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ぽかぽか春庭「水織ゆみシャンソンコンサート秋」

2013-10-03 00:00:01 | エッセイ、コラム


2013/10/03
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>街の歌声(3)水織ゆみシャンソンコンサート秋

 9月26日「水織ゆみシャンソンコンサート秋」がありました。ミサイルママはじめ、Aダンスの仲間たち、いっしょにゆみさんの歌を聞きにでかけました。
 四谷区民ホールで開催されたコンサート、今回もとても楽しかったです。

 このコンサートの前、いっしょにジャズダンスの発表会に出演したときは、ゆみさんの体調が万全でなく、のどは最悪の状態だったので、コンサートまでに回復できるか、心配しました。でも、さすがプロ。本番では声量もたっぷりと歌い上げて、すばらしい歌声でした。

 前回の「シャンソンコンサート春」は、ピンクやパステルカラーの春らしい色合いの衣装でしたが、今回は、秋の歌「枯葉」や「ぶどうの季節」という歌に合わせたシックな色合いのドレスや小粋なパンツ姿などを披露し、ピアノとギターの伴奏で、歌ってくれました。

 歌の合間のトークもいつものようにお客を笑わせたりしんみりさせたり。
 世界の恵まれない子供やホームレスの人を思いながら歌う「愛しかないときQuand on n'a que l'amour」のときは、涙を流しながらほんとうに心に響く表現力でした。
 歌の表現でも、「ビッグスペンダー」という1967年のヒット曲で、今年車のCMやエストのCMに使われた曲を水織ゆみさんの訳詩で歌ったときは、思いっきり色っぽくそしてかわいい女に。「いつまでこんなスタイルで歌えるかしら」と言っていましたが、ジャズダンスやフラメンコで鍛えている水織さんなら、いつまでも色っぽくかわいい女を演じられるんじゃないかしら。

 第二部の曲のあいまにお客さんたちに話しかけながら客席を回って歌ったとき、「先輩の○○さん、よく来てくださいました。稚内から聞きにきてくれた○○さん、ありがとう」「シャンソン教室の第一期生の○○さん、おひさしぶり」など、ひとりひとりに声をかけてとおりすぎました。
 通路側の席だった私の前では「ジャズダンス仲間のE-Naちゃん、ようこそ」と、名前を呼んでくれて、嬉しかったです。

 私は、この秋のジャズダンス発表で水織さんにとても親切にしていただきました。いつまでたっても振り付けを覚えられない私にていねいに指導してくれたり、本番前にテキトーメイクの私の顔をしっかりダンサー風に作ってくれたり。
 素顔の水織さんは、とても気さくであけっぴろげな方なので、私も気軽にゆみさんゆみさんと呼んでお付き合いしていただいていますが、ステージではキラキラ光っている別世界の人という印象です。でも、今回、ステージの最中でも気さくに私の名もよんでくださって、いっそうファンになりました。

 第二部の最初は「パリアルカルト」と題してパリを歌った曲のメドレー。その中の「アイラブパリ」がyoutubeにUPされています。
http://www.youtube.com/watch?v=ZeJHgT_jMMg

 第二部で歌われた曲の中で、私の好きな曲「闘牛士」 
 youtubeにUPされているのは、20年くらい前のNHKパリ祭のときの録画です。
http://www.youtube.com/watch?v=YKQ-uF-omSM 

 「闘牛士」を歌う水織さん、赤い帽子に黒いタイツも凛々しいハンサムウーマンです。

 新島襄は「アメリカの母」と慕うハーディー夫人当てた結婚報告に、妻・新島八重について次のように書き残しました。
.........Of course she is not handsome at all. But I know of her is that she is a person who does handsome.(.........私の知る彼女は、とても美しく正しい(ハンサムな)行動をする人です)。

 she is a person who does handsomeという新島襄のことばをNHKの歴史秘話ヒストリアは「彼女の生き方はハンサムです」と訳し、大河ドラマ以後の新島八重は「ハンサムウーマン」と呼ばれるようになりました。
 「ハンサムウーマン」という呼び名、シャンソン歌手水織ゆみさんにも当てはまると思います。 Of course she is handsome。And I know of her is that she is a person who does handsome.もちろん彼女はとてもかっこよく、そしてとてもハンサムな生き方をしている人です。

