思わず声を出してしまった。
アジャカップでの決勝で李忠成がボレーシュートを決めた瞬間である。その声に
寝ていた身内らが起きてきたのだ。「どうだったの?」わたしがサッカーを見ているのを
知っているので、寝ぼけ眼ながら聞いてきた。「やったぜ!日本が点を入れたんだよ」
言うと「ホント!」とやっと目がシャキッとしたようだ。
そういえば何年前だったか、今のマンションではなく以前の一戸建て住宅に住んでいたころ、
やはり深夜の中継の時、点が入って思わず「やった!」と声をあげてしまって、慌てて口を
押さえたのだが、隣りからも声が上がっていたのに気付いて、苦笑した記憶がある。
そうなのだ、このアジアカップの決勝を見ているのはわたしだけではないのである。例えば
その前の韓国戦の瞬間視聴率は36%だったという。するとこマンションは60世帯住んでいるので、
単純に計算しても、21世帯が見ていることになる。それらの人が点を入れた瞬間に声を挙げれば、
いわゆるひとつの音響としてマンションの外にまで聞こえるかもしれないなあ…などと試合後
落ち着いた後で思ったのだった。
今回のアジアカップ、試合ごとにヒーローが入れ替わって、チーム力というものを見せてくれ、
最後にそれまでヒーローになれなかった本田圭一がMVPを獲得して、言うことなしの結果に
終わった。
しかし、わたし個人としてのMVPは監督のザッケローニ氏にあげたい。最初日本代表監督に
決まった時に、「ザッケローニ?」この名前が、「ざけんじゃねーあんにゃろー」を縮めたみたいな
ニュアンスでピンとこなくて、何となくダメだこりゃなどと勝手に思い、(そんな単純なネェ~)
正直あまり期待していなかったのである。
しかし、試合途中で交代してピッチに入れた選手が次々と活躍し、今ではザックマジックと言われて
いるのである。それだけ選手をよく見ているということにほかならない。第一一印象での非礼を
お詫びするとともに、ここに我がMVPとしてザッケロ-ニ監督を選出させていただきます。
優勝おめでとうございます。そして感動をありがとうございました。
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