ジュリアーノジェンマの訃報をラジオで聞いて、
ちょっとショックを受けた。
ジェンマと言えば、一世を風靡した1960年代の
マカロニウエスタンの主演スター、クリントイーストウッド、
フランコネロ、ジュリアーノジェンマのビッグ3の一角であるし、
わたしにとっても他人事とは思えない縁を感じるからだ。
このことは、以前にも書いたが、ウエスタン好きのわたしは、
そのころよく映画館に通って観ていたのだ。
特に、ジェンマには、マカロニウエスタン主演スター特有の
残酷さニヒルさと違う、甘い雰囲気と“白い正義感”の
ようなものを感じて好きだったのである。
思い出すだけでも、「南から来た用心棒」「荒野の
1ドル銀貨」「続荒野の1ドル銀貨」「怒りの荒野」
「続さすらいの一匹狼」「夕陽の用心棒」「星空の
用心棒」などなど…。
当時の友人たちに、よほど熱心に話していたのか、
姿形が似ているわけでもないのに、いつのまにか
「ジェンマ!」と私は呼ばれるようになっていたのである。
それだけに、ちょっとわが身の一部が失われたようで、
ショックだったのだ。
死因は、交通事故だと第一報は告げていた。
75歳とあるので、まあまあ、それなりの人生は
歩んでいたのであろうかと、察せられ、少しは
安堵感を覚えている。
この訃報を聞いた、我が古き友人たちは、
ふ、と私のことを思い出してくれるかな…と
やや、不謹慎ながら頭をよぎったのだった。
まだこちらのジェンマは、のほほんと生きておりますデス。
合掌…。