワットの電力を作り出す世界記録を達成しているから、

年間発電量は、NREL予測の10分の1に当たる実績になるが、日本は1ペタ(千兆)ワットの発電能力があ
るとこのブログで試算しているから、NREL予測数値にはまだまだ上積みできる余地(10ペタワット)はあ
ると思っている。

 【続・夏期特訓 反増税講座】

液晶パネル事業が極端な不振に陥ったシャープは2日、約5千人の人員削減に踏み切ると発表。経営改善
のために人件費など固定費圧縮が不可欠と判断。同社はこれまで「液晶のシャープ」を掲げ、人材や資源
を液晶事業に集中投資して成長してきたが、液晶の市況が悪化するとそれが逆に弱みとなり、人員の余剰
感につながった。奥田隆司社長は「液晶一本足」からの脱却を誓うが、液晶に代わる収益の種は乏しく、
復活の道のりは険しいと見通しが報じられた。多少なりとも下請けや協力企業サイドからの眼からは「因
果報応」(社会科学的回帰式→因果律)ととらえていることは想像に難くない。とはいえ、最終(当期)
損益が1384億円の赤字(前年同期は492億円の赤字)からのV字回復は厳しい。さらに、シャープに留ま
らず家電・半導体メーカなどの経営悪化が続いている中、失業者の輩出増加など社会へのマイナス面の影
響を考えると、早急な景気回復が望まれる。

 

一方、欧州危機に眼を転じると、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は2日の定例理事会後の記者会見で、
ユーロ圏諸国の国債利回り上昇に対応するため、同圏諸国の協力などの条件が整えば「徹底的な公開市場
操作(オペ)を行う可能性がある」と明言したことが報じられている。スペインの国債利回りが危険水域
で高止まりする中、協調して国債を買い取る準備を進めるとみられる。同総裁は、オペ開始には (1)ユー
ロ圏諸国の財政健全化(2)金融安全網である欧州金融安定化基金(EFSF)、欧州安定機構(ESM)も責務を
果たす―ことが条件と明言。数週間で、オペの詳細を詰めるとした。実際の買い取り開始には、スペイン
など対象国がユーロ圏に支援を要請することが必要になるとみられ、国債購入に慎重なドイツの動向に含
みを残しているという。

さて、『夏期特訓 反増税講座』の続き。ローマ時代ごろの情報伝達速度は1日10キロメールだったもの
産業革命を経て今日のデジタル革命のダウンサイジング下にあってはほんの数秒で地球を1周し、物流量
は幾何級数的膨張に寄与し、ハードのソフト化(イレージング/シームレス)や保存・保管技術の進化は
凄まじいデフレーション効果を生み出し、また、大航海時代にあっては緩っくりと科学技術・文化移転さ
れていものが、1年足らずに短縮することも可能となった。このように看て行くにつれ、現行の国や企業
の会計が時代遅れ(瑕疵化)があらわとなっている。例えば、資産と負債を毎期末の時価で評価し、財務
諸表に反映させる会計制度の時価会計は、従来の取得原価主義会計の下では、取得価額(帳簿価額)と時
価の乖離が大きくなっている。このため、国・企業の経営を帳簿価額のみに基づいて判断できず、日本で
は、金融商品について、2000年4月(但し一部の金融商品の時価会計の導入は2001年4月以後開始する事業
年度から)以後開始する事業年度から原則適用され、時価会計の導入に伴い、金融商品の時価に基いた現
状把握ないしは事業全体の価値や株主価値などの最適化する時価経営に切り替えられてきている。

