つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

大いなる童心

2006-12-23 05:56:21 | 思ひ出ぼろぼろ
また飲みに行った。

会社の連中とだ。仲間に酔狂な人がいて、誰かの誕生日を
見つけては「誰それの誕生会やろう」と持ちかけるのである。

元々は自分の誕生日に自ら呼びかけ、誕生会を開いたのが
きっかけである。
それも、すべての出費を自分でまかなったのである。

こうなると誰も断る理由がない。
パートの人達も含めて10数人が出席した。

これ自体相当酔狂なのだが、その時みんなもノッテ花束の贈呈、
「おめでとう」のあらし、彼は花束を抱え、おおいに喜んだ。

彼の名は「Uさん」。会社創業からいる主で、大いなる童心の
持ち主である。

このことが忘れられない快感となったらしく、自分の誕生日のたびに
呼びかけ、すべて出費をまかなった。愛すべき人なのである。

しかしこの酔狂さにも段々付き合えない人達も出てきた。
同じ職場で働いている奥さんにもその出費を責められ、
当然それが、他のパート仲間にもわかるようになり、
パート仲間の出席は0になった。

それからの彼の口癖は、「今度が最後だ」となった。
めげない酔狂人なのである。

さすがに気の毒になり、のんべえ有志が集まって会費を
募り、彼の負担を軽くすることにした。

これがまた彼を調子づかせ、有志の誕生日を見つけては
「誰それの誕生会をやるぞ」と今年二度目の会とあいなった
訳なのだ。やっぱりめげない。

今回は焼き鳥屋へ男女7人が集まった。
彼は一番に来ていて、私が着いたときにはすでに酔っ払っていた。
それでもメンバーの一人一人を外に出ては待ち、
来ると喜んで迎えるのである。

店の中でも、「もうビールないぞ」とグラスを持って注文したり
何くれとなく世話をする。それがたまらなく嬉しいのか
いつもニマニマと笑っている。

それでも今日はかなり酔ったのか、幹事の私に2万円を掴ませると
「じゃあな」と帰ろうとするのである。
この後カラオケに行く予定だったので、ちょっとあっけにとられたが、
彼は絶対と言っていいほど歌わないので、ままよと見送った。

ここは駅前なので、彼は電車で街の中心街まで行き、
深夜映画を観て電車を乗換えて帰るのである。

我らは彼の軍資金で、タクシーを拾い、カラオケで
歌った。
「大いなる童心にカンパイ!」ありがとう




コメント
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