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ぽかぽか春庭「花めぐり花供養」

2013-04-10 00:00:01 | エッセイ、コラム


2013/04/10
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>花供養(1)花めぐり花供養

 古今東西、花は人々の心を沸き立たせるものであり、亡き人の御霊を鎮めるものでもありました。春に咲く花を、春に亡くなった人々のみたまにささげます。

団地の花、3月
れんぎょう

ぼけ、赤、ピンク




白もくれん


紫もくれん

雪柳

東御苑桃華堂前の山吹と桃4月


「散る桜」
1 あしひきの山の際(ま)照らす桜花 この春雨に散りゆかむかも(詠人不知・万葉集巻十)
2 龍田山見つつ越え来し桜花 散りか過ぎなむ我が帰るとに(大伴家持・万葉集巻二十)
3 桜花散りぬる風の名残には 水無き空に波ぞ立ちける(紀貫之) 
4 いつの間に散りはてぬらん桜花 おもかげにのみ色をみせつつ(凡河内躬恒)
5 ちりちらず きかまほしきをふるさとの 花見てかへる人もあはなむ(伊勢)
6 けふこずはあすは雪とぞふりなまし消えずはありとも花と見ましや(在原業平) 
7 ひさかたの光のどけき春の日に しず心なく花の散るらむ(紀友則)
8 花の色はうつりにけりないたづらに わがみよにふるながめせしまに(小野小町)
9 山桜あくまで色をみつるかな 花ちるべくも風ふかぬよに(平兼盛) 
10 花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものは我が身なりけり(藤原公経)
11 たれ見よとなお匂ふらん桜花 散るを惜しみし人もなき世に(赤染衛門)
12 またや見ん交野(かたの)の御野(みの)の桜がり 花の雪ちる春の曙(藤原俊成)
13 風にちる花のゆくへはしらねども をしむ心は身にとまりけり(西行)
14 きのふまでかをりし花に雨すぎて けさは嵐のたまゆらの色(藤原定家)
15 散り散らずおぼつかなきは春霞たなびく山の桜なりけり(祝部成仲)
16 春ふかみ花ちりかかる山の井はふるき清水にかはづなくなり(源実朝)
17 咲きちるはかはらぬ花の春をへてあはれと思ふことぞそひゆく(賀茂真淵)
18 おそざくら猶のこりける花もはや けふ(今日)ふる雨にちりやはてなむ(本居春庭)
19 かぐはしき桜の花の空に散る春のゆふべは暮れずもあらなむ(良寛)

20 梢ふく風もゆふべはのどかにてかぞふるばかりちるさくらかな(香川景樹)
21 きのふけふ降る春雨に散りなむとおもふもをしき花櫻かな(明治天皇)
21 ちる花に小雨ふる日の風ぬるしこの夕暮よ琴柱(ことぢ)はづさむ(山川登美子・恋衣)
23 桜の花ちりぢりにしも わかれ行く 遠きひとりと君もなりなむ(釈迢空・春のことぶれ)
24 みもごろに打ち見仰げばさくら花つめたく額(ぬか)に散り沁みにけり(岡本かの子・わが最終歌集)
25 花過ぎし桜ひと木の遠(おち)にして児湯(こゆ)のみ池の水照(みでり)かがよふ(木俣修・高志)
26 ちる花はかずかぎりなしことごとく光をひきて谷にゆくかも(上田三四二)
27白じろと散りくる花を身に浴びて佇(た)ちお りわれは救はるるなし(岡野弘彦・海のまほろば)
28 夜半さめて見れば夜半さえしらじらと桜散りおりとどまらざらん(馬場あき子・雪鬼華麗)
29 風ふけば幼なき吾子を玉ゆらに明るくへだつ桜ふぶきは(美智子妃1980歌会始)
30 健やかに共に老いたし夫(つま)とゆく サイクリング・ロードに桜花散る(今西文子1980歌会始)
31 桜吹雪くぐり来てあふ観音の黒き御衣(みけし)の裾ひるがへる(小野興二郎・紺の歳月)
32 さくら花ちる夢なれば単独の鹿あらはれて花びらを食む(小中英之・翼鏡)
33 桜ひと木ほむらだつまでぶぶく見ゆ 全き荒(すさ)びの為(な)す しづか見ゆ(成瀬有・流されスワン)
34水流にさくら零(ふ)る日よ 魚の見るさくらはいかに美しからん(小島ゆかり・水陽炎)
35 散るという飛翔のかたち花びらはふと微笑んで枝をはなれる(俵万智・かぜのてのひら) 
36 乳ふさをろくでなしにもふふませて桜終はらす雨を見てゐる(辰巳泰子・紅い花)


隅田川べり
・散り果てて冷雨の宵の川縁(かわべり)に 一葉桜の細き枝揺れる(春庭2005)

大村益次郎像前で歌舞音曲をきく(かっぽれと阿波踊りを見ました)
・散りてこそ咲かめと散った若人よ二度と我が子を散らせはしません(春庭2013)

千鳥ヶ淵
・花筏散り敷くひとひらひとひらの命かがやく水面の白かも(春庭2013)

<つづく>
コメント (2)
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