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ぽかぽか春庭「世界記憶遺産 山本作兵衛作品」

2013-04-16 00:00:01 | エッセイ、コラム
2013/04/16
ぽかぽか春庭@アート散歩>山本作兵衛炭坑記録画(2)世界記憶遺産、山本作兵衛作品閲覧

 自費出版された作兵衛の炭坑記録画に注目した人のひとりが、田川市立図書館館長の永末十四雄でした。炭坑の記録としての資料的価値に気付き、永末は「炭坑資料を集める運動」への協力を求め、作兵衛は水彩画スケッチブックを23冊寄贈しました。1964(昭和39)年のことです。

 永末は、それまで墨絵で描かれてきた炭坑画に彩色することをすすめ、大型ケント紙と岩絵の具を提供しました。作兵衛は永末に応じ、1966(昭和41)年までに、260余枚を田川図書館に寄贈。作兵衛は74歳になっていました。

 1972(昭和42)年、九州の炭坑に深く関わってきた上野英信によってNHK教育テレビが特別番組「ある人生 -ボタ山よ」というタイトルで番組が作られました。
 それを目にした講談社が、『画文集 炭鉱に生きる』を出版するに至り、さらに永末十四雄・木村栄文・上野英信・田中直樹らが1973(昭和48)年に『山本作兵衛画文 筑豊炭坑繪巻』を刊行しました。

 そして、2011年。田川市所蔵584点(墨絵原画306点、水彩画278点)、山本家所蔵福岡県立大学保管の絵画4点、日記59点、原稿などが、まとめて世界記憶遺産として認定されました。

 以下のサイトで作兵衛作品を閲覧することができます。(ユネスコは記憶遺産選定後にインターネット公開することを求めています)
 前半は、昭和30年代に描いた墨絵、後半は昭和40年代に描いた彩色がですが、4秒に1枚。1分間に15枚出てくる自動再生で見て、田川市と福岡県立大学所蔵の750枚ほぼ全作を見るのに50分かかります。1時間とれるときに、ゆっくりごらんください。価値ある750枚です。
 http://www.y-sakubei.com/world/index.html

 作兵衛が描いた約1000枚の絵のうち、750枚が見られるので大いにけっこうなのですが、画面の拡大ができず、私の小さなパソコン画面では、文字まで読み取ることはむずかしい。作兵衛は,自分の作品について、炭坑についての説明と絵と一体となっているものとして描きました。文字が読める程度の大きさにしてくれたらありがたい。

 1970年代後半、作兵衛の絵が有名になると絵を欲しがる人が増え、作兵衛は気前よく作品を欲しいという人に贈呈してしまいました。作兵衛は1984(昭和59)年12月19日享年92歳で没するまで、1,000点以上の炭坑記録画を残しましたが、個人蔵となって秘匿された作品も多く、後半の作品は散逸してしまったものが多いとのことです。

 大型ケント紙に描かれた原画をレプリカでもいいから見たいと願ってきましたが、東博のシンポジウムで、4月から東京タワー1階特設会場で、「世界記憶遺産の炭坑絵師 山本作兵衛展」が開催されることを知りました。

 東京タワーの展示品は、記憶遺産登録後に奇跡的に発見された作品、個人所蔵の作品など、原画59点、また彼の遺品などを展示。i
 東京国立博物館の展示も複製画でしたから、原画がまとまった数で公開されるのは、東京では初めてのこと。田川市が所蔵しインターネットで公開されているのとは別の作品が多いだろうと思い、見ておくことにしました。

2013年3月16日(土)~5月6日(月)会期中無休
http://www.tokyotower.co.jp/55/index_05.html

 私は、3月17日に見てきました。

<つづく>
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