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ぽかぽか春庭「お屋敷町の銀杏並木、地元のバレエフェスティバル」

2013-12-12 00:00:00 | エッセイ、コラム
2013/12/12
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>十三里半日記12月(4)お屋敷町の衣装並木、地元のバレエフェスティバル

 宝莱山古墳から宝莱公園へ。公園からは、大通りがまっすぐ田園調布駅へ向かっています。
 田園調布駅に向かう通りは、銀杏並木になっていて、傾いてきたお日様が銀杏木立を黄金色に輝かせていました。銀杏は東京都の木。都内各所に銀杏並木の名所があるのですが、この田園調布銀杏並木も「地元民にしか知られていない名所」なのでしょう。私が田園調布地元民になることはないと思うので、ハイキング帰りに目にできてよかったです。


 旧田園調布駅舎は、これまでビデオでは何度も見てきました。授業で時々学生に見せている『ヤンさんと日本の人々』という日本語教育ビデオの中にたびたび登場するのです。ヤンさんは、田園調布にある鈴木家の離れの一室を間借りして日本の生活を始めます。ヤンさんの通勤風景シーンなどで、最寄り駅であるこの田園調布駅が出てきます。私にとっては、自分の最寄駅以上に目に焼きついている駅舎なのです。


 今では新駅が出来て、この旧駅舎は、駅のシンボルゲートになっています。
 天井の照明器具なども由緒ありげな旧駅舎。1924(大正13)年にでき、駅の地下化に伴い、2000(平成2)年に現在の場所に解体移築されました。田園調布の開発を行った田園都市株式会社多摩川園所属の建築家、矢部金太郎の設計です。矢部は田園調布の地に渋沢秀雄邸などを設計した人ということです。(渋沢秀雄は渋沢栄一の四男)

 黄金の美しい銀杏の並木も見事でしたし、シンボル旧駅舎は可愛らしかったですが、立ち並ぶ邸宅の一軒一軒が「うちは、有名建築家の○○に設計を頼みましたのよ、オホホ」という家やら「あら、タクは新進デザイナーの○○さんの作品ですのよっ」というような家並みに、「へぇ、わしらは、東京のはずれの団地住まいでゴゼーマスだ」という気分になって、どうにも庶民には居心地悪いかんじ。単なるヒガミですけれど。

 田園調布駅から東急目黒線に乗り、王子駅下車。北トピアさくらホールへ。バレエフェスティバルを、ジャズダンス仲間のコズさんと見ました。地域の文化祭のひとつなので、大人の踊るモダンバレエ、モダンダンスに見ごたえのある作品もあり、幼稚園児小学生の踊る「家族以外には耐えられない」バレエ発表もあり。

 まいったこと。日頃はバレエなど見る気はないジーサンバーサンが「うちの孫」見たさに押し寄せ、孫の出番の前も終わってからも、他のグループの演技中であろうとお構いなしに席に出入りしていて、純粋に踊りを見たい私とコズさんは顔を見合わせてしまいました。

 「うちの孫」さえ見られれば、「ああ、やっぱりうちの孫が一番かわいい」と、満足して座ったり立ったり出入りできるのでしょうけれど、私もコズさんも、子も孫も出ていないバレエを作品として見ているのです。コズさんは、演技中もおしゃべりをやめないバーサンふたりに「話したければ、ロビーでどうぞ」と注意していました。

 お金をとってのバレエ公演ではなく、「地域の文化祭にうちの孫が出る」という人にとって、他の出演者の出番などドーデモいいのでしょうけれど、他者を思いやる気持ちも持てない人の孫の踊りは、きっと衣装がかわいいだけのことと思います。あ、衣装がかわいければ、「うちの孫が一番」と満足できる人たちが見に来ているのでした。

 たぶん、田園調布の住人たちは、たとえ地域文化祭の小さな発表会であろうと、バレエ鑑賞のマナーはてっていしているんでしょうね、、、、と、田園調布の「うちらは、文化的生活をしているのよね」という街全体の雰囲気に負けマケの気分で、どうにもヒガミがとれない春庭であります。

 まあ、そんなこんなで、師走ついたち。HALセンセは、場所取り抽選会、無料の芋煮汁、等々力渓谷ハイキング、古墳見学、バレエ見物と、まさに走り回るスケジュールの一日でした。
 12月いっぱい、走りまわります。 

<つづく>
コメント (4)
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