この時価会計とあわせ、実物経済に対する組織的働きかけ(=事業)の効果を測定するあるいは評価する
方法が問題となるのだが、つまりは、すべての事業は経済的効率と財務的効率という二つの効率の値を持
つが、例えばある営利事業が社会にとって必要とされる物やサービスの生産・販売等を行うことにより利
益を上げているとすれば、経済的効率、財務的効率がともにその評価を数値化・評語化する必要がある。
また、公共事業は、経済的効率は高くとも、収入が無いから財務的効率は「0」である。一方、営利事業
には、財務的効率は高くとも経済的効率は0であるもの、すなわち、多額の収益を得ているが社会に対し
何ら貢献しないものもある。

非営利、特に国や公共団体の事業の経済的効率を評価する費用便益分析(B/C)は、先ず公共事業に適
用し、事業の採否、継続の可否等の合理的判定の基礎資料に供してきたが、公共(公的)事業に止まらず、
すべての事業について社会への貢献度の根拠情報として利用している。また、環境を守るために支払って
も構わない金額(支払意思金額)を尋ねることによって、環境の持っている価値を金額として評価する
想評価法 (CVM; Contingent Valuation Method) は、まず環境が保全対策によって改善されたり、ある
いは逆に開発によって悪化するなどのシナリオを回答者に提示し、環境改善を行うためならば支払っても
構わない金額、あるいは環境悪化を防止するならば支払っても構わない金額をアンケートし、環境の価値
ど、地球環境問題に関する幅広い領域についても評価されている。このブログで過去にも掲載(『未来国
債の創造』『立金花と風見鶏』『全国電気配線埋設化計画』)した
『全国電気配線埋設化計画』などは生活
基盤の再定義、再設計とその事業評価に深く関係し(一括的生活品位向上運動)、よりソフト化した公共事業で、こ
れなどは仮想評価法の対象事業となりうる。事細かなことを例示することにいささかもためらいはないが、ここでは
割愛し、それどれの事業の質の、内容の、あるいはコンテンツの高度化、差別化、新規化への対応が急がれてい
ることの指摘にとどめる。



大切なことは事業の形式が同一であっても内容が異なること、その意味では「コンクリートから人へ」という政策スロ
ーガンは正鵠を得ているだろうし、内容が同じでも事業実現手段・構成仕様が異なる場合もあり(人海 vs 機械、
アナログ vs デジタル、ハード vs ソフトなど)、当然、事業費用も変化するからこそ、時価会計化急が
れるわけだが、負債返済の強迫神経症に陥ると、そうでなくても、事業の瑕疵や運営経費、リスク、陳腐
化あるいは劣化)の実体認識できず、あるいは、負債返済制限(ノンリコースダーツ:non-recourse debt
=非遡及型負債)を‘禁じ手’と誤認する過ちを犯す。それでもそれ回避する手法・管理技術(今風にい
うと「見える化」)が明確でないことを認めなければならないが、だからこれを解決できれば、それこそ
ノーベル経済学賞を超えるもので日本から初の受賞となることは間違いないだろう。社会保障と税の一体
改革を本物にするためには「消費税 or 所得税」依存性の議論を含め冷静な取組み直しが必要だと考える。

※ノンリコースダーツ(負債返済制限)という言葉は今回初めて使用した。

 

 

自分では極度のあがり症ではないが、中程度のあがり症でこの年になっても直っていないのだが、毎日試
合や稽古で明け暮れているプロでもプレッシャーに押しつぶされてしまうのだと、百キロ級男子柔道を観
戦し終え暗澹たる思いに塞ぎこんでしまった。彼らが背負っているものは並外れたものには違いないけれ
ど、スポーツ心理学を組織的に極め担保あるいは補償するシステムの向上がなければ、いろいろ批判はあ
るだろうが世界の天辺には居座れないだろうなと思う。思うが競技の世界化は、相撲をみても横綱はずっ
と日本育ちのモンゴル人の白鳳だからこれは避けられないと、彼女じゃないが了解できるものの無性に腹
立たしいのも事実だ。

スポーツマンのためのメンタル・タフネス

ところで、メンタルトレーニングの大まかな考え方は、思考をポジティブにし、自分の能力やおかれた状
況を客観的に把握し、パフォーマ ンスの改善に役立たせようとするもの。 思考をポジティブにするため
には、自己を肯定する作業を行い、その時点では達成の可能性が低いことでも、自分がこうありたいと望
む方向や、達成したいと望む目標を自分の中で繰り返すことで「もしかしたら、俺にも出来るかも!」と
思えるようにセルフコントロールすることとある。さて、明日は、是が非でも百メートルを力泳できる持
久力を復活させるぞ(きょうはできなかったが)! 
 

