つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

のだめカンタービレ

2006-12-25 04:25:08 | ちょっとした出来事
「いいわーノダメカンタービレ」とやたらカミさんが
言うのだが、「何のこっちゃい」とこちらは
訳もわからず、「そののど飴かんたーばれってなんだアー」

と聞くと、どうやら音楽系のドラマらしい。
オカリナをやっているうちのカミさんは、音楽系人種
なのだ。ワタシはといえば、いちおう文系のつもりである。(いや、画系か)

その「のど飴かんたーばれ」とやらの予告を覗いてみると、
あの演技派の竹中直人が変な鼻をくっつけてクッサーイ
外人の芝居をしているではないか。

「なんだ学芸会か」ワタシが陳腐なドラマにあびせる言葉である。

以来数週間観ていなかったのだが、たまたま早番の月曜日
TVが何もやってなくて、何とはなしに覗いたビデオが
「のだめカタービレ」だった。カミさんが録っていたのだ。

「なーんだアレかあ」と失望しつつも、いまだにカミさんが
「のだめは最高ー」と言いまくっているので、これが
そんなにいいんかあーと、しばらく観てみた。

「ン…ほう」ドラマの表現は確かにやや陳腐さはあるものの
原作がコミックらしいので、仕方ないのかもしれない。
よく見ると、登場人物などのキャラの本質はしっかり捉えている。

あの竹中直人のキャラもしかりで、中々面白い人物になっている。
いつの間にか引き込まれていった。

特に前回コンクールに行くバスの中でたまたま聴いた着メロ
「きょうの料理」か何かのメロディーを、コンクール
本番中のペトルーシュカを弾いてる最中にはさんだのである。

「アハハハ」私は笑ってしまった。…が、この笑いは
「やったなあ」という、感嘆の声である。

当然コンクールはダメだったのだが、その直後に主人公野田恵が
発した「自由に楽しくピアノ弾いて何が悪いんですか?」
この言葉が私の胸に刺さった。

「自由に楽しく絵を描いて何が悪いんですか?」と
変換されるのである。

このことは、ずっと自分の胸に引っ掛かっている言葉
なのである。これこそ最高の姿勢なのではないか、
と思える一方で、作者が楽しんで描くだけではダメなんだ、
という思いも、同時によぎるのである。

なぜなら自分一人で喜んでいるだけなら、いっこうに構わないし、
誰にも見せず、一人悦にいってればいいのであるが、
人に見てもらいたい、ご披露したい、世に問いたい。と思ったとき、
そうはいかなくなるのである。

これはいわば先ほど開かれたフィギュアスケートの大会
みたいなもので、ギリギリまで研ぎ澄まされた技術、表現
が、要求されるのである。

これは楽しむというだけではとても無理で、苦しんで苦しんで
悩んで磨きあげてゆくものでもあるのだ。

しかし、ここが一番難しいのだが、それでなおかつ楽しまなくては
ホントに最高のものにはならないのである。

ウ~ムこのドラマなかなか奥が深いぞ…と思った。
それに主人公の野田恵が面白い。
ライバルの少年に、「そのひょっとこ口」と言われた口元が
ほんとうにそんな口元で、しゃべる口調も何だか変で面白い。

そのちょっと変人っぽいところが、まっとうでない私は大いなる
共感を覚えたのだ。ただ残念なことに今日が最終回なのである。

心して観ようかと思っている。
コメント
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