ビールを飲み干す頃には、里山はすっかり暮れて
真っ暗になっていた。
「星がきれいですよー」と感写さんが道路へ出て
空を見上げている。わたしも見上げると、空一面に
星がビッシリと瞬いている。
名古屋市内では、こんなには見えないのだ。同じ
愛知県内だというのに、この違いは何なんだ…。
驚きとともに感激が押し寄せ、思わず道路に
寝ころんで両手を広げた。いま満天の星がわたしの
腕の中にあふれたのである。
しばし、星空に酔った後、ハウスに戻って呑みなおした。
純米酒、焼酎と、とっくに我が限界は超えていたが、
分かっちゃいるけど人間の悲しさは、もはやブレーキは
利かなかったのである。
案の定、トイレでもどし、里山の星の下にて、あえなく
撃沈したのだった…。
翌朝、トンビの鳴き声で目が覚めると、5時である。
感写さんはすでに寝床にはいない。
きのうハウスに入る前、Kさんが「トンビに餌をやるので
行きますか?」というのである。手にはパンの袋を
持っている。それはぜひ写真に撮らなくちゃあと、
スタンバイしていたが、結局、トンビは電柱に止まって
見ていたが、変なオッサン2人がカメラを
構えていたためか、警戒して去ってしまったのである。
「いつもはすぐパンを取りにくるんだけど…」と
Kさんも苦笑い。
「明日の朝、鳴いていたらこのパンをやってください」
と、頼まれていたのを思い出し、パンを持って鳴き声の
する方へと出て行った。里山の空はすでに白んで
いたが、まだ日は出ていなかった。
トンビが数羽旋回している。わたしはこれ見よがしに
パンを差出し、その手を大きく振った。しかし、何度
やっても取りに来ないのである。あきらかに
Kさんではないことを認識していて、来ないのだった。
つまり、わたしは認知されなかったのである。
内心ムッとして、「Kさんでなくて悪かったなぁ」と
捨てゼリフを吐いてあきらめたのだった。
感写さんは、日の出を狙ってカメラアングルを探っていた。
聞けば、昨夜の星が気になってあまり眠れず、夜中に
起き出し、星を眺めて写真に撮ったのだという。
「昨夜のよりうんと綺麗だったですよ」と、三脚を据えて
撮った写真の画像を見せてくれた。
やがて、夜明けの太陽が昇ってきて、里山の
二日目の幕が開いたのだった…。
真っ暗になっていた。
「星がきれいですよー」と感写さんが道路へ出て
空を見上げている。わたしも見上げると、空一面に
星がビッシリと瞬いている。
名古屋市内では、こんなには見えないのだ。同じ
愛知県内だというのに、この違いは何なんだ…。
驚きとともに感激が押し寄せ、思わず道路に
寝ころんで両手を広げた。いま満天の星がわたしの
腕の中にあふれたのである。
しばし、星空に酔った後、ハウスに戻って呑みなおした。
純米酒、焼酎と、とっくに我が限界は超えていたが、
分かっちゃいるけど人間の悲しさは、もはやブレーキは
利かなかったのである。
案の定、トイレでもどし、里山の星の下にて、あえなく
撃沈したのだった…。
翌朝、トンビの鳴き声で目が覚めると、5時である。
感写さんはすでに寝床にはいない。
きのうハウスに入る前、Kさんが「トンビに餌をやるので
行きますか?」というのである。手にはパンの袋を
持っている。それはぜひ写真に撮らなくちゃあと、
スタンバイしていたが、結局、トンビは電柱に止まって
見ていたが、変なオッサン2人がカメラを
構えていたためか、警戒して去ってしまったのである。
「いつもはすぐパンを取りにくるんだけど…」と
Kさんも苦笑い。
「明日の朝、鳴いていたらこのパンをやってください」
と、頼まれていたのを思い出し、パンを持って鳴き声の
する方へと出て行った。里山の空はすでに白んで
いたが、まだ日は出ていなかった。
トンビが数羽旋回している。わたしはこれ見よがしに
パンを差出し、その手を大きく振った。しかし、何度
やっても取りに来ないのである。あきらかに
Kさんではないことを認識していて、来ないのだった。
つまり、わたしは認知されなかったのである。
内心ムッとして、「Kさんでなくて悪かったなぁ」と
捨てゼリフを吐いてあきらめたのだった。
感写さんは、日の出を狙ってカメラアングルを探っていた。
聞けば、昨夜の星が気になってあまり眠れず、夜中に
起き出し、星を眺めて写真に撮ったのだという。
「昨夜のよりうんと綺麗だったですよ」と、三脚を据えて
撮った写真の画像を見せてくれた。
やがて、夜明けの太陽が昇ってきて、里山の
二日目の幕が開いたのだった…。