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世界同時進行性Ⅱ

2012年08月02日 | 政策論

 

 

 

 

      朝取れの オクラマイクロ イエローな 仕合わせ載せて 涼を運ぶ  

 

 




北島、石川などの惜敗を伝えるロンドンオリンピックを観ていると彼女が取り立てのマイクロトマト
やイエロートマトなどを無道さに入れたポリ篭をみせながら、このオクラは細身で六角形がなるいと
いい、イエロートマトは皮が柔らかく甘いのよという。それじゃデジカメしようと返事していると、
彼女は台所で採ってきたものを皿に盛りつけているので、いや、さっきの篭のままのみずみずしさを
撮りたかったんだよといいながら、さっと撮り終えると、今日もこれから暑くなる台所だが、朝の涼
しい風が漂っている。




【太陽光発電バブル、土地争奪の幻影】

7月1日に始まった太陽光発電など再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)により、放置さ
れていた地方の土地の争奪戦が過熱しているという。中でも太陽光の買い取り価格は1キロワット当
たり42円と、30円台後半とみられていた事前予想を上回る高値となったことで、これまで様子見だっ
た企業が次々と発電事業への参入を表明。太陽光パネルを製造する大手電機メーカーだけでなく、ソ
フトバンクなど異業種も発電のための土地取得に乗り出しているからだ。実際、山梨県などでは競争
率が高くなり、顧客が土地の入札に落選し、案件が白紙になることもある。一方、和歌山県では日照
時間が長く、県内には6.5ヘクタールに及ぶ工業団地「コスモパーク加太」や、20ヘクタールの旧南
紀白浜空港の跡地など、太陽光発電に適した空き地が多数あるが、80件以上の問い合わせが殺到した
ものの、太陽光発電所はパネルを置くだけで雇用を生まない。工場や商業施設誘致で街を活性化させ
たいと消極的だという。また、企業側は買取制度期限の20年の賃借契約や安値を提示してくるという。

条件がマッチしないのは自治体だけでなく、農地は農業以外の目的への転用が禁じられているなど利
用できない規制がありネックとなっいる。国は今夏にも将来的な電源構成の基となる「基本エネルギ
ー計画」を策定予定でいるが、2010年10%程度だった再生可能エネルギーの発電比率を30年までに25
~35%に引き上げるとし、FITはその原動力。経済産業省の試算では、12年度の再生可能エネルギー
の発電能力は前年度から原発2基分に相当する250万キロワット増加見通し→これは電力会社による
供給力の1%程度にすぎないなどという問題も合わせ土地の有効活用など克服すべき課題も少なくな
い状況にある(「太陽光発電バブル、土地争奪戦の実態」東洋経済オンライン 8月1日12時3分)。

最初の自治体の思惑とのミスマッチは共同体の政策によるものだし、2番目は参入企業の姿勢で資本
の論理によるものだ。3つめは農地規制で規制緩和が対象となる。そして最後は原発依存度である。
そう考えてみる「土地争奪戦」という見出しは何を現しているのか全くピントボケに思える。結論か
らいうとデジタル革命を体現した太陽光発電は「土地争奪戦」など原理的に起こりえないと考えるか
らだ。前述の3つめは、強いて言うなら波及的な「ボーダレス」に該当するが、デジタル革命の第1、
2、4の基本則すなわち、「シームレス」「ダウンサイジング」「デフレーション」が貫徹される限
り、所要設置面積は自然減するからだ。言い換えれば、一度設置してしまえば20年後の減価償却期間
が過ぎる更新時には、同一設置面積で当たりの発電効率は向上し、価格は下落しているからだ

