久々に中央の街へ出た。
拙作4点が展示されてる店に行くためだ。
4点とはいえ作者にとって作品は不肖の子供みたいなもので、
時間が許す限り行ってちょっと隅から覗き見ている。
だーれも見てくれなかったら寂しかろうに、という親バカチャンリンの
心情なのだ。
まあここは喫茶店なので、お客はけっこうやってくるのだが、ギャラリー専門の
会場と違って絵の鑑賞が目的ではないので、ちら…と一瞥するぐらいで、
すぐ新聞に目を落とす人や、一瞥もなくオシャベリに夢中になる人も少なくない。
2時間ほど居て店を後にした。
この日の空は晴れ渡り、ポカポカ陽気だった。時間は昼の12時頃なので
昼飯を食べて帰ろうかと噴水のある公園を通りかかったところ、一組の
バンドが路上ライブをやろうとしているところだった。
ここではいつもいろんなバンドが路上ライブをやっているのだ。
やっているのはいいんだが、どれもこれもありきたりの音で、
何だか似たり寄ったりのもろアマチュアレベルなのである。(まあ…
わたしもたまにここを通るだけなのだが…)
この日は男3人女1人の4人グループで、楽器の前で何やらジャレあっている。
またか…「いかに路上とはいえ、なあなあの感じでやるんじゃないぞ、気合を
入れてメジャーを目指さんかい」と、心でちょっと叱咤激励しつつ通り過ぎようと
した。
するといきなり「ドン!ドン!」とドラムの音がした。これはいわゆるドラマーが
足で踏んでたたくやつなのだが、この何でもないような音がわたしの胸に
響き渡り、通り過ぎようとしたわたしの足は歩こうと上げたままピタリと
止まったのだ。
続いて「ビヤーン!」とリードギターの音が鳴り、いきなり演奏が始まり出した。
わたしはまだ足を上げたまま止まっている。やがてボーカルの女性が歌い出した。
わたしの足はやっと下がったが、そのまま後ろ歩きでバンドのほうへ戻り出したのである。
全体の音、ボーカルの声、一枚違うレベルを感じたのだ。
しばし一曲聴いた後、チラシを配っていたので、もらって見ると、
「○○堂オーディション最優秀グランプリ獲得!」と書いてあった。
「へ~やっぱり違うんだ」と感心しつつ、もう一曲聴いてその場を後にした。
やっぱり音楽はスゴイと思った。一発の音でわたしの足を止め、後ずさりまで
させてその場に釘付けにしてしまったのである。また音楽コンプレックスが
頭をもたげてきた。
確かに音楽は人間の五感の中の聴覚と視覚の2感を獲得できるので、視覚だけの
絵に比べれば有利だと思うのだが、その不利をなげいてばかりはいられない。
絵は一瞥をもらったときに、その目をくぎづけにできるようなものを描かなければ
いけないのだ。
ついさっきの我が展示作品が、一瞥をもらったにもかかわらず、その目を
くぎづけにできなかったのである。あ~あ情けなや…。
春めいた街のざわめきは、肩を落として歩くわたしにズシリとのしかかってきた。
拙作4点が展示されてる店に行くためだ。
4点とはいえ作者にとって作品は不肖の子供みたいなもので、
時間が許す限り行ってちょっと隅から覗き見ている。
だーれも見てくれなかったら寂しかろうに、という親バカチャンリンの
心情なのだ。
まあここは喫茶店なので、お客はけっこうやってくるのだが、ギャラリー専門の
会場と違って絵の鑑賞が目的ではないので、ちら…と一瞥するぐらいで、
すぐ新聞に目を落とす人や、一瞥もなくオシャベリに夢中になる人も少なくない。
2時間ほど居て店を後にした。
この日の空は晴れ渡り、ポカポカ陽気だった。時間は昼の12時頃なので
昼飯を食べて帰ろうかと噴水のある公園を通りかかったところ、一組の
バンドが路上ライブをやろうとしているところだった。
ここではいつもいろんなバンドが路上ライブをやっているのだ。
やっているのはいいんだが、どれもこれもありきたりの音で、
何だか似たり寄ったりのもろアマチュアレベルなのである。(まあ…
わたしもたまにここを通るだけなのだが…)
この日は男3人女1人の4人グループで、楽器の前で何やらジャレあっている。
またか…「いかに路上とはいえ、なあなあの感じでやるんじゃないぞ、気合を
入れてメジャーを目指さんかい」と、心でちょっと叱咤激励しつつ通り過ぎようと
した。
するといきなり「ドン!ドン!」とドラムの音がした。これはいわゆるドラマーが
足で踏んでたたくやつなのだが、この何でもないような音がわたしの胸に
響き渡り、通り過ぎようとしたわたしの足は歩こうと上げたままピタリと
止まったのだ。
続いて「ビヤーン!」とリードギターの音が鳴り、いきなり演奏が始まり出した。
わたしはまだ足を上げたまま止まっている。やがてボーカルの女性が歌い出した。
わたしの足はやっと下がったが、そのまま後ろ歩きでバンドのほうへ戻り出したのである。
全体の音、ボーカルの声、一枚違うレベルを感じたのだ。
しばし一曲聴いた後、チラシを配っていたので、もらって見ると、
「○○堂オーディション最優秀グランプリ獲得!」と書いてあった。
「へ~やっぱり違うんだ」と感心しつつ、もう一曲聴いてその場を後にした。
やっぱり音楽はスゴイと思った。一発の音でわたしの足を止め、後ずさりまで
させてその場に釘付けにしてしまったのである。また音楽コンプレックスが
頭をもたげてきた。
確かに音楽は人間の五感の中の聴覚と視覚の2感を獲得できるので、視覚だけの
絵に比べれば有利だと思うのだが、その不利をなげいてばかりはいられない。
絵は一瞥をもらったときに、その目をくぎづけにできるようなものを描かなければ
いけないのだ。
ついさっきの我が展示作品が、一瞥をもらったにもかかわらず、その目を
くぎづけにできなかったのである。あ~あ情けなや…。
春めいた街のざわめきは、肩を落として歩くわたしにズシリとのしかかってきた。
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