 専業主婦からシャンソンコンクールに応募。優勝後プロのシャンソン歌手になったときは40歳。それから四半世紀、全国のホールやシャンソンバーで歌い続け、シャンソンのお弟子さんたちに歌を指導してきました。
 2011年以後、被災地でのボランティアコンサートなどの支援を続けており、とても生き方がハンサムです。

 アンコールでは、私の好きなエディット・ピアフ「水に流して(私は後悔しない)」も聞くことができました。
 ちまたで歌われているのは岩谷時子訳詩ですが、水織さんはほとんどのフランス語歌詞をご自身の訳詩で歌います。
 でも、水織さんの歌う「水に流して」は、youtubeにもないので、歌詞がわかりません。春庭の意訳超訳で紹介します。いつも、自分の織り上げてきた日々のよいことも悪いことも」すっきりできなくて、いつまでもうじうじしている私には、聞いているだけで、「そう、そう、ここから今からはじめるのよ」という気になる歌です。

♪Non, rien de rien いいえ、ほんとに
 Non, je ne regrette rien 後悔なんて、これっぽっちもしてないわ
 Ni le bien qu'on m'a fait, ni le mal 私が自分で織り上げた日々、
  Tout ca m'est bien egal みんな等しく私自身のもの
  Non, rien de rien    後悔なんて
  Non, je ne regrette rien ひとつもないわ
  C'est paye, balaye, oublie すべて忘れて
  Je me fous du passe 過去はすべて流してしまった

  Avec mes souvenirs  思い出といっしょに
  J'ai allume le feu 焼き尽くしてしまった
  Mes chagrins, mes plaisirs 私の悲しみも楽しみも
  Je n'ai plus besoin d'eux もうそんなものもいらないの
  Balances mes amours  すべての恋を
  Avec leurs tremolos   振り捨ててしまった
  Balances pour toujours  全部精算して
  Je repars a zero ゼロからはじめる

  Non, rien de rien   ええ、なにも
  Non, je ne regrette rien 後悔なんかしていない
  Ni le bien qu'on m'a fait, ni le mal 私がしてきたこと
  Tout ca m'est bien egal よいこともわるいことも等しく
  Non, rien de rien いいえ 少しも
  Non, je ne regrette rien 後悔なんかない
  Car ma vie   私のいのち
  Car mes joies  私の喜び
  Aujourd'hui  今日から
  Ca commence avec toi... あなたとともに始まるのよ

 アンコール曲のしめになっている「友よ目覚めよ」を、白いドレスとケープで歌いました。
 youtubeにUPされている水織ゆみさんの歌声(京都コンサートの録画なので、私が9月26日に聞いたときとドレスは違いますが)
・友よ目覚めよ
http://www.youtube.com/watch?v=c9G3hZC7QdM&feature=endscreen&NR=1

水織ゆみ訳詩の一部を紹介します。youtubeにUPされている「友よ目覚めよ」の後半です。

♪人は誰でも 人生の花を咲かせる 
例えそれが 野辺に咲く 名前もない花であっても
今更遅いとあきめているんじゃないか 
過ぎ去るというより 積み重ねれば 小さな林も いつしか森になる 
気付いた時から 何かが変わっていくものさ 
ひとつの出会いを大切に 
そこから新しい人生 今こそ その時


 2013年3月の「水織ゆみコンサート春」から「夏」「秋」と歌い続け、2014年2月には「冬の章」コンサート。
 渋谷の伝承ホールでのひとり語りと歌「鰊御殿物語」「吉岡弥生伝」を上演するそうです。
 ぜひ一度水織ゆみさんの歌を聴いてみてください。

日時:2014年2月6日(木) 場所:渋谷 伝承ホール
昼の部 2:00~「鰊御殿物語」
夜の部 6:30~「吉岡弥生伝」
主催:サンケイリビング新聞社

<つづく>
コメント (5)
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