これは既得権益者にとっては脅威になるから政治問題化されするかもしれないが、すべては保守反動
だから結果は明白だが、なによりもこれらの政策が進行することで得られる成果の方が重要で、その
ことで、スマートシティ化やエネルギー供給の自由化、地球環境保全促進が図られ、デジタル技術で
完全装備された地産地消型の新しいアクロポリスが形成されることだ。

京都大学  iPS細胞研究所  CiRA(サイラ)

【筋萎縮性側索硬化症に光明】

京都大iPS細胞研究所の井上治久准教授(神経内科)らが筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬
開発につながる物質を、患者から作った人工多能性幹細胞、(iPS細胞)を使って世界で初めて確
認。これは「アナカルジン酸」という物質で、神経の異常を改善する働きがあり、米科学誌「サイエ
ンス・トランスレーショナル・メディシン」電子版に1日掲載されたが、ALSは脳の指令を筋肉に
伝える神経細胞(運動ニューロン)に異常が生じ、徐々に全身の筋肉が動かなくなる難病。国内の患
者は約8,500人とされ、有効な治療法がない。研究グループはALS患者のiPS細胞から分化した
運動ニューロンの性質を調べた。その結果、信号を伝える神経突起の長さが正常な場合の約半分しか
なく、細胞質に「TDP-43」という特殊なたんぱく質が凝集するなど、実際の病理組織と同じ特
徴が観察された。このたんぱく質が増えると、神経細胞の形成に関係する遺伝子の働きに異常が生じ
ることも分かった。さらに各種の試薬をニューロン細胞の培養液に加える実験を繰り返した結果、ア
ナカルジン酸が「TDP-43」の合成を抑えることが判明。神経突起の長さも16時間後には通常の
長さに回復した。 井上准教授は「動物実験でなく、患者のiPS細胞から作ったニューロンで効果
を確認した意味は大きい。安全性の確認など課題はあるが、一日も早く新薬を開発したい」と話して
いる。





これまた、再生医療分野におけるiPS細胞応用技術はすさまじい進歩だ。またの引用だが「科学の発
達はちょっと止まりようがないからどこまでいくか、ぼくなんか、もうキリがなくいきそうな気がし
ます」(『ホープフル・モンスター』)と強迫されそうな思いに駆られるが、科学技術には陰影はつ
きも
の。ここは慎重かつ迅速な難病解決に期待したい。



世界同時進行性という言葉をはじめて使って、1日目だというのに改めてこの山中伸弥教授らの成果
が世界中隈無く、シンクロナイズしていることに驚く。世界同時進行性とはデジタル革命の第2則の
ダウンサイジングの別称であるとわたしは思っているが、こんなことに思い巡らせていると年齢とい
う意識をイレージングしていることにふと気づく。
 

 

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世界同時進行性Ⅰ

2012年08月01日 | 環境工学システム論

 

 
【反措定技術 レアメタルフリーバッテリ】

 



レアメタルがレア故に独占されてしまう。その意味では現在も世界政治経済の幻想的基軸の「地下化石

燃料・地下資源本位制は生き残っていて、いまなお国際問題のコアをなしているようにみえる。えぇ~
いぃ~面倒だ!とアンチ・レアメタル=レアメタルフリーの命題試行が、ドンキホーテーごとき無謀な
冒険に見えないというのがデジタル革命の世界同時進行性渦の現在というもの。

