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ぽかぽか春庭「はじめの一歩スタートのさくら咲く」

2013-04-07 00:00:01 | エッセイ、コラム
3月20日

013/04/06
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>のんびり春休み2013春(4)はじめの一歩スタートのさくら咲く

 この時期、美術館博物館は、桜にちなんだ絵を展示することがおおいです。桜散歩とともに、桜アート散歩も楽しい。 
 東京近代美術館工芸館では『花咲く工芸』という花をモチーフにした工芸作品を展示していました。(2013年2月19日(火)~5月6日(月))
 着物の絵柄、焼き物の意匠、さまざまな工芸品に、桜模様が花開いています。


 松岡美術館も、春の会期はたいてい「花鳥画」をテーマにして展示します。今年の「花・鳥しあわせの予感」は、2月にぐるっとパス利用で見て、4月5日に招待券もらったので見て、2度みました。


 4月の新入学新入社、転勤など、人生の節目が桜に彩られてきました。9月入学を開始する大学も出てきて、外資系などでは4月一斉入社というのを行わないところもあるしで、桜に祝われるスタートに郷愁を覚える人も少なくなっていくのかも知れません。でもやはり、ひとり散歩で花を見歩くにも、新しい門出の人たちに出会うと、心はずむ思いがします。

 この春は、4月5日に芸大美術館に見に行ったら、芸大の入学式に行きあいました。音楽学部内の(新)奏楽堂での入学式を終えた人たちが、ごったがえす正門前で、親子家族並んで写真を撮っているようすを見ていると、ちょっぴり緊張もある新入生に比べ、親御さんの手放しのうれしそうな表情が印象的でした。
 クラブ勧誘のために庭でサンバチームやアイルランドバグパイプなどのサークルが演奏しているのを聞きました。

上野公園に移築された旧奏楽堂の前の桜


 今期の「コレクション展」おめあては、上村松園『序の舞』一点ですが、ほかにも見応えのある所蔵作品が並べられていました。(4月5日-5月6日)


 芸大は1898年以来、100年にわたって卒業制作自画像を買い取るのが慣例になっていました。100年の自画像のうち、展覧会のたびに貸し出されて展示される作品もあるし、まったく忘れ去られている顔もあるでしょう。
 さて、2013年の新入生たち、音楽家の卵美術家の卵のうち、100年後に大きく羽ばたくのはどの自画像でしょうか。むろん、新入生つきそいの両親家族たちは、「うちの子が一番」と思っているにちがいありません。

 私が芸大コレクション展を見ていたその日、我が息子は、文学部歴史学科新入生歓迎行事のひとつである「歴史民俗博物館見学」案内つきそい係として佐倉まで出かけていました。博士後期課程に所属する学生に課せられたお仕事なんだそうです。
 新入生お世話係の仕事をめんどうくさがる息子に「あなただって新入生のときは、先輩にいろいろ世話してもらったのだから、おかえしでしょ」と言うと、「ぼくは、学部新入生歓迎行事なんかに行かなかった」と答えます。
 そういえば、2007年の息子入学式のとき、私は中国赴任中で、息子が入学する気になったのやらも知らずに仕事していたのでした。

 16歳で高卒認定試験に合格して、以後は2年間ひきこもり、だった息子。センター試験で受けられる私立の歴史学科に合格しても、大学に行く気になるかどうかはわからないと、暗い顔をしていました。3月に中国へ赴任し、はたして入学式にいったのやらと思っていたら、入学式の写真を姉娘が送ってくれました。一応入学したことはわかりましたが、その後大学に通っているのかどうかもまったくわからないまま帰国。
 入学後も人づきあいせずにすごした息子が、卒業式には総代に選ばれたと聞いて、それなら卒業式は出たいと思ったら、3.11のあと、卒業式中止。

 「バス見学についていくのがしんどい」なんぞとほざいている息子は、それでもちょっとは明るくなって、人付き合いもできるようになったのかと思います。
 はたして無事に博士号がとれるのやら、これから先も思いやられますが、ぴかぴかの新入生たちといっしょに輝いてほしいです。

 スタートに立ったどの子にも、その家族にも「花咲け、鳥鳴け、しあわせの予感」を感じてほしいと思いつつ、今年は入学式に名残の桜が間に合った芸大の門を出ました。

ご近所散歩の桜
音無川

旧醸造試験場

十条倉庫

新宿文化センター付近。水織ゆみコンサートへ行く途中


<つづく>
コメント (2)
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