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ぽかぽか春庭「雨の金曜日に」

2013-12-29 00:00:01 | エッセイ、コラム
2013/12/29
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>十三里半日記12月(12)雨の金曜日に

 2013年11月の自民党幹事長石破茂発言、特定秘密保護法案に反対する市民のデモについて「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます」が出されるに及び、おお、そういうことなら、私もテロリストだあ、と思いました。権力側の人間が、反対者に対して「反対することはテロ行為だ」と言い出したのなら、「反原発、反特定秘密保護法案、反武器輸出」を主張する私も、石破氏側から見たら、テロリストだとみなされてしまう。

 批判の高まりを恐れて、石破氏はこの発言を撤回したものの、発言したという事実は残りました。
 驕れる与党のあまりの物言いに、私も決意しました。一度は金曜日に「石破氏のいうテロリスト」になっておかなければ。

 年末、突然の安倍首相の靖国神社参拝。中韓からの反発は予定していたでしょうが、アメリカ頼みの外交なのに、アメリカからも「失望した」と反発されて、これからの外交、どうするつもりなのでしょう。それほど「個人の信念」が大切なら、国の行く末を左右する立場にいることをやめて、辞職ののちに毎日でも参拝に通ったらいいでしょう。

 原発再開へ向けて安全確認がはじまり、特定秘密保護法成立、武器輸出OK。これでいいのでしょうか。
 「大量の票で国民に支持された与党なのだから、何をしようと好き勝手。すべて国民が望んだこと」と、いう思い上がり、許せません。「戦争への道を許さない」という思い、なんとかしなければ。

 12月27日金曜日、午後、5時ごろに首相官邸前は、警察官ばかりが大勢いて、人はぜんぜんいませんでした。国会議事堂のまわりをぐるりと歩いてみました。小雨が降ったり止んだりの中、国会周辺を歩く人はほとんどいません。霞ヶ関近辺の通勤客は、効率よく地下鉄の駅に向かうから、国会議事堂の前を5時すぎにうろうろしていたら、それだけで監視対象みたいです。6時前に地下鉄の国会議事堂前駅に戻ったらぼちぼち人が集まってきていました。

 6時にドラムが鳴り、シュプレヒコールがはじまりました。「原発いらない」「子供を守れ」「再稼働反対」などを、マイクの声ががなり、それに周辺の人々が唱和する。集まっている人々、若い人はほとんどおらず、私くらいの中高年がほとんど。年金暮らしとおぼしき世代ばかりです。
 六本木通りから首相官邸前までの歩道の半分は通行者通路、半分はシュプレヒコール参加者が立っている場所。途中三ヶ所にドラムやサキソホンの「にぎやかし組」がいて、シュプレヒコールが乱れないようにドラムがリズムをとっています。

 私は、最初は歩道に立っている側になってようすを見ていました。「年寄りばっかりだなあ。現役で仕事している人にとっては、年末のかき入れ時にお暇なことやってられないのだろうし、若い人にはもっと楽しいことで集まるのだろう」と思いながら見ていました。シュプレヒコールがなんだかショボイのです。どうにも、のれない感じでした。

 じっと立っていると寒くなるので、反原発とマジックで書いておいた「東京都推奨ごみ袋」に首と腕を出す穴をあけてすっぽりかぶり、歩くことにしました。六本木通りから官邸前のあいだを二往復したら飽きました。こんなことじゃ、いけないなあ、もっと熱心にやらにゃあ、と思ったけれど、私の心情として、つまらないと感じたことをいやいや続けることはないと思い、二往復で歩くのをやめました。

 警察発表とデモ参加側発表の人数はいつも食い違いますが、だいたい1500人~2000人くらいの集合数だったと思います。もっと少なかったかも。
 それぞれが、反原発の思いにかられて、毎週集まっている人、私のように初めて参加した人、いろいろな感情を含んでの参加でしょう。

 人々が立ち並んでいるところを2往復して観察した結果。ほとんどの人が黒っぽい色のダウンコートを着ていたのです。かくいう私も、バーゲンセールで買ったウルトラライトという黒いダウンジャケットにリュックサック背負っている。同じような色合いの同じようなスタイル。警察官が制服着ているのはわかるけれど、てんでんばらばらに集まった人がかくも同じような服装であったことに、一種ショックを受けました。同じような趣味趣向精神状態の人が集合していたということでしょうか。

 それにしても、この薄ら寒い感じは、気温5度というだけでなく、小雨降っているというだけでなく、この人々がショボショボとシュプレヒコール叫ぶのが首相官邸から見えるとして、ああ、反対者はこんなに少数なり。大多数の国民は私の政策を支持している」と、思うだろうなあというところからくるのではないかと思います。お金で横面はたけば、「沖縄に基地を、どうぞどうぞ」となるのだ、という現実。反原発も「福島を返せ」というスローガンのプラカードも、なんだか物悲しくなってきました。



 今の日本、人々はただ物質の豊かさを求めて、「誰かがふるさとも家も失うとしても、自分は電気をめいっぱい使いたい」のだし、自動車業界をはじめ、業績回復の会社にいたら、年末のボーナスをたくさんもらうことのほうが大事。「子供が放射能の危険にさらされる」ことなど他人事、そういう世の中なんだという気がしてきて、歩いている足も重くなる。

 寒そうなおっさんおばさんたちの、ショボショボとしたシュプレヒコール。日本の現実はこういうもんだということが身にしみたけれど、しかし、、、、

 もうちょっと景気いい話で年末を締めたかったのに、しょうがないな、これが現実。
 来年はもう少し元気出していけるよう、年末英気をやしないます。英気といっても、私の場合は、半額セールの焼き芋なんぞを食いまくる、というくらいが関の山なんですけれど。

 焼き芋の売り声、「くりより美味い、十三里半」のはずでしたが、どうにもおいしくない年の暮。これにて「十三里日記」はおひらきです。おつきあい、ありがとうございました。

<おわり> 
コメント (4)
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