その具体例として、昨年末に発表された大阪市立大学の工位武治特任教授と大阪大学の森田靖准教授ら
のコバルトを使わずに、既存のリチウムイオン電池の1.3倍から2倍の電気容量を持つ電池の開発だがあ
る。これは、携帯電話やノートパソコンなど、ポータブルな電子機器やハイブリッドカーなどの普及に
伴い、充電可能な高性能電池(二次電池)の需要が高まって、二次電池には、鉛蓄電池やニッケル水素電池
など用度に応じて様々な種類があるが、高い電圧が得られ、つぎ足し充電もしやすいなどの理由から、リ
チウムイオン電池がもっとも普及しているものの。リチウムイオン電池は、正極活物質にレアメタルを含
むコバルト酸リチウムを使用しているが、コバルトは、生産国が限られるうえ、需要の拡大にともなっ
て価格が高騰し、資源獲得競争も激しくなってきている。

工位教授らが開発した二次電池は、コバルト酸リチウムの代わりに、石油化合物を原料とする「6-オキ
ソフェナレノキシル(60PO)」と「トリオキソトリアンギュレン(TOT)」という有機スピン分子を正極活物質
に使ったもので、「有機スピンバッテリー」と名付けられた。有機スピン分子とは、化学結合に与らない
不対電子を1個または複数子持つ有機分子のことで、化学的に反応性が高く不安定とされてきたが、分子
スピンの安定化技術は確立しており、今後もどんどん合成される、60POやTOTもそのなかのひとつだと
う。有機化合物を使った二次電池には、ポリマー型のニトロキシドラジカルを正極活物質に用いた
「有
機ラジカル電池」、電気容量がリチウムイオン電池の3分の2程度と小さく、その向上が課題となっ

いたが、分子の量子的性質を制御する上で最も重要なフロンティア軌道に縮重性(エネルギーが等し

量子状態が複数存在する性質)を持たせ、かつ充電・放電過程において電気エネルギーを運ぶ電子がこ

らの軌道を占めるようにバッテリーを設計することで、電気容量を大きく伸ばすことに成功。



電池の安定生産が可能に、安全性でも優れる。また、「有機スピンバッテリー」は、分子間に新しい、強い
結合力が働いるだけでなく、強固な結晶構造をつくり、繰り返し充電・放電しても、結晶・分子構造が崩
れにくいという(上図参照)。一方、課題は、平均出力電圧が3Vを下まわり、リチウムイオン電池の3.7V
比べて低い。しかし、フロンティア分子軌道エネルギーの制御、さらに今使っていない縮重軌道の
用などの軌道エンジニアリングにより、出力電圧は向上させられるという。

レアーメタルの枯渇は石油や天然ガスと同様、海洋・海底資源開発で当面問題ない、ないがコストが問
題なのだ。これに比べ、今回の有機分子スピンバッテリーは、合成段階数が少なく、仕込み原料に対する
収率が高いことから、製造コストを低く抑えることは可能だという。しかしながら、チッソ・水俣病のよ
うに安全性について未知数。この問題を解決し年以内で実用化を目指していきたいとのことだ。

 


【反措定技術 有機薄膜太陽電池】 

 

有機薄膜太陽電池は、光が当たると電子を放出するドナー材料と、放出された電子を受け取って電極ま
で運ぶ
アクセプター材料の2種類の半導体材料で構成され、それらを単純積層するのではなく、2種類
の材料を混合し、
接合界面の増加によって、効率的に電荷分離を起こす「バルクヘテロ構造」が開発さ
れ、変換効率の大幅な向
上が図られてきているが、この構造も万能ではなく、半導体材料によっては分
子同士が重なり合ってしまう凝集
が起こるなど適応できないケースも生じ、また混合層の作製に手間と
コストがかかるという課題を抱えている。
 

これに対し、當摩哲也金沢大学テニュア・トラック准教授らの研究グループは、バルクヘテロ構造を用
いずに、こ
れと同等以上の効率が得られる新しい構造をつくることに成功。その方法とは、デバイスの
基板上に斜め蒸着
を用いて、CuI(ヨウ化銅)をナノメートルサイズの棒状粒子(ナノロッド)の形
で散りばめた、山谷構造を持つシー
トを形成→その上にドナー材料の亜鉛フタロシアニン(Pc)とア
クセプター材料フラーレン(C60)を単純積層→
平坦な基板に比べて結晶性が高くなり、2つの材料
間の接触界面が増加するというもの。


