介護の喜び

「これを見てよ」と袖をまくった肘の周りが青あざに
なっている。知り合いの女性グループとお茶した
時である。

彼女は、認知症専門の養護ホームで介護士を
しているのだ。

80歳〜100歳過ぎまでの利用者が居るとの
ことだが、介護で色々手当てする時に、
どうしても相手の身体を動かしたり、
反転させたりしなければならない時などに
痛がって思い切り強く握ってきたり、
時には殴ってきたりするそうである。

だから、生傷が絶えないというのだl

「これを人に見られたら、旦那はD Vと
疑われるよねえ」と笑っていた。

時折、介護施設での虐待事件などを耳にするが、
介護士さんの苦労も大変だと思った。

しかも、「ぎゃー！」だとか、「殺されるー！」
とか、大声で叫ぶこともあるそうで、近所の人に
虐待かも、と通報された事もあるという。

まさに、介護現場は凄まじいなあと思ってしまった。

それでも、介護される方の時折り見せる笑顔や、
ふと我に返っての「ごめんね」などの一言などに
なんとも言えない喜びがあると語っていた。

改めて、介護の奥深さを知らされた思いがした。