春先に初めて見る蝶を、初蝶と言って
春の喜びを表した季語になっている。
きょう、初蝶ならぬ初鳥ともいうべき鳥を
見た。
鳥などそんなに珍しくもないとお思いだろうが、
今年、今の今まで、近所の公園内の池に
鳥の一羽も見なかったのである。
この公園の池には、夏は葦が生い茂ってヨシキリなど
やってきて鳴いているのだ。
今は、まだ刈られたままの丸坊主で、青草の一本も
生えていず、浅い水溜りが広がっている。
そこに白鷺が一羽、餌をしきりに探していたのだ。
「お、来たか」と見ていると、何と反対側に
アオサギが同じように餌あさりをしているではないか。
一度に2羽も見るなんて、何となくラッキーな感じで
しばし、眺めていると、ふと。その2羽の真ん中あたりの
大きめの石の上にちょっとした出っ張りが見える。
小さいので、目を凝らしてじっと見ると、「ゲッ!あれは」
そう、鮮やかな翡翠(ひすい)色は、間違いなくカワセミである。
カワセミが、その石の上にちょこなんと留まっていたのだ。
つまり、一度に3羽の違う鳥を見たのだ。
足を止め、しばしその3羽のラッキー鳥を眺めつつ…
今年は酉年、何かいいことありそうな、なさそうな
予感が…。W