尚、ナノロッドの作製には、高価な平坦透明電極基板よりも、安価で表面が荒れた基板が適するという
コスト面
の有用性を示唆し、ヨウ化銅と亜鉛Pcの相互作用による分子の配向制御によって、光吸収が
増加。それらの
相乗効果の結果、ナノロッドシートを用いた新構造太陽電池の効率は、単純積層型に比
べて3倍の値(4.1%)を示し、従来のバルクヘテロ型太陽電池を越えるという。

 特開2011-82396

【解説】中間層に透明層が含まれていることにより、一方の有機太陽電池単セルでの未吸収光を透過して他方
の有機太陽電池単セルへ送るために充分な透明性を中間層に付与することができ、光電変換性の高いバルク
ヘテロ接合型のタンデム型有機太陽電池を得ることができる。また、中間層で複数の有機太陽電池単セルをオ
ーミックに接合することができ、この中間層に対して陽極側で隣接する有機太陽電池単セルにおける光電変換
層で生成される電子及び正孔のうち、主として電子が電子輸送層を介して透明層に送られ、また陰極側で隣接
する有機太陽電池単セルにおける光電変換層で生成される電子及び正孔のうち、主として正孔が正孔輸送層
を介して透明層に送られるので、透明層に電子と正孔とをバランス良く供給することができ、透明層7を再結合
層として機能させて前記電子及び正孔のバランスの良い再結合を行わせることができる。また、透明層は光透
過性が高くこの層を厚くすることができるので、塗布によって光電変換層を形成する場合においても、二つ目の
ブレンド材料を塗布する際に、溶媒が浸透することを防ぎ、一つ目の光電変換層を保護することができる。また、
中間層を電子輸送層/透明層/正孔輸送層の少なくとも三層構成にすることで、タンデム化での開放電圧のロ
スを低減することができ、タンデム化による特性の低下を抑制することができる。

特開2011-066265 有機薄膜太陽電池の製造方法

 【解説】電極間に有機光電変換層を備えて形成する有機薄膜太陽電池を製造方法で、表面に電極を設けた2
枚の基板間に、有機光電変換層の材料を配置する工程と材料を加熱して融解させる工程と、2枚の基板の電
極間で融解した材料を大気圧より大きい圧で加圧する工程と、加圧状態を保ったまま材料を加熱温度よりも低
い温度に冷却する工程で、溶剤を用いたウェットプロセスでなく、発電特性に優れた有機薄膜太陽電池を得るこ
とができるの製造方法

上図の特許の発電効率はまだまだ低いものの、いろいろな形で有機薄膜太陽電池の知財が蓄積されている。
またそのことにより蓄電池や半導体、カラー表示器などの有機エレクトロニクス技術が「日進月歩」「秒進分歩」
で進歩している。これは、ある意味、現在開催されているロンドンオリンピック競技のような状況と例えられるも
のだ。もっとも、競技直前の薬物ドーピングは禁止されているが、平常時の薬物ドーピング(要定義の厳密化)
すなわち、科学技術力を道具として新記録が塗り替えられていると看れば、この流れは止められそうもない。そ
の意味で、先端技術本位制という世界政治経済の幻想的基軸もリアルに躍動しているといえる。

渦 ポルノグラフィティ

あっと、ドーピングといえば化学薬物だけではない。脳への電気的刺激の最適化により運動能力を高め
るよう
な技術が競技直前で行われ、そう遠くない日に問題となるかもしれないのだ。これは柔道などの
動画判定が加
わって混乱する場面を目の当たりにしてなおさらそう